久しぶりに観てみた『フォーリング・ダウン』(マイケル・ダグラス主演) | Eagle-eyed Cinema Review-鷲の目映画評-

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イーグルドライバーの観た映像作品について、あれこれ書いて行きます。
主に「洋画」ですが、ジャンルにはあまりこだわらず、インスピレーションで拝見する作品を選んでいます。
海外の「ドラマ」も最近は気になります。

『フォーリング・ダウン』(1993年アメリカ/118分)

監督:ジョエル・シューマッカー

脚本:エブ・ロー・スミス

音楽:ジェームズ・ヒュートン・ハワード

出演者:マイケル・ダグラス、ロバート・デュバル、バーバラ・ハーシー、レイチェル・ティコティン、フレデリック・フォレスト、マイケル・ポール・チャンら

100点満点中69点

 
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 1990年代、東西冷戦が終結した時代。我が国は「バブル景気」に狂乱状態でしたが、かの国は、湾岸戦争直後であり、失業率の増大、移民の大量流入、日本を始めアジア勢の経済的台頭等で、「ネオナチ」思想が復興したり、ストリート犯罪が増大したり、また、コソボ等の海外派兵で、「双子の赤字」を抱え、一般市民の生活感が一層悪化していました。そんな時代背景があっての、過激な「個人テロ」を題材にしたのが、この作品。

 

 公開当時は、「なるほど」と頷ける部分多々あり、と解釈していましたが、約20年の歳月を経て改めて拝見すると、自分も多少成長したせいか?「突っ込みところ」満載の作品であることに気づきました。

 
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 主人公「ウィリアムズ」の異常行動は、あまりにも沸点が低く、過激すぎないか?

 晴天下の開けた空き地で、白昼堂々とストリートギャングが、サラリーマン風の男性を恐喝できるか?

 かの国の警察対応は、あれほど緩慢・怠惰なのか?・・・等々

 「おじさん、ブチ切れもの」の傑作『その男は、静かな隣人』(クリスチャン・スレーター主演)からすると、ストレートすぎる一発作品。



(どんな話かというと・・・)

 軍需企業で、設計の仕事をしていたが、冷戦終了後の軍縮で、会社の業績は急降下し、挙句に解雇された30代後半の男性「ウイリアム・フォスター」(マイケル・ダグラス演ず)は、車で元妻の自宅に向かう途中であるが、運悪くハイウェーの工事渋滞に捕まって身動きが取れない。


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 全く動き出さない車列の中で、前の車の少女は、じっとこっちを見てる。

 「不快だ」(←「ウィリアム」心の声)

 隣のスクールバスの生徒たちは、車内で大騒ぎしている。

 「不快だッ」(←また、心の声)

 3台ほど後方の、オープンカーの男二人は、一向に解消されない渋滞に何やら文句を言っているし、とうとうクラクションまで鳴らし始める。ブー

 「あー不快だ」(←さらに、心の声)

 愛車のエアコンから、風が出ないぞ。

 「もー我慢できない!」(←絶叫に近い心の声)

この渋滞に堪らず、車から降りて、放置したまま歩き出す「ウィリアム」。後続車のドライバーが、止めるのも聞かずに・・・車線を横切り、土手を駆け上がり、ハイウェーの敷地から外へ出てしまう。


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 「ブレンダガスト刑事」(ロバート・デュバル演ず)は、この車列のさらに後方にいて、ハイウエーパトロールの白バイ警官が、放置車を持てあましている様子を見かねて、車から降りる。

 「私は警官だが、何か手伝う事は無いか?」

白バイ警官とこの放置車両を路肩に移動し、ため息を付く「ブレンダガスト刑事」である。


 車を放棄した「ウィリアムズ」は、公衆電話で元妻に電話するが通じない。もっと小銭が欲しい彼は、目の前にある食料品店に入ると、東洋系の店主がカウンターに入っている。両替を頼むが、この店主は拒否し、金を崩したいなら、なんか買えと言う。        Eagle-eyed Cinema Review-鷲の目映画評-
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 「ウィリアム」は缶入りコーラを買うと、「75セント」だと言う。1ドルで25セントの釣り。彼は50セント硬貨が欲しいが、韓国系店主は譲らない。(一般的な価格は、1本50セント位らしい・・・)

 さらに、1ドルと50セントを交換して欲しいとお願いするが・・・「商品を買え」と言う韓国人店主。

 なおも、1ドルと50セントを交換して欲しいとお願いするが・・・バットを持ち出して、威嚇する店主。

 これに、激高した「ウィリアムズ」は、店主からバットを奪い取ると、大暴れして店をめちゃくちゃにしてしまう。

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  「ブレンダガスト刑事」は、本日で退職する予定で、私物を片付けようと机の引き出しを開けるが、砂でいっぱい。同僚の悪戯だ。娘を失って気弱になっている妻に逆らえず、早期退職を決めた彼に対する、ちょっとした「はなむけ」代わりなのだ。


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 一方、「ウィリアムズ」は、プエルトリコ系住区でコーラを飲んでいる。そこへ、2人のチンピラ(ストリート・ギャング系)が現れ・・・

「不法侵入だ」「通行料を払え」だのたかって来たので、また激高した彼は、2人をバットで殴った上、彼らが持っていた「バタフライナイフ」を取り上げる。

 この事に、激怒したチンピラ連中は仲間を集めて、車で町中を巡回し、「ウィリアム」を捜し出し、銃弾を浴びせる事に。


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 チンピラ連中は、繁華街で電話を掛けている「ウィリアム」を発見。車中から、サブマシンガンを用いて、雨あられのように銃弾を撒き散らすが、彼には一発も当たらないばかりか、駐車中の他の車に激突させてしまい、ほぼ全員が失神。「ウィリアム」は、マシンガンやら拳銃やら入ったバッグを彼らの車内から奪取して、立ち去る。


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 次に彼が訪れたのは、 ハンバーガー店。入店時間は11:33AMで、朝食メニューは11:35で終了しているが、それに腹を立て・・・サブマシンガンを天井に乱射。


 さらに、妻につながらない公衆電話にも、サブマシンガン乱射し破壊。


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 そして、「軍装品払い下げ店」で、店主の罵倒に激高し、バタフライナイフで刺殺し、対戦車ロケットランチャーと散弾銃を取得。


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 上下水道工事中の現場が「ウザッタイ」「予算の無駄使い」とブチ切れて、ロケットランチャー発射で道路を破壊。


 次々使用する武器の破壊力が増していく・・・逆切れ界の『わらしべ長者』状態に。


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 この「逆切れ男=ウィリアム」は、元妻の下へ辿りつけるか?

 警察は彼を止めることができるのか?

 「ブレンダガスト刑事」は、無事警察を退職できるのか?

 


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 こんなストーリーです。