臆するな女子。
適度な肩幅と鳩胸と
適度な太腿と脹脛に
オレたち男子は
何ひとつ異論なし。
いやそうやってパーツで論じることが
異論を呼ぶんでしょ?…まあまあ(笑)
まあ世間一般がどんだけクサそうが
オレはこの頬に歯を立てて、果汁が迸るのも
かまわずかぶりつきたかった。疑う余地なく
オレは千葉すずが好きだった。

ピーチフルピーチ。オレはあの時代に、どんな
アイドルより女優より千葉すずに夢中だった。
不遇の天才スイマー。バルセロナ、アトランタと
2大会連続でメダルを逃し、メダル要求が
喧しいマスコミに白兵戦を仕掛け大バッシング。
「そんなにメダル言うなら自分で穫れば?」とか
「日本国民はメダル‡チガイ」とかもう。
まるでマリー・アントワネット。そういう
コーマンチキな部分も含めすべて好き。
イグニッションが入る瞬間。

まだインターネットなんて言葉が薄ら聞こえ
始めたか始めてないかの頃だからね、駅構内から
彼女の銀行のポスターひっぺがしてきたね。
いや今でいうダウンロードみたいなもの。盗られる
側は人気のバロメーター。ギブとテイク完全一致。
やがて彼女、シドニーの選考から漏れ今度は
日本水連と取っ組み合い。が出場ならず引退へ。
それもオレ悔しかったけどその後の結婚がね
全然そっちのほうが悔しかった。チバロス。すずロス。
ピーチフルピーチは永遠に誰のものにもならない。
そう信じてやまなかった。

提供はタケダでお送りしました。
あんま変わってないんだな。

あいかわらず。うん。