全く話題になっていない北欧の謎また謎『トロール・ハンター』(アンドレ・ウーブレダル監督・脚本) | Eagle-eyed Cinema Review-鷲の目映画評-

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イーグルドライバーの観た映像作品について、あれこれ書いて行きます。
主に「洋画」ですが、ジャンルにはあまりこだわらず、インスピレーションで拝見する作品を選んでいます。
海外の「ドラマ」も最近は気になります。

『トロール・ハンター』(2010年ノルウェー/104分:G)

監督・脚本:アンドレ・ウーヴレダル

製作:ジョン・M・ヤコブセン

製作会社:フィルム・ファンドFUZZ

「日本トロール保安機関」推薦作品

出演者:オットー・イェスパーセン、ハンス・モルテン・ハンセン、トマス・アルフ・ラーセンら

100点満点中67点


「トロール」・・・北欧の国々、特にノルウェーの伝承に登場する妖精の一種で、一般的なイメージは、巨大な体で怪力の持ち主、体組織の再生能力が高く、深い傷や腕が切られても自己再生できる。また、毛むくじゃらの醜悪な外見で、知能程度は低く、凶暴・粗暴で大雑把な行動をとる。・・・生物らしいが。


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 「これは、ある大学生達が撮り貯めた映像を、単に編集しただけです。・・・専門家によると映っている映像は全て『本物』との鑑定結果が出ました。」

 ・・・という怪しいコメントから始まる「モキュメンタリー」(フェイク・ドキュメンタリー)作品です。

 つまり、全て嘘!

 一説によると、この作品は、製作総指揮クリス・コロンバス(「ハリー・ポッター」「パーシー・ジャクソン」)、脚本マーク・ヘムズ、1492ピクチャーズ(「ナイト・ミュージアム」等)、CJエンターテイメントを製作会社としてハリウッド・リメイクする計画があるそうです。あくまでも・・・「噂」

 『ブレアウィッチ・プロジェクト』や『フォースカインド』、『クローバー・フィールド』のような作りで、POV撮影で全編綴られるロード・ムービーでもあります。


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 始まりは、静かです。ノルウェーで多発する「密猟」の犠牲になる熊と違法ハンターを追う大学生3人が、地元ハンターにインタビューするシーンから、不審なレンジローバーを駆るハンター「ハンス」の存在を掴み、密着取材を敢行します。「ハンス」はこの3人を始めは拒絶していますが、すべてを収録し、マスコミに発表する事を条件に同行を許可します。


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 彼は「トロール・ハンター」で、トロールの駆除と管理をしているノルウェーただ一人の職業人なのです。

 そして「ハンス」の奇行や異常な生活状況を流しながら・・・

 約30分もたつと、お目当ての巨大「トロール」が登場し、これをカメラに収める大学生3人は、狂気乱舞します。そして・・・色々の事が明らかになる


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 (トロールの弱点)

 太陽の光、または強烈な紫外線

 これを受けると・・・

 ①年取ったトロールは、石化する。

 ②若いトロールは、内臓や血管が膨張し、破裂(爆発)する。

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 (トロール性質・特性)

 ①肉食

 ②タイヤをかじるのが好き

 ③大まかに「山トロール」と「森トロール」がいて、いがみ合っている。

 ④頭が複数あるものもいるが、目があるのはひとつの頭だけで、あとの頭は「おでき」のようなもの。

 ⑤知能程度は極端に低く、食べて、排泄して、生殖するだけの生物

 ⑥寿命は長く、1000~1200年生きる。

 ⑦とにかく、たくさんの種類の「トロール」がノルウェーにはいるらしい。

 ⑧常に「悪臭」を放っている割には、「人間臭」には敏感らしい。

 ⑨「キリスト教徒」が嫌いらしい。

 ⑩一応、哺乳類。

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 その後、さらに危険な「トロール」探索行脚に同行しながら・・・ノルウェーの美しい自然や素朴な街並みを堪能しながら、切り立ったフィヨルドをなぞるような道路をひた走り、高地へと向かって行き、「トロール」が、人里近くまで現れるようになる原因や、「トロール」の保護と駆逐に関して、国家機関が関わる「極秘事項」である事、国家機関所属の担当者、偽装業者らが登場し、リアリティを持たせようと躍起になる様子が描かれますが・・・

 失笑無くしては、観られないような「とっちらかった」状況!!

 それは・・・とにかくスゴイ「とっちらかり」様~


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 北欧の「謎」に迫りたい方々は、「必見」の作品。騙されたと分かっても・・・観てみよう!


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