恋はもう終わり
心の奥底で オレは泣く
お前があいつといるのを
見なきゃいけねえんだったら
何も見えなくていい
盲目にでもなったほうがまだマシ
サザンソウル史上に残る
泣きの、嘆きの名バラッド
'I'd Rather Go Blind'、元々は
エタ・ジェームズ。
ドリフコントの天童さん?
スペンサー・ウィギンズやビヨンセなんかも
とにかくいろんな人がこの歌を。
個人的なきわめつけは
この人、クラレンス・カーター。
ちょっとマーチン入ってますか(笑)
本物の盲人にコレを歌わせるっていうね
そして本人も望んでか望まずか、ともかく
歌うって、FAMEの制作現場は非情だったのか
呑気なだけか、よくわからない。ともあれ
コレがクラレンスの当たり芸となる。
メデタシ。
この'I'd Rather Go Blind'は
オレのなかでは『春琴抄~佐助のテーマ』
でもある。
大谷崎
と称される耽美派・谷崎潤一郎の
美しきものへの絶対的盲従が描かれた
明治時代の短編小説。
『春琴抄』
盲目の天才少女・春琴に
無償の愛を捧げ、火傷を負い醜くなった
彼女の顔をもう二度とけっして見まいと
自ら光を絶つ丁稚・佐助。ふたりの
凄絶な、異形の愛の物語り。
貴女が その顔を
見るなと 望むのなら
何も見えなくていい
盲目にでもなったほうがまだマシ
I'd rather go blind
にしたって凄まじいのは
この本の装丁だ。クライマックスに
春琴が発する最大のキメ台詞を表紙に
でかでかと。うん。キマってる。
「佐助もう何も言やんな」
光を失った佐助に
無上の幸福が降り注ぐ瞬間である。
クラレンスに、黄色いセーターの色さえ
わからなかったはずのクラレンスにも
こんな瞬間がきっとあっただろうな。
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