Don't Worry Baby
Good Vibration
Time To Get Alone
Forever
Surf's Up
Sail On Sailor!
とりたてて輝かしくもはかばかしくもなかった十代二十代だが
ただ音楽遍歴のみがただただ眩い。件のペット・サウンズ50周年に
なす術もなく踊らされ、CD蔵の中でとぐろを巻いているCD達を
ワシワシと掴み取り、いや冗談でなく乱雑に保管された蔵から
ブラインドで無作為に5、6枚引っ掴むとそのうちの1枚か2枚は
ビーチボーイズ…ほぼ全オリジナルアルバムと無数のベスト盤や
コンピレーション、バラバラのボックス…これぞ僕の青春だぜ。
波乗りの歌を歌うくせに

5人中4人が波乗りできず、しかも5人中4人が
ハゲかデブかチビ。
しかも三兄弟、いとこプラス友人一名という濃ゆい
成り立ちで、兄弟仲は良かったがハゲのいとこが
くせもんで、長男とは四親等間の近親憎悪を募らせつつ
ビジネス上の理由から才能には寄生しつづける、っつう
4人のほうのビや
スとくらべてもあからさまに分が悪い、予め惨敗の体。
お仕着せのペンドルトンから始まって

一度たりとて格好が洒落てたこともないし。裏声だし。
でもビやスより全然好き。
ヴェトナム問題やヒッピームーブメントからは取り残され
ジミヘンに公然とディスられ、メジャー契約すら失った
70年代初頭から、『ココモ』のヒットやペット・サウンズの
再評価でやっとやっと持ち直す80年代終わりまでの鍋底期も
一貫して好き。やってる音楽があれほどちがうビやスや
ディランのオールキャリア盲信マニアを僕は認めてないけれど
ビーチボーイズに関しちゃ僕、オールキャリアの狂信者です。
もうとめどもなく。どの時代の、どのアルバムの捨て曲
だろうと、歌えんだよね。真夏のビーチボーイズは最高だが
早春のビーチボーイズ、晩秋のビーチボーイズ、厳冬の…
それぞれが

坊主憎けりゃ袈裟まで…憎めないのが憎いのさ。