Eagle-eyed Cinema Review-鷲の目映画評- -20ページ目

Eagle-eyed Cinema Review-鷲の目映画評-

イーグルドライバーの観た映像作品について、あれこれ書いて行きます。
主に「洋画」ですが、ジャンルにはあまりこだわらず、インスピレーションで拝見する作品を選んでいます。
海外の「ドラマ」も最近は気になります。

『フライト』(原題:Flight /2012年アメリカ/139分/PG-12)

監督:ロバート・ゼメキス

脚本:ジョン・ゲイティンズ

製作:ローリー・マクドナルド、ウォルター・F・パークス、ジャック・ラプケ、スティーヴ・スターキー、ロバート・ゼメキス

製作総指揮:シェリラン・マーティン

音楽:アラン・シルヴェストリ

撮影:ドン・バージェス

編集:ジェレマイア・オドリスコル

出演者:デンゼル・ワシントン、ケリー・ライリー、ブルース・グリーンウッド、ドン・チードル、ジョン・グッドマン、メリッサ・レオ、ジェームズ・バッジ・デールら

100点満点中84



 架空のアメリカ国内線の旅客機事故を題材に、人間のあり方を“辛辣に”問うヒューマン作品。

 本邦劇場公開前の宣伝のイメージとは全く違って、航空事故サスペンスの様相は全くありません。変な宣伝文句に踊らされて劇場鑑賞しなくてよかったと、BD鑑賞後に思いました。

 脚本自体が非常に良く出来ていて、主人公が次にどう行動するか、予測できない展開が見事です。出演者も豪華で、主演のデンゼル・ワシントン始め、ドン・チードル、ケリー・ライリー、ジョン・グッドマン、ブルース・グリーンウッドらが出演しています。



 監督は、『バック・トゥ・ザ・フーチャー』でお馴染みのロバート・ゼメキスです。このところ製作側に回ることが多く、監督作品もアニメーションが続いた久しぶりの実写作品です。




 デンゼル・ワシントンは「ウィップ・ウィトカー」を演じます。この役はアメリカの国内線の機長で、元海軍のパイロットです。ティーンエイジャーの息子がいるが、素行の悪さから離婚し、親権は失っています。しかも、多くの命を預かるには致命的な問題を抱えています。



 ドン・チードルは「ヒュー・ラング」を演じます。この役はパイロット組合専属の刑事事件専門の弁護士で、「ウィップ」の嫌疑を晴らそうと奔走します。



 ブルース・グリーンウッドは「チャーリー・アンダーソン」を演じます。この役は「ウィップ」の海軍パイロット時代からの親友で、劇中では現役を引退し、パイロット組合の理事をしています。親友が素行不良であるのに対し、この人物は豪邸に住まいし、きちんとした家庭と持ち、人のために働いています。




 ケリー・ライリーは「ニコール・マッゲン」を演じます。この役は重症の薬物依存の女性で、家賃も払えないほど困窮した末、薬物の摂取過多の急性症状で意識不明となり、収容先の病院で「ウィップ」と出会います。




 これらの登場人物が、旅客機事故をきっかけにその人生が交錯し、社会現象まで起こしながら、“ある”ひとつの結論に向かって突き進んでいきます。


(あらすじ)

 早朝、ホテルの目覚まし時計で妙齢の美女が目覚める彼女は「カテリーナ・マルケス」といい、国内線のCAである。傍らでまどろんでいる男性は彼女が乗り込む機の機長「ウィップ・ウィトカー」である。彼らの前夜の乱痴気騒ぎはベッドサイドの散らかり方で、おおよそ察しが付く。しかも、彼は目覚めの“一発”とばかりにコカインを吸入する乱れよう。今朝、フライトがあるとは思えない。

 オーランドからアトランタ行きの227便は、出発から波乱含み、強烈な低気圧がオーランド上空を覆い激しい雨と下降気流が吹き荒れている。「ウィップ」は管制からの気象情報を基に既定の高度から急上昇し、雲の切れ目に出て、機体を安定させる事に成功する。客室から歓喜の声が響く。

 その後、前夜の乱痴気騒ぎの疲れから、副機長に業務を任せ、「ウィップ」は昼寝を決め込むが・・・突然、大きな振動が機体全体を揺るがし、一気に急降下し始める。これからの20数分間、機長「ウィップ」は驚異の操縦術をみせ、102名の乗員・乗客のうち、96名の命を救うこととなるが・・・航空機事故調査委員会は「ウィップ」のアルコール摂取と薬物使用を見逃すはずはなかった。 


















