天才とはこういうことさ。 | 「遊ビジネスのススメ」

天才とはこういうことさ。

突然ですが問題です。


「私は嘘つきです。」


さて、果たして、


「私」は嘘つきでしょうか?


それとも、


「私」は嘘つきではないでしょうか?




あなたは、この問題を解けますか?






(答えは後ほど。)






数学者の世界では

何百年も解かれない難問が

6つ存在していると言います。



もう何百年もの間、世界中の数学者が

人生を賭けて挑んでも挑んでも

全然、解けないような難問です。




何人もの数学者が人生を棒に振り、

時に、狂ってしまっても、

それでも解けない難問が存在するのです。




しかし、




そもそも、

「そこまで解けない問題なんて、

問題として成り立つの?」



という素朴な疑問が湧き上がってくる訳ですが・・


そういう問題は、いわゆる


1+1=2


というような答えのある問題ではなく、




「仮説の証明」


というような問題になります。




つまり、昔の数学者が言っていた

信ぴょう性の高い仮説はあるけど、

正解などないかもしれない仮説の証明。




と、いうこと。




これが非常に難しい訳です。




ここで、先ほどの


「私は嘘つきです」


の問題に戻るのですが、




これが、現実世界なら、


そいつの顔を、じーーっと見て


「うん、露骨に嘘つきっぽいから嘘つきじゃね?」

「バレた?」

「うん。2秒で。」

で、万事解決な訳です。




しかし!




これが数学者にとっては


一生、解けない難問になるのです。




なぜなら

「嘘付きではない。」

と、証明したら


「私は嘘つきです。」

と、言ってることが「嘘」となり、

矛盾が生まれてしまいます。



反対に

「嘘つきである。」

と、証明したら

「私は嘘つきです。」

と、正直に話していることになり、


「全然、嘘付きじゃないやんけ!」


となる訳です。




このエンドレスな合わせ鏡のような

矛盾迷宮に迷い込んでしまうのが

数学界の難問だということなのです!




こういう難問を

「ミレニアム問題」

というのですが、

その中の1つに100年解かれない、

「ポアンカレ予想」という問題が

ありました。



ところが、2003年に、

「ポアンカレ予想を解いた。」

という論文がネットにアップされたのです。



その論文を発表した天才の名前は

「グレゴリー・ペレルマン」







しかし、問題はここから。


それが果たして本当に正しく

矛盾なく証明出来ているのか?

が重要な訳です。



そこで




世界中の天才数学者や、専門家を呼び

ペレルマン博士が講義を行うことになります。




そして、黒板に書きながら淡々と

説明を続けるペレルマン。




数時間後・・・




全ての証明を完了し、


「これにて証明を終わりたいと思います。」


と、講義を締めくくると、




「この瞬間を待っていました!


と、スタンディングオベーションと

割れんばかりの拍手が・・・




とはならずに、




全員の頭の上に




「?」




が浮かび上がったのです。






そう。






世界中の天才をもってしても誰も

理解出来なかったのです。







そして、皮肉にも


「証明したのに、証明したことを

理解出来る人がいない。」



と、いう新たなミレニアム問題が立ち上がるのです。






幸い、その後何百年という時を待たず

専門家や数学者が4年の歳月をかけ



「一切の矛盾も見つからず。

見事、ポアンカレ予想は証明された。


(と、思うよ。多分。)」




と、認められることになるのですが・・・






しかし、物語は、まだ終わらない。






真にドラマチックな展開は

この後に訪れるのです。






当然、ミレニアム問題の1つである

ポアンカレ予想を解いたペレルマンには

数学者の最大の名誉でもある

「フィールズ賞」を授与されるのですが、


「証明されたのなら、それで良い。」


と。


ペレルマンは、表彰式に出席もせず、

これを辞退!!!(なぜ!?)




更に、




ミレニアム問題を解いた者に送られる


賞金約1億円!!



これも受取拒否!!(なぜだ!?)




そのまま、人目を避けるように

母親と一緒のボロアパートに引きこもり

わずかな貯金と年金で細々と暮らし、

人前に出てこなくなってしまったのです。(なぜだー!?)




ほとんどの人が富と栄誉を掴む事を

渇望しているというのに、

なんて無欲なのだろうか?




それともペレルマンは、

人生の計算だけは出来なかったのであろうか?





しかし!


自分は、ペレルマンに


天才って、こういうことさ。

凡人のお前の方が羨ましいよ。



と、言われているような気がするのです。



そんな天才たちの生き方にシビレて

憧れるのは私だけではないでしょう。



と、同時に「凡人で良かった。」と。




そして、




それから10年程時