チュウハイです。

 

 

さて、相変わらずバックのチマチマした前向きでない作業です。

 

ブレースの残りかす削ったり

 

 

 

割れの修復したり。

 

 

 

 

相変わらず、何にもならない作業の癖に手間がかかるな…

 

 

 

木工はただの過程で、その裏の話が本番。

 

ここまでの作業を踏まえたPC作業です。

 

 

 

今回は9種の条件違いのタップトーンを、叩いた場所や周波数ごとに比較検討します。

 

その結果を作業に落とし込む思考の一端をお知らせする。

 

 

 

まず箱としてのスペクトルを用い、現状の問題把握や方向性を明確化します。

 

(文言は随時修正されます)

 

 

例えば、300Hz帯の鳴り方について焦点を当てます。

 

現状、あまりうまく行ってない感じ。

 

トップの特性を見てみると、大体342Hzに広めの共振点を持ちます。

 

 

バック特性では342Hz付近ではなく、309Hzに共振点があります。

 

 

 

トップとバックの共振点がズレすぎているのではなかろうか。

 

かと言って、恐らく完全一致させてもイカンと思われる。

 

バックの共振周波数を325~330Hzくらいに高めないと、トップ共振をバックが十分に増幅しないだろうな、と。

 

…ということは、あのブレースをこうしたらいいんでないか?

 

 

 

みたいな具合。

 

ギターとしての共振をどうするのか、トップとバックから考えていきます。

 

例として挙げた300Hz帯については、一度は上記のように考えましたが、他との兼ね合いで現在は少し違った見方をしています。

 

まだバックそのものやトップとバックの相互作用を理解しきれていないので、色々と考えていくうちに変わる部分もあるし、今回も結局は「実験」になっちゃうんだ。

 

 

 

アコギ製作なのにPCに向かって難しい顔をしている時間が長い。

 

やってることが病的と思われるでしょう。

 

が、アコギをロジックとして捉えるために必要な作業です。

 

こういうのが無いと

 

「経験と勘」や「なんとなく」から脱することが出来ないのですね。


経験や勘はとても重要です。


が、物事について当てにしていい「経験や勘」を得るのに、どのくらいの回数が必要でしょう。


10や20ではそーとー怪しい。


50でもどうか。


てとこでしょ。


勿論その人の資質や、経験から学びとるセンスにも依るところ有ります。



けどもね、まともに機能する経験と勘を得るには滅茶苦茶時間が必要なのは間違いないです。



スペクトルを使うと、その経験値が圧倒的に増えるし、時間を短縮できます。

 

ですので、私のやり方はむしろ健全じゃね?と思ってます。

 

 

 

 

アコギそのものの話に戻ります。

 

バックについて、久々に見たTrevor Goreのページに以下のような記述が有りました。

 

‘ The back, if correctly tuned, can add interesting and attractive coloration to the sound of the guitar whilst also limiting some of the deleterious effects of over-coupling between the strings and the guitar top (i.e. the back can be used to control “wolf” notes).  However, use of the back in this way requires very precise tuning of the relationship between the back and the top, particularly on nylon strung guitars. 

Get it wrong and the back will just absorb energy from the string and reduce both the quality and quantity of sound output. For more details, modelling results and practical measurements, please refer to the book. ‘

 

「バックが正しくチューニングされていれば、ギターのサウンドに興味深く魅力的な色彩を加えることができるし、弦とトップの過剰な連携による悪影響を抑えることもできます(つまり、バックは "ウルフ "ノートをコントロールするために使用することができます)。 ただし、このような方法でバックを使用する場合、特にクラギでは、バックとトップの関係を非常に正確にチューニングする必要があります。

 

間違えると、バックが弦のエネルギーを吸収し、音の質と出力を低下させるだけです。さらなる詳細、モデリング結果、実践的な測定については、本を参照してください。」

 

 

 

 

以前読んだはずだが、全く記憶になかった…

 

今なら分かる。分かるよ。

 

バックチューンを間違えると、音の質も量も低下させるよな。。。。

 

1月に書いた記事がまさにそれ。

 

 

 

いやぁー、ゴアより詳細な良い記事書いてるな。

 

 

 

…あとちょっとで辿り着けると思うんだよな。

 

「良い楽器を作る」ことに。

 

 

 

では。