『マーサ、あるいはマーシー・メイ』(原題:Martha Marcy May Marlene/2011年アメリカ/102分)

監督・脚本:ショーン・ダーキン

製作:アントニオ・カンポス、パトリック・S・カニンガム、クリス・メイバッハ、ジョシュ・モンド

製作総指揮:テッド・ホープ、シアミ・キム、シャローム・キム、マット・パルミエリ、アレクサンダー・シェプスマン

音楽:ダニエル・ベンシ、サンドラ・ジュリアンズ

撮影:ジョディ・リー・リプス

編集:ザッカリー・スチュアート=ポンティア

出演者:エリザベス・オルセン、ジョン・ホークス、サラ・ポールソン、ヒュー・ダンシー、ブラディ・コーベット、クリストファー・アボット、マリア・ディッツィア、ジュリア・ガーナー、ルイーザ・クラウゼら

100点満点中67点




 騙され、約2年間カルト集団に身を置いた経験から、通常の生活に戻る事に支障をきたす女性の苦悩を描いたヒューマン・スリラー。

 ただ、集団内で、どんなマインドコントロールが行われていたかは、ほとんど描かれていないため、思ったほどのインパクトはなく、主人公が何故、日々幻影を見たり、フラッシュバックに苛まれたり、恐怖感を抱くのかが納得できない内容です。実に惜しい・・・




 主演のエリザベス・オルセンは「マーサ」を演じます。この役は十代で両親を失い、多くはないであろう遺産目当てにカルト集団に連れてこられ、性的暴行を受けたり、動物虐待や強盗を強要された2年間を過ごした経験を持つ女性です。本人はこの作品で有名になり、2013年の『オールド・ボーイ』に出演し、もうすぐ、本邦公開のアメリカ版『GODZILLAゴジラ』にも主役級の役で出演しています。存在感のある個性的な顔立ちの美女です。彼女出なかったら・・・今作の価値は相当下がったろうと思います。


 ジョン・パーキンズはカルト集団のリーダー「パトリック」を演じます。この役は、若い男女を集め、資本主義の否定からくるアナーキズムが自給自足の生活を目指しすが、窃盗・強盗なくしては、一日一食の食事にも困る集団をまとめている人物で、儀式と称し、自分の欲望のまま、グループ内の女性を次々と性欲のはけ口とする偽善者です。裕福そうな邸宅を襲って、場合によっては、メンバーに住人を襲わせます。




 「マーサ」は約2年間の集団生活の後、このリーダーのやり方に耐えられず、脱走するが、姉との静かな生活に戻っても、集団での体験がフラッシュバックし、または、幻影・幻聴をみるようになり、たびたび異常行動を起こすようになります。


(あらすじ)

 「マーサ」は、早くに父を亡くし母と姉と暮らしていたが、姉「ルーシー」が大学生の時、最愛の母もなくなってしまう。姉に頼りたかったが、姉は帰ってこず、孤独に苛まれた挙句、同年代の少女「ゾーイ」の勧めでカルト集団の仲間入りをする。「マーサ」は集団のリーダー「パトリック」が名づけた「マーシー・メイ」を名乗り、ここで約2年間を過ごすが、ある事件をきっかけに脱走をする。

 ほとんど着の身着のままで近くの町にたどり着き、姉「ルーシー」に助けを求める。

 この日から姉夫婦と同居することとなるが、「マーサ」は、集団にいた頃の「マーシー・メイ」の記憶がたびたび甦り、現実を逃避したような言動を繰り返したり、幻覚のようなものを見たり、義理の兄らに暴言を吐くなど日常生活に支障をきたすようになる。




















 

『野蛮なやつら/SAVAGES』(原題:Savages /2012年アメリカ/131分)

