『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』(The Help /原題:2011年アメリカ/146分)
監督・脚本:テイト・テイラー
原作:キャスリン・ストケット『ヘルプ 心がつなぐストーリー』
製作:クリス・コロンバス、マイケル・バーナサン、ブランソン・グリーン
製作総指揮:モハメド・カーラフ、ネイト・バークス、ジェニファー・ブラム、L・ディーン・ジョーンズ・Jr、ジョン・ノリス、マーク・ラドクリフ、ジェフ・スコール、テイト・テイラー
音楽:トーマス・ニューマン
主題歌:メアリー・J・ブライジ『The Living Proof』
撮影:スティーヴン・ゴールドブラット
編集:ヒューズ・ウィンボーン
出演者:エマ・ストーン、ヴィオラ・デイヴィス、ブライス・ダラス・ハワード、オクタヴィア・スペンサー、ジェシカ・チャステイン、シシー・スペイセク、マイク・ヴォーゲル、アリソン・ジャネイら
100満点中80点
公民権運動が、アメリカ社会全体で動き始めた1960年代初頭の南部諸州ミシシッピー州ジャクソンを舞台に、「ジム・クロウ法」と総称れる人種分離法が当然という風潮の中で、理不尽な“差別”に抗議するために立ち上がった白人女性ジャーナリストの活躍と危険を顧みず赤裸々に生活苦を訴えた黒人メイドの人間関係を描いた社会性の強いヒューマン作品。
ややアイドル的な人気のあるエマ・ストーンを主人公に据えた点が、地味なテーマを受け入れやすくした印象ですが、その頃の南部特有の頑固なまでの“黒人蔑視”が、そういったことに疎い我々日本人にも解りやすく描かれています。興行的にも大ヒットした作品です。本当に面白い。
*公民権運動・・・1950年代から1960年代にかけて、アフリカ系アメリカ人が、公民権の適用と人種差別の解消を求めて行ったアメリカの大衆運動のこと。
*ジム・クロウ法・・・ジョージア州、アラバマ州、ミシシッピー州などの南部の州で、白人による有色人種に対する人種分離を合法とする各種法律の総称。白人が黒人に扮して歌うコメディ舞台のヒット曲、『ジャンプ・ジム・クロウ(Jump Jim Crow)』に由来する。
監督のテイト・テイラーは、今作では脚本も手掛けています。彼はミシシッピ州ジャクソン出身で、俳優もしています。今作が長編作品としては2本目です。
主演のエマ・ストーンは「ユージニア・"スキーター"・フェラン」を演じます。この役は、当時としてはほとんどの同級生が結婚して子供もいる20代前半でありながら、4年生大学を卒業し、ジャーナリスト志望のまま故郷ジャクソンの帰ってきた女性で、どうも東部の大学出身のようであり、また、黒人メイドに心底可愛がられて育ったため、黒人差別など到底許せないという正義感溢れる人物です。彼女本人は『アメイジング・スパイダーマン』(2012年)や『L.A. ギャング ストーリー』(2013年)で有名ですね。
ヴィオラ・デイヴィスは「エイビリーン・クラーク」を演じます。この役は、雇用主(白人)からの侮蔑に耐えながら、この雇用主の長女を献身的に育てる黒人メイドで、中盤以降、神からの“教え”に従って「スキーター」の取材に応じるようになります。彼女自身は、名脇役としてたくさんの作品に出演しています。『ディスタービア』(2007年)や『ナイト&デイ』(2010年)などが記憶にあるでしょうか?
オクタヴィア・スペンサー(上と↑左)は「ミニー・ジャクソン」を演じます。この役はやはり理不尽な扱いをする雇用主に解雇される黒人メイドで、ある方法でその“仕返し”をした上で、「スキーター」の取材に応じるようになります。彼女自身は、『バッドサンタ』(2003年)や『スペル』(2009年)に、ちょっとした役で出演していますが、結構存在感はありますね。
ブライス・ダラス・ハワードは「ヒリー・ホルブルック」を演じます。この役は「ミニー」を徹底的にイジメ抜く白人女性で、やや裕福なため同級生グループのリーダー的存在で、コミュニティのオピニオンリーダーです。とにかく意地が悪い。彼女本人は、『ターミネーター4』(2009年)や『エクリプス/トワイライト・サーガ』(2010年)の出演で皆さんご存知かもしれませんね。
あと、ジェシカ・チャステインは「シーリア・フット」を演じます。この役は、低所得階級出身ながら、富裕層の男性と結婚した女性で、家事が不得意なため、黒人メイドを雇うことにします。彼女本人は2012年の軍事ポリティカル作品『ゼロ・ダーク・サーティ』の主演で有名です。
(あらすじ)
ミシシッピー州ジャクソンでは、1960年代も人種差別は確実に存在している。公共の場所だけでなく、就業先でのトイレの使用や食器の使い方などにも細かい“区別”とされる『差別』を強いられるからだ。特に、奴隷制の名残が強いこの地では、黒人女性の就労先は、やや裕福な白人家庭のメイドが一般的である。
この頃のこの地域の白人女性としては珍しく、4年制大学を卒業して、この地に帰郷した「スキーター」は努力の甲斐があって、地元紙「ジャクソン・ジャーナル」に就職が決まる。担当は「マーナ女史」の生活相談というコラム記事。
「スキーター」は旧交を温めるため、「ヒリー」らが主催するブリッジ・クラブに顔を出すが、すでに所帯を持っているメンバー達の“たちの悪い”黒人蔑視発言に閉口するどころか嫌悪感すら覚える。だが、今後担当する生活相談のコラムに必要なため、友人「エリザベス」に頼み込み、彼女の黒人メイド「エイビリーン」に協力してもらうことを約束させる。・・・と同時に、黒人メイド達の置かれている現状を社会に訴えるため、雇用主から受けた人権侵害や嫌がらせの事実を取材し、一冊の本にまとめる決心をする。だが、そう簡単に彼女たちから生の声を聞き出すことはできない。なぜなら、黒人メイドが真実を告発するとは、彼女らが失職するに留まらず、命の危険さえあるからである。・・・そう、ここは、いまだに根深い人種差別が残る南部州なのである。しかし、「ヒリー」のメイド「ミニー」が、家のトイレを使ったとして解雇されたことをきっかけに、同じ黒人メイド「エイビリーン」は出エジプト記の内容に従うかように、「スキーター」の取材に応じることにするが・・・














































