Eagle-eyed Cinema Review-鷲の目映画評- -19ページ目

Eagle-eyed Cinema Review-鷲の目映画評-

イーグルドライバーの観た映像作品について、あれこれ書いて行きます。
主に「洋画」ですが、ジャンルにはあまりこだわらず、インスピレーションで拝見する作品を選んでいます。
海外の「ドラマ」も最近は気になります。

『マルホランド・ドライブ』(原題:Mulholland Drive /2001年アメリカ、

フランス/145分)

監督・脚本:デヴィッド・リンチ

製作:ニール・エデルスタイン、ジョイス・エライアソン、トニー・クランツ、マイケル・ポレール、アラン・サルド、メアリー・スウィーニー

製作総指揮:ピエール・エデルマン、デヴィッド・リンチ

音楽:アンジェロ・バダラメンティ

撮影:ピーター・デミング

編集:メアリー・スウィーニー

出演者:ナオミ・ワッツ、ローラ・ハリング、ジャスティン・セロー、アン・ミラー、ダン・ヘダヤ、ロバート・フォスター、レベッカ・デル・リオ、ミシェル・ヒックス、メリッサ・クライダーら

100点満点中81



 ロサンゼルスにある峠道マルホランド・ドライブで起きた自動車事故を始点として起こる数々の事件の全てが、映画界の暗部に絡んでくる様子を描いたスリラー作品。

 自動車事故、殺人事件、自殺、窃盗、脅迫、妄想、幻覚・幻聴、不倫、レズビアンありという目まぐるしい展開とそれに関係する多くの出演者で、鑑賞者を悩ませますが、作品終了後の数時間で、もう一回観てみたくなる常習性の高い作品です。

 一度観ただけでは、自分なりの理解さえ十分に及ばぬ、不条理な展開です。これはデヴィド・リンチ監督の常とう手段で、特定の解釈で作品を縛るより、観客の自由意思で作品内の人生を、観客の本意でストーリー化すべしという監督からのメッセージでもあります。(ご意見の異なる方もいらっしゃるとは・・・思いますが)



 デヴィッド・リンチはモンタナ州出身で、父の友人の画家の影響で、絵画に興味を持ち、ワシントン美術大学、ボストン美術館付属美術学校を経て、ペンシルベニア芸術科学アカデミーに就学しました。その後、1976年に『イレイザー・

ヘッド』を自主制作し、1980年に『エレファントマン』、1986年には『ブルーベルベット』を監督しました。今作『マルホランド・ドライブ』は第54回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞しました。



 主演のナオミ・ワッツは「ベティ・エルムス」と「ダイアン・セルウィン」を演じます。「ベティ」は地方から出たての女優の卵で、「ダイアン」はやや夢やぶれた端役専門の女優です。この二人の役を器用に演じ分けています。特に「ベティ」の部分では、輝くような健康的な美貌を発散させ、これだけで観客を画面に引き寄せてしまいます。最近作は2013年の『ダイアナ』でダイアナ妃(↓)を演じました。



 相手役ローラ・ハリングは「リタ」と「カミーラ・ローズ」を演じます。「リタ」は本当の自分の名前も忘れてしまった記憶消失の女性で、『カミーラ」は悠々自適の大女優です。冒頭この「リタ」が、暗殺の危機から自動車事故に遭遇するシーンから作品は始まります。


 約2時間を経過する頃から作品の様子が一変し、難解・不条理な展開へと突入していきます。



(あらすじ)

 黒髪に派手なスタイルの女が高級車の後部座席に座っている。夜のマルホランドドライブのカーブの途中でこの車は停車する。助手席の男がサイレンサー付きのオートマチック・ピストルを彼女に突き付け引き金を引こうとした瞬間、街道レースで暴走した別の車が正面衝突する。

 車中の女は、一時意識を失っていたが、ふらふらと大破した車から離れ、街道の斜面を下っていく。

 あるアパートメントの入り口脇の植え込みでへたり込んだこの女が、翌朝、人の動きで目を覚ますと、一室の扉が開け放てれている。彼女はこの部屋に潜り込み、もうしばらく休もうと家具の陰に身を潜める。

 この部屋は、往年の大女優「ルース」のもので、彼女の姪「ベティ・エルムス」がやって来る。伯母が留守の間、間借りし、女優修行をしようというのだ。当然、「ベティ」は、潜り込んだ黒髪の女と鉢合わせになるが、憔悴しきったこの女を可哀想に思った「ベティ」はしばらく置くことにする。この女は記憶喪失でありながら、部屋に貼られていた女優リタ・ヘイワースのポスターを見て、反射的に「リタ」と名乗った。



























 


『ワールズ・エンド酔っぱらいが世界を救う!』(原題:The World's End / 2013年イギリス作品、2014年日本公開/109分)

監督:エドガー・ライト

脚本:エドガー・ライト、サイモン・ペグ

製作:ニラ・パーク、ティム・ビーヴァン、エリック・フェルナー

製作総指揮:ジェームズ・ビドル、ライザ・チェイシン

音楽:スティーヴン・プライス

撮影:ビル・ポープ

編集:ポール・マクリス

出演者:サイモン・ペグ、ニック・フロスト、パディ・コンシダイン、マーティン・フリーマン、エディ・マーサン、ロザムンド・パイク、ピアース・ブロスナンら

100点満点中72点




 青春懐古的な人間ドラマに、SF要素・スリラー要素を盛り込んだお下劣コメディ。

 イギリスのニュートンヘイヴンという田舎町では、18歳の高校卒業時に12軒のパブを回り、1店舗当り1杯以上のアルコールを飲むことがルールの“はしご酒マラソン”という風習??があり、20数年前、この“はしご酒マラソン”の最終目標店「ワールズ・エンド」まで完走することができなかったアラフォーの5人のおっさんが、いい年になってから完走しようと、この12軒のはしご酒に再挑戦するという、なんとも下らないストーリーなのですが、久しぶりに戻った故郷ニュートン・ヘイブンは・・・

 サイモン・ペグが中核にいながら、まとまりのない作品になったことが・・・非常に残念な作品です。同じく、サイモン・ペグが脚本にも関わった『ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-』( 2007年)や『宇宙人ポール』(2011年)ほどのインパクトや一貫したストリー性がないのが惜しい内容です。




 監督のエドガー・ライト(↑右)はイングランド、ドーセット出身で、サイモン・ペグと制作した『ショーン・オブ・ザ・デッド』で注目を浴び、2011年公開の『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』では、監督・脚本・製作の三役を果たしました。私は大好きな監督さんなのですが、今作の出来は“イマひとつ”詰めが足りない印象です。




 主演のサイモン・ペグは「ゲイリー・キング」を演じます。この役は二十数年前の悪ガキで、5人のリーダー的な存在でしたが、40歳になっても生活態度は変わらず、それ以外にも大きな問題を抱えている、社会適合性の低いおっさんです。彼の発案で、他の4人は故郷に集められることとなります。




 ニック・フロストは友人「アンディ・ナイトリー」を演じます。この役は「ゲイリー」の盟友で、もとラグビー選手。現在は弁護士となり、一見満ち足りた生活を送っている常識人です。彼本人はサイモン・ペグとコンビを組んで、『ショーン・オブ・ザ・デッド』(2004年)、『ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!』(2007年)、『宇宙人ポール』(2011年)に出演しています。



 パディ・コンシダインは友人「スティーヴン・プリンス」を演じます。この役はミュージシャン志望のイケメンでしたが、夢破れ、音楽で生計を立てることを追諦めたおじさんです。彼本人は、名わき役でたくさんの作品に出ていますが、2007年公開の『ボーン・アルティメイタム』では新聞記者「サイモン・ロス」役は印象的でした。



 マーティン・フリーマンは友人「オリヴァー・チェンバレン」を演じます。この役はグループのなかでは“金魚の糞”的な存在ですが、大人になってからはまじめに働き、現在では不動産会社の副支店長となって、順調な仕事ぶりのビジネスマンです。彼本人は、2005年の『銀河ヒッチハイク・ガイド』や2012年の『ホビット 思いがけない冒険』の主演で有名ですね。



 エディ・マーサンは友人「ピーター・ペイジ」を演じます。この役は実業家の家に生まれた金持ちのボンボンですが、他のグループからいじめられたつらい経験を持っている人物ですが、現在は父親の事業の一部を引き継ぎ、ドイツ車の販売店のマネージャーをしています。彼自身はやはり名わき役で、ロバート・ダウニー・Jr主演の『シャーロック・ホームズ』シリーズなどに出演しています。

 こんな5人が大人気ない様子で、故郷ニュートンヘイブンに降り立ち、ひっちゃかめっちゃかの騒動を起こしながら、ある危機からこの町を救おうと奮闘します。・・・ですが、なんか?その解決策というか、行動規範が滅茶苦茶な感じです。



         














(*公開中のため、あらすじは控えます。)


『エイリアン・バスターズ』(原題:The Watch /2012年アメリカ/102分)

監督:アキヴァ・シェイファー

脚本:ジャレッド・スターン、セス・ローゲン、エヴァン・ゴールドバーグ

製作:ショーン・レヴィ

製作総指揮:ダン・レヴィン、モニカ・レヴィンソン

音楽:クリストフ・ベック

撮影:ビリー・パターソン

編集:ディーン・ジマーマン

出演者:ベン・スティラー、ヴィンス・ヴォーン、ジョナ・ヒル、リチャード・アイオアディ、ローズマリー・デウィット、ウィル・フォーテ、エリン・モリアーティ、ニコラス・ブラウン、R・リー・アーメイら

100点満点中74点




  オハイオ州グレンビューを舞台に、エイリアンの侵略を阻止しようと立ち上がったスーパーの店長らの活躍を描いたSFアクション・コメディ?。本邦劇場未公開作品なので、知らない方も多いはず。

 SFアクションの要素はありますが、その実、根底にはヒューマン・コメディの要素の方が強く、科学的裏付けがきちんとされた考証に基づいたストーリーや洗練されたアクションを期待すると“完全“に裏切られます。

 しかも、終盤近くまで、お下劣な下ネタギャグのオンパレードなので、“そうゆうの”がお嫌いな方々には、お勧めできません。字幕を読む限り・・・苦笑、失笑レベルです。

 ただ、作品のテーマとしては、夫婦関係、友人関係、誠実な生き方とは何か?を問う“ある意味”まじめな作品なのです。



 主演はベン・スティラーですが、製作側に加わった監督はザ・ロンリー・アイランドのメンバー、アキヴァ・シェイファーです。

*ザ・ロンリー・アイランド・・・伝説的コント番組『サタデー・ナイト・ライブ』にグループとして2005年から2011年まで出演していた経験があり、この番組をきっかけに一躍人気グループとなった。2011年以降は、アンディのみが番組内に残る。2012年、アンディも番組を降板した。

 現在は、ヒップホップミュージックを基軸とした楽曲製作を主に行っており、これまでに2枚のアルバムをリリースしている。そのうち、2011年発表の『Turtleneck & Chain』は、全米ビルボード200にて初登場3位を記録するなど、音楽面での評価も非常に高い。アキヴァ・シェイファーは『サタデー・ナイト・ライブ』の放送作家であった。(WIKIより)



(あらすじ) 

 オハイオ州グレンビュー。この田舎町を“宇宙で一番素晴らしい町”と感じているのは、コストコの店長「エヴァン・トラウトウィグ」である。彼は、博愛主義者というべきか、地域でたくさんの奉仕活動や健康増進活動を行う団体を主宰し、人種や年齢の区別なく友好を広げている。ヒスパニック系移民たちを理解するため、スペイン語の勉強会を開いているほどである。

 そんな彼が責任者を務めるコストコの夜間警備員は最近、やっとアメリカの市民権を得たヒスパニック系の青年であるが、ある夜、この警備員が店内で惨殺されるという事件が起きる。

 地元警察は、「エヴァン」が最重要容疑者として、嫌疑をかけるが、彼は地元高校のフットボールチームの対抗試合のハーフタイムの時間を借りて、観客に向けこう訴えるのだった。

 「平和なこのグレンビューの町に、殺人者がいる。みんなで立ち上がり、犯人を見つけ出そうではありませんか?」

 この晩から、彼は「ご近所ウォッチャー」なる自警団を組織し、活動を始めるのでだが、集まったメンバーは、たったの3人。しかも、各々の参加理由はてんでバラバラで、順法意識も薄く、前途多難である。

 そんな中で、第二、第三の惨殺事件がおこる。「ご近所ウォッチャー」隊も何か“怪しい”痕跡をつかむようになり、闇夜にこの町中を徘徊する血に飢えた異形の生物と遭遇するとととなる。この異形の生物こそが、一連の事件の犯人?ではと判断し、追うことにするのだが・・・