<<「ジーマ青年の我が麗しき恋物語(番外編-ラブレター代筆・請負人とも言われた学生時代)(5月13日FB投稿)から続く>>

 

お待たせしました(^_^.)

 

 練習船を降り、商船学校を卒業したジーマ青年、Yちゃんとの蜜月期間も数か月ほどで、不況の最中何とか中小の海運会社に就職し、外国航路の航海士としての一歩を踏み出しました(^_^.) 航海士としての仕事は多岐にわたり、毎日が悪戦苦闘の連続でした。

 

 12月初旬に、貨物船I丸に横浜で乗船し、名古屋、神戸と数週間かけて積荷をし、中南米航路へ入りました。メキシコ、グァテマラ、コスタリカ等々の諸港を回り、日本からの雑貨等を揚げ、これらの港からは主に綿花を積んで、再び日本に帰る航海でした。横浜に帰ってきたのはもう年が明けた4月になってからでした。横浜、名古屋と寄港して、神戸にたどり着いたのはもう4月末で、5月の連休中は、神戸にべったりと停泊となりました。航海士の中では一番ボットムのジーマ三等航海士です。船長はフリーでほとんど船にいないし、管理職である一等航海士が仕事の割り振りを決めるわけで、5月の連休のほとんどは荷役(荷の揚げ積み)もなく、私と二等航海士が輪番で船に泊ることとなりました。(船長や一航士は、適当に家族と上陸してホテルに泊まっていたりしてました)

 

 5月2日は通常通りの仕事の日で、三航士のジーマ青年は、8-0直と言って、朝8時~12時までと20時から24時までが当直となって仕事をします。午後は非番なので、この機会を利用し、神戸の街へ繰り出し、買い物、散髪、食事をして、陸の空気を吸ってこようと目論んでいました(^.^)

 

 2日の昼過ぎに船をあとに神戸の街へ「ゴーショー:Go shore:外航船員が使う符牒の一つで、「上陸」を意味する」です(^.^)

 

 かねがね買いたいと思っていた英会話の教材(カセットテープと教本がセットになったもの)を購入しようと神戸でも一番の本屋さんへ行きました。当時はその手のものが書店の一角を陣取り、盛んに宣伝されていた時代でした。(本投稿読者は熟年の方が多いのでうなずかれる方も多し?)

 (某)文堂書店という神戸一の本屋さんの片隅に、英会話教材がいくつか並べてあるショーケースがありました。ショーケースの向こう側には、可愛らしい女性店員がいるじゃないですか♡

 可愛い女性に弱い(誰でもそうか(笑い))ジーマ青年。もう最初から購買意欲満々です(^^)数ある英会話教材、女性店員は懇切丁寧に説明してくれます(^_^.)。いろいろ目移りしましたが、やはり一番高価なものが、一番良さそうということになって、ではこれにするかと思っていた頃、店員さんがぼそっとつぶやきました「あのぉ、失礼ですが、平日の午後のこんな時間に、ここに来られるということは、今日はお休みなんですかぁ?」

「いや~、まあ、休みというか、時間的に余裕があるというか~」と応えたところつかさず彼女も「じゃ、個人で事業をやられていて、やはり英会話が必要だとか?」と来ました(^_^.)

ジーマ青年ここで一言「実は、外国航路の船乗りをしていて、仕事がこんな形態で(上記のことをかいつまんでざっと話し)・・」と話し(一言のところが二言・三言となり)、連休の間は神戸にいるので、慣れない神戸の街をあちこち散策しようと思っていると彼女に話し、会話が弾んでしまいました。

 ここで可愛らしい女性店員の容姿表現を。ロングヘアーで細面の可愛らしい面持ちで、大学を卒業したばかりのようで、年格好は私と同年くらい、しゃべると口元がにっとする笑顔の可愛らしい女子でした♡

「へ~♡、船乗りさんなんですか~」と言う感じで、話がどんどん進んで行きました(^_^.)

(もう英会話教材は買った!高いが「お試し版」などでなくて、1つ買っちゃおう!)

(やっぱ、「船乗り」という言葉は、ロマンを感じてくれたのかなあ~などと独り思いながら・・)

 そのうち女性の方から、伏せ目がちに「あのぉ~、私ぃ~、明日お店がお休みで、時間があるので、宜しかったらぁ、神戸の街を案内して差し上げますよぉ~♡」となっちゃったわけです(^_^;)

 (「やったぜ!」と思わず心の中で叫んだジーマ青年でしたが・・・おっと忘れていた大切なことが一つありました!・・明日はYちゃんがこの連休を利用して、神戸に来てくれる日だったのです(>_<) Yちゃん3日から4日まで神戸にいると約束してくれたので・・・夢は膨らんで行きます!ふっふっ(^_^.)

 いやいや現実に戻り、女子店員に「あの~、明日はちょっと都合が悪いのですが、5日(6日には出港)なら大丈夫なのですが、いかがですかぁ?」「5日は出勤日なんですぅ~(>_<)

 と相成り候(>_<)(なかなかぴたっと合わないのが、人生の切なさかあ(-_-)
 

 アソコでまた一つ人生の扉が別の方に開かれていたら・・・と思うのは読者の皆さんも同じと思います(>_<)「人生のIF?」ってありますよね(^_^.)

 

ここで最後のYちゃん(だめ出し)の言葉・・・

「これってさぁ~ただ貴方が『船乗り』っていうだけで、モテたって話しじゃないのぉ~。皆ただ「ふ~ん」って思うだけヨ→(ジーマキャプテンは、この言葉でがくっと来ましたです(-_-)「青年時代の、はかない恋心」を描いたのになあ~)

 

ということで、「ジーマ青年の麗しき恋物語」本当はここからが佳境に入っていくシーンなのですが、この恋物語は都合により、ここで終了と致します。長らくご高覧下さった皆々様、ご静聴ありがとうございましたm(_ _)m

 

<追伸&予告>
ただ『ジーマ青年のラブレター代筆業』(FB、5月13日投稿)に関しては、Yちゃんとは全く関係のない話で、かつ「愛のかたちとは?」という私が長年暖めてきた命題もさりげなく添えて<<続編>>を投稿したいと思っています(^_^.) 皆様からの声援が、私の筆を進めて(滑らせて(^_^.))くれます(^_^.)よろしくお願いしますm(_ _)m