監督:オリバー・ストーン

脚本:ドン・ウィンズロウ、シェーン・サレルノ、オリバー・ストーン

原作:ドン・ウィンズロウ『野蛮なやつら』

製作:モーリッツ・ボーマン、エリック・コペロフ

製作総指揮:トッド・アーノウ、シェーン・サレルノ、フェルナンド・スリチン

音楽:アダム・ピータース

撮影:ダニエル・ミンデル

編集:ジョー・ハッシング、スチュアート・レヴィ、アレックス・マルケス

出演者:テイラー・キッチュ、アーロン・テイラー・ジョンソン、ブレイク・ライヴリー、ジョン・トラボルタ、ベニチオ・デル・トロ、サルマ・ハエックら

100点満点中90



 海軍特殊部隊出身の若者と植物学を収めた若者が独自の品種改良?を加えた大麻を栽培し、オリジナルの販売ルートを開拓したことから起こる、アクション色のある犯罪スリラー作品。

 ドン・ウィンズロウの同名作品を原作とし、オリバー・ストーンが監督しました。


 ドン・ウィンズロウはニューヨーク出身の小説家で探偵物、犯罪物を専門としています。1997年刊行の『ボビーZの気怠く優雅な人生』も2007年に映画化されています。


 監督のオリバー・ストーンはご存じのとおり、1986年公開の『プラトーン』や1994年公開の『ナチュラル・ボーン・キラーズ』が有名ですね。




 主演のテーラー・キッチュは「チョン」を演じます。この役は元海軍特殊部隊員で、独自の人脈で大麻製造販売グループの保安と収益金の洗浄を行う青年です。本人は同じ2012年公開の『ジョン・カーター』、『バトルシップ』で有名ですね。最近作は2013年の『ローン・サバイバー』の海軍特殊部隊員「マイケル・マーフィ」大尉役を演じました。




 同じく主演のアーロン・テイラー・ジョンソンは「ベン」を演じます。この役は大学で経済学と植物学を学んだインテリで、暴力や策略で売り上げ拡大を目指すのではなく、品種改良した大麻の高い品質と顧客満足度でパイを広げて行こうと、親友「チョン」とベンチャー的に起業した経営者です。ジョンソン本人は、2010年の『キック・アス』と2013年の『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』で有名ですが、私としては、2009年公開の『ノーウェアボーイ』の「ジョン・レノン」役の方が印象が強いです。



 この二人の恋人役ブレイク・ライヴリーは「O(オフィーリア)」を演じます。この役は、全くタイプの違う二人の男性を彼女なりの理由で愛し、彼らからもまるで体の一部のように愛される女性です。今作はこの「O」がストーリーテラーとなって、物語が進んで行きます。売り物の大麻を吸い過ぎるのがやや気になりますが・・・。彼女自身はこのところ主役級の役が多く回ってきますが、十代の頃出演した『旅するジーンズと16歳の夏』(2005年)と『旅するジーンズと19歳の旅立ち』(2008年)の「ブリジット」役で注目されました。




 これらの若者グループが、暴力や謀略によらず、品種改良による高品質の製品の開発・製造と顧客志向のマーケティングで、大麻販売ルートを開拓し、瞬く間に売り上げを伸ばしていきます。そんな“甘い汁”を旧来型の組織が見逃すはずはなく、メキシコのシンジゲートがその製品を供給することを強要することから、大きなトラブルに発展するという展開です。犯罪界にもニューウェーブと言うか、べンチャーの波が押し寄せ、「老舗にはきつい時代になった~感」が漂います。



(あらすじ)

 「O(オフィーリア)」は、他人から見ると奇妙な同居関係を送っている。海軍特殊部隊出身の「チョン」と大学で経済学と植物学を修めた「ベン」が彼女のパートナーであるからだ。「チョン」に対してはセックスと解放を求め、「ベン」に対しては愛と安らぎを求め、必ず彼らは返してくれる。彼らが生業としているのは、大麻の製造と販売。この分野の新興勢力で、カリフォルニア州ラグナ・ビーチを拠点とし、ここ数年で急速にその売り上げを伸ばしてきた。「チョン」の人脈で商売上の保安は盤石であり、「ベン」の人脈で資金や売上金の洗浄は完璧である。

 そんな彼らの高品質の大麻と資金ルートに、エレナ率いるメキシコの麻薬密売組織が目を付ける。安全を保障する代わりに、売り上げの20%を要求してきたのである。この組織に関わるだけで、泥沼にハマると判断した「チョン」と「ベン」は、「O」と共に国外に脱出することを決意するが、最後の買い物とばかりに街に出た「O」は、組織に拉致されてしまう。ここから、組織との苦しい攻防が始まるのだが・・・