彼女のビロード
蒼き 夜のとばりよ
妖しき サテンの
星々の またたきよ
Bobby Vinton 'Blue Velvet'
あれあれ。
はたちやそこらで。学生でもちろん扶養の身。
こんなものにのぼせあがりやがって。
デロリアンか、ドラえもんのタイムマシンがありゃ
ちょっと行って、一発ぶん殴ってから。「なあ」
…と肩を叩いて本気でオレの行く末を憂えてやる。
なあオレ、お前はデニス・ホッパーじゃないよ。
深い碧の、ビロードのガウンしゃぶってバブバブが
カッコいいか?痺れるか?目ぇ覚ませ。醜悪だろう?
'Don't you fucking look at me!'
カルトヒーローの、大見得を小粋と本気で信じたろ。
経験値を積んだ気になって、肩で風を切っただろ。
何度も見返すうち、あんなローラ・ダーンや
イザベラ・ロッセリーニなんかを不思議と欲したろう?
それが刷り込み、って最悪のターニングポイント。
もう遅いけど、次はもっと好きや嫌いはほどほどの。
最大公約数的な清らかさを。なあお前。なあオレ。
さあ、セカンドハーフ。
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