追憶のイーハトーヴォ | キャプテンニッポンのソウル温泉

キャプテンニッポンのソウル温泉

ウォンチュー,スリー,フォー,ファイブ,セックス,ヘブン!

温泉の師、とみとめる
人がいる。かつての直属の上司で
『釣りバカ』で言うところのスーさん浜ちゃん。
今はセクションもシマもショバも違って
顔をあわせることもそんなに多くない。

そんな師より社内メール便で
小さな包みが。土産かと思い開けてみると

くっそ単なる自慢、である。

うん。でも懐かしい。
もう5年か6年前、ある晩思い立って
イーハトーヴォ行きの銀河鉄道に。

真夏の夜の高速をトコトコ走って
目指したのは花巻温泉郷。鉛温泉の
藤三旅館、そして賢治ゆかりの湯である
ここ大沢温泉。リアルイーハトーヴォ。


豊沢川を臨む、自炊部の混浴露天。
匂えども嗅げず嗅げども匂わず、な薫りの
単純泉は大好きだ。単純泉は単純ではないのだ
と思わず心のなかでケケッと笑ふ。

その後、エメラルドに輝く国見温泉と
気が遠くなるほどの熱さだった元湯夏油を
駆け抜けて、日付がかわるころ東京帰還。
身を削るようなトオホグの夏の記憶。

結局アレだ、湯めぐりとは
漂泊者、流浪の身でありたいと願う
男の逃避願望で、湯は口実だ。カラダに
彷徨のキオクを刻むためだけの。遠くへ。
遠くへ飛んだほうが勝ち。

師もきっとそう。
だからこうして勝ち誇る。
賢治の星めぐりもそれにきまってる。



『星めぐりの歌』
作詞・作曲/宮沢賢治

あかいめだまの さそり
ひろげた鷲の つばさ
あをいめだまの こいぬ
ひかりのへびの とぐろ。
オリオンは高く うたひ
つゆとしもとを おとす

アンドロメダの くもは
さかなのくちの かたち。
大ぐまのあしを きたに
五つのばした ところ。
小熊のひたいの うへは
そらのめぐりの めあて。



師よ、「マッチ1本火事のもと」。
ですよ。


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