Eagle-eyed Cinema Review-鷲の目映画評- -16ページ目

Eagle-eyed Cinema Review-鷲の目映画評-

イーグルドライバーの観た映像作品について、あれこれ書いて行きます。
主に「洋画」ですが、ジャンルにはあまりこだわらず、インスピレーションで拝見する作品を選んでいます。
海外の「ドラマ」も最近は気になります。

『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』(The Help /原題:2011年アメリカ/146分)

監督・脚本:テイト・テイラー

原作:キャスリン・ストケット『ヘルプ 心がつなぐストーリー』

製作:クリス・コロンバス、マイケル・バーナサン、ブランソン・グリーン

製作総指揮:モハメド・カーラフ、ネイト・バークス、ジェニファー・ブラム、L・ディーン・ジョーンズ・Jr、ジョン・ノリス、マーク・ラドクリフ、ジェフ・スコール、テイト・テイラー

音楽:トーマス・ニューマン

主題歌:メアリー・J・ブライジ『The Living Proof』

撮影:スティーヴン・ゴールドブラット

編集:ヒューズ・ウィンボーン

出演者:エマ・ストーン、ヴィオラ・デイヴィス、ブライス・ダラス・ハワード、オクタヴィア・スペンサー、ジェシカ・チャステイン、シシー・スペイセク、マイク・ヴォーゲル、アリソン・ジャネイら

100満点中80




 公民権運動が、アメリカ社会全体で動き始めた1960年代初頭の南部諸州ミシシッピー州ジャクソンを舞台に、「ジム・クロウ法」と総称れる人種分離法が当然という風潮の中で、理不尽な“差別”に抗議するために立ち上がった白人女性ジャーナリストの活躍と危険を顧みず赤裸々に生活苦を訴えた黒人メイドの人間関係を描いた社会性の強いヒューマン作品。



 ややアイドル的な人気のあるエマ・ストーンを主人公に据えた点が、地味なテーマを受け入れやすくした印象ですが、その頃の南部特有の頑固なまでの“黒人蔑視”が、そういったことに疎い我々日本人にも解りやすく描かれています。興行的にも大ヒットした作品です。本当に面白い。

 *公民権運動・・・1950年代から1960年代にかけて、アフリカ系アメリカ人が、公民権の適用と人種差別の解消を求めて行ったアメリカの大衆運動のこと。

 *ジム・クロウ法・・・ジョージア州、アラバマ州、ミシシッピー州などの南部の州で、白人による有色人種に対する人種分離を合法とする各種法律の総称。白人が黒人に扮して歌うコメディ舞台のヒット曲、『ジャンプ・ジム・クロウ(Jump Jim Crow)』に由来する。



 監督のテイト・テイラーは、今作では脚本も手掛けています。彼はミシシッピ州ジャクソン出身で、俳優もしています。今作が長編作品としては2本目です。




 主演のエマ・ストーンは「ユージニア・"スキーター"・フェラン」を演じます。この役は、当時としてはほとんどの同級生が結婚して子供もいる20代前半でありながら、4年生大学を卒業し、ジャーナリスト志望のまま故郷ジャクソンの帰ってきた女性で、どうも東部の大学出身のようであり、また、黒人メイドに心底可愛がられて育ったため、黒人差別など到底許せないという正義感溢れる人物です。彼女本人は『アメイジング・スパイダーマン』(2012年)や『L.A. ギャング ストーリー』(2013年)で有名ですね。



 ヴィオラ・デイヴィスは「エイビリーン・クラーク」を演じます。この役は、雇用主(白人)からの侮蔑に耐えながら、この雇用主の長女を献身的に育てる黒人メイドで、中盤以降、神からの“教え”に従って「スキーター」の取材に応じるようになります。彼女自身は、名脇役としてたくさんの作品に出演しています。『ディスタービア』(2007年)や『ナイト&デイ』(2010年)などが記憶にあるでしょうか?



 オクタヴィア・スペンサー(上と↑左)は「ミニー・ジャクソン」を演じます。この役はやはり理不尽な扱いをする雇用主に解雇される黒人メイドで、ある方法でその“仕返し”をした上で、「スキーター」の取材に応じるようになります。彼女自身は、『バッドサンタ』(2003年)や『スペル』(2009年)に、ちょっとした役で出演していますが、結構存在感はありますね。



 ブライス・ダラス・ハワードは「ヒリー・ホルブルック」を演じます。この役は「ミニー」を徹底的にイジメ抜く白人女性で、やや裕福なため同級生グループのリーダー的存在で、コミュニティのオピニオンリーダーです。とにかく意地が悪い。彼女本人は、『ターミネーター4』(2009年)や『エクリプス/トワイライト・サーガ』(2010年)の出演で皆さんご存知かもしれませんね。



 あと、ジェシカ・チャステインは「シーリア・フット」を演じます。この役は、低所得階級出身ながら、富裕層の男性と結婚した女性で、家事が不得意なため、黒人メイドを雇うことにします。彼女本人は2012年の軍事ポリティカル作品『ゼロ・ダーク・サーティ』の主演で有名です。


(あらすじ)

 ミシシッピー州ジャクソンでは、1960年代も人種差別は確実に存在している。公共の場所だけでなく、就業先でのトイレの使用や食器の使い方などにも細かい“区別”とされる『差別』を強いられるからだ。特に、奴隷制の名残が強いこの地では、黒人女性の就労先は、やや裕福な白人家庭のメイドが一般的である。 

 この頃のこの地域の白人女性としては珍しく、4年制大学を卒業して、この地に帰郷した「スキーター」は努力の甲斐があって、地元紙「ジャクソン・ジャーナル」に就職が決まる。担当は「マーナ女史」の生活相談というコラム記事。

 「スキーター」は旧交を温めるため、「ヒリー」らが主催するブリッジ・クラブに顔を出すが、すでに所帯を持っているメンバー達の“たちの悪い”黒人蔑視発言に閉口するどころか嫌悪感すら覚える。だが、今後担当する生活相談のコラムに必要なため、友人「エリザベス」に頼み込み、彼女の黒人メイド「エイビリーン」に協力してもらうことを約束させる。・・・と同時に、黒人メイド達の置かれている現状を社会に訴えるため、雇用主から受けた人権侵害や嫌がらせの事実を取材し、一冊の本にまとめる決心をする。だが、そう簡単に彼女たちから生の声を聞き出すことはできない。なぜなら、黒人メイドが真実を告発するとは、彼女らが失職するに留まらず、命の危険さえあるからである。・・・そう、ここは、いまだに根深い人種差別が残る南部州なのである。しかし、「ヒリー」のメイド「ミニー」が、家のトイレを使ったとして解雇されたことをきっかけに、同じ黒人メイド「エイビリーン」は出エジプト記の内容に従うかように、「スキーター」の取材に応じることにするが・・・




























 



『X-MEN: フューチャー&パスト』(原題:X-Men: Days of Future Past /2014年アメリカ、イギリス/131分)

監督:ブライアン・シンガー

脚本:サイモン・キンバーグ

原案:サイモン・キンバーグマシュー・ヴォーン、ジェーン・ゴールドマン

製作:ローレン・シュラー・ドナー、ブライアン・シンガー、サイモン・キンバーグ、ハッチ・パーカー

製作総指揮:スタン・リー、トッド・ハロウェル、ジョシュ・マクラグレン

音楽:ジョン・オットマン

撮影:ニュートン・トーマス・サイジェル

編集:ジョン・オットマン

出演者:ヒュー・ジャックマン、ジェームズ・マカヴォイ、マイケル・ファスベンダー、ジェニファー・ローレンス、ハル・ベリー、アンナ・パキン、エレン・ペイジ、ニコラス・ホルト、ピーター・ディンクレイジ、イアン・マッケラン、パトリック・スチュワートら

100点満点中81




 マーベルコミックスの超能力キャラクターを登場人物としたSFアクション作品。

 『X-MEN: ファイナル ディシジョン』(2006年)及び『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』(2011年)両方の続編です。

 クリス・クレアモントジョン・バーンが1981年に『アンキャニィX-MEN』誌で執筆したストーリー『デイズ・オブ・フューチャーパスト』を基とした物語となっています。

 監督のブライアン・シンガーは『X-メン』(2000年)、『X-MEN2』(2003年)以来3作目です。シンガー監督は、1995年の『ユージュアル・

サスペクツ』や2008年の『ワルキューレ』、2013年の『ジャックと天空の巨人』の監督としても有名ですね。


 非常にこなれた筋立てが秀逸です。 「センチネル」と呼ばれる超能力ロボット軍団が、ミュータントと彼らに協力する人間たちを殲滅しようと迫りくる近未来。絶滅の危機の瀕したミュータントを救うべく、「キティ・プライド」の能力によって、 「ウルヴァリン」の精神のみを過去へ送り返し、歴史を変えようと奮闘するX-メンの奮闘を描いています。

 

 お馴染みのキャラクターが大挙出演していますが、少し整理しましょう。



 「ローガン / ウルヴァリン」・・・ヒュー・ジャックマンが演じます。驚異的な治癒力と攻撃能力を持ち、全身の骨格にアダマンチウムを埋め込まれたミュータント。今作では中心的役割を演じています。



 「チャールズ・エグゼビア / プロフェッサーX」・・・若年期をジェームズ・マカヴォイが、老年期をパトリック・スチュワートが演じています。脊椎を損傷して車椅子の生活を強いられるテレパシー能力者で、今作では現在と過去の両方のX-メンを率いて最大・最後の戦いに挑みます。



「エリック・レーンシャー / マグニートー」・・・ 若年期をマイケル・ファスベンダーが、老年期をイアン・マッケランが演じます。金属を自在に操る能力を持った最強のミュータントです。[ 彼は数十年にわたってプロフェッサーX及びX-メンと対立していしたが、ミュータントが存亡の危機に瀕している今作では協力関係となっています。


 「レイヴン・ダークホルム / ミスティーク」・・・ジェニファー・ローレンスが演じます。変身能力を持ったミューテントで、反対勢力の人物を暗殺することを生きがいとしています。何度も変身を繰り返すうちにその体細胞を若返らせて生きており、100年以上のあいだ若々しい外見を保っていると言うことです。日本語吹き替えは剛力彩芽が務めます。



 「オロロ・マンロー / ストーム」・・・ハル・ベリーが演じます。天候を操る能力を持つミュータント。



「ハンク・マッコイ/ビースト」・・・若年期をニコラス・ホルト、老年期をケイシー・グラマーが演じます。怪力と動物的な俊敏性を併せ持つミュータント。 

 「マリー/ローグ」・・・アンナ・バギンが演じます。相手に触るととで、その人間の生命力やミュータント能力を吸収する能力を持つミュータント。




「キティ・プライド / シャドウキャット」・・・エレン・ペイジが演じます。物体や空間をすり抜ける能力を持つミュータント。人の意識を過去の本人の意識内に飛ばすこともできる。今作では重要なキャラクターとなっています。 

 「ボビー・ドレイク / アイスマン」・・・ ショーン・アシュモアが演じます。空気中の水蒸気を氷結させる能力を持つミュータント。

 ピーター・ラスプーチン / コロッサス」・・・ ダニエル・クドモアが演じます。自分の肌を鋼鉄に変化させ、飛躍的に耐久力を上げるとができる上、超人的な馬力と腕力を持つミュータント。



 クレア・ファガーソン / ブリンク(↑右)」・・・ファン・ビンビンが演じます。テレポート能力を持つミュータント。本人はこんなに美人。(↓)


 ・・・などのミュータントが登場します。激しいシーンの連続ですし、ストーリー展開も早い作品です。エンターテインメント性は抜群!と言っておきましょう。


(*現在、公開中のためあらすじは控えます。)



 

 

『ぼくたちの奉仕活動』(原題:Role Models /2008年アメリカ、ドイツ/101分)

監督:デヴィッド・ウェイン

脚本:デヴィッド・ウェイン、ポール・ラッド、ケン・マリーノ、ティモシー・ダウリング

製作:メアリー・ペアレント、スコット・ステューバー、ルーク・グリーンフィールド

製作総指揮:ダン・コルスラッド、アンドリュー・Z・デイヴィス、マット・シーゲル、ウィリアム・シェラック、ジェイソン・シューマン

音楽:クレイグ・ウェドレン

撮影:ラス・T・オルソブルック

編集:ラス・T・オルソブルック

出演者:ポール・ラッド、ショーン・ウィリアム・スコット、クリストファー・ミンツ=プラッセ、ジェーン・リンチ、ボビー・J・トンプソン、エリザベス・バンクス、ケン・チョン、ケン・マリーノ、ケリー・ケニー、A・D・マイルズら

100点満点中78点


 アメリカの地方都市を舞台に、公務執行妨害や交通違反などで禁固刑を受ける代わりに、社会奉仕活動を義務付けられたコンビが、無罪放免を勝ち取るために奮闘するヒューマンコメディ。2008年アメリカ公開ですが、本邦劇場未公開作品です。

 登場する大人が、年齢は重ねたけれど、子供っぽい自分本位の言動を突き通すことがいつまでも許されると考えているので、観ているこっちは、冒頭から終盤までイライラしっぱなしです。また、子供を含め登場人物の多くが、お下劣な下ネタばかり話すので、この手の作品が不得手な方には勧められません。その上、かの国の司法制度はかなり寛容なようで、日本なら現行犯、即、懲役刑となりそうですが、社会奉仕活動を150時間すれば、無罪放免となるようです。なんか・・・信じられない。




 ポール・ラッドは主人公「ダニー」を演じます。この役はエナジードリンクの営業マンで、トレードマークのミノタウルスのデコレーションを施したデモカーで地元の高校を回っては、麻薬撲滅を販売促進に結び付けて営業活動をしています。かなりのエゴイストで、自分の非を認めるどころか、自分の失敗も周囲のせいだと言ってはばからない、図々しさです。観ていてかなり“ウザい”人物。こんなのが職場にいたら、チームワークは台無しですね。ラッド本人はニュージャージー州出身の俳優で、脇役が多かったですが、今作がヒットしたことで、最近はコメディ作品の主演が増えています。



 ショーン・ウィリアム・スコットは「ホイーラー」を演じます。この役は、「ダニー」の親友で、ミノタウロスの着ぐるみを着てエナジードリンクの営業活動に同行する能天気な人物です。家庭を持って落ち着いた生活を送ろうなんて、“これっぽっちも考えていません。女性をナンパすることを生きがいに生きています。




 エリザベス・バンクスは、「ダニー」の恋人「べス」を演じます。この役は刑事事件専門の弁護士で、スマートに見えて、情が深いせいでダメ男に振り回されます。バンクス本人はマサチューセッツ州のピッツフィールド出身で、サム・ライミ監督の『スパイダーマン』シリーズに出演し、2010年のラッセル・クロウ主演の『スリーデイズ』にも出演しています。かなりの美女です。




 クリストファー・ミンツ=プラッセは「オーギー」を演じています。この役はファンタジーの世界をこよなく愛し、地域の“中世”ファンタジーサークルに入っていますが、現実離れしたこの世界でのコミュニケーションは得意ですが、通常の生活では母親との会話もままなりません。ミンツ=プラッセ本人は、皆さんよく御存じの『キックアス』シリーズの「レッド・ミスト」で有名ですね。




 あとこの“中世”ファンタジーサークルの「王様」役でケン・チョンが出演しています。彼は、『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(2009年)や『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』(2011年)の出演で有名ですね。




(あらすじ)

 「ダニー」はドリンク飲料メーカーの営業マンだが、今日も相棒「ホイーラー」にミノタウロスの着ぐるみを着させて、地元の高校を回っては、麻薬撲滅を訴えながら・・・「ドラッグを止めて、このドリンクを飲もう!」という営業活動にいそしんでいる。ただし、麻薬撲滅とドリンク飲料の販売促進とに何の関係性も見いだせないので、あまり説得力がない。

 そんな閉塞感の中で、ある日、このままでは、無意味な人生の中で自分は押しつぶされてしまうと考えた「ダニー」は同棲中の「べス」に求婚するが、あっさり断られ、彼女は家を出て行ってしまう。

 そのせいで、自暴自棄となった「ダニー」の営業活動は投げやりに・・・・営業先の高校で暴言の限りをつくし、ミノタウルスのデコレーションを施した、カスタム・デモカーは駐車禁止のため、レッカー移動されそうになる。「ダニー」は「ホイーラー」と共に警官の制止も聞かず、デモカーを発進させ、公務執行妨害の上、交通事故を起こしてしまう。

 この一件で、「ダニー」と「ホイール」は禁固刑に処せられることとなるが、元恋人「べス」が刑事事件専門の弁護士であって、その本領を発揮し、150時間の社会奉仕活動に従事すれば、刑の執行が免れるとの裁判所の判断を得る。

 ボランティア団体「折れない翼」を主宰する「スウィーニー」から、少年少女との文化活動・野外活動に150時間参加するように命ぜられるが、彼らの担当する少年たちは、札付きの問題児であり、150時間の奉仕活動が無事に終わるとはとても思えないのである。