もう四年半ぐらい前に巻いた、左足首の
ボンフィン。べつにさして大それた願をかけた
わけでもなく、ほら僕は無類の温泉好きだろ?
人よりもはるかにはるかに一糸纏わぬ姿で
つまりはマッパで
生きる時間が長い。少しぐらいは主張したいや。
アイデンティファイしたいじゃん。何ひとつ
願わなかったと云ったら嘘になるけど…
それはもうたぶん叶わない。

でも薄ピンクとネイビーの二本のリボンはもはや
原色をとどめず、数多のPHの上下動にさらされ
でも僕の執念の深さを物語るように
縺れた糸のようになってなお、絡みついて離れない。
かと云って大願成就の気配はまるでなく
もはや風前の灯って趣だ。
それでも僕は、懲りない僕は、果てなく欲しがる僕は
たぶんまた新しいキボンヌで新しいリボンを巻く。
虫のいい敬虔さでそれを巻く。

永遠なんてない。先のことはわからない。
でもでもでもベイビー♪
この足で泥んこ道を踏破したいんだ僕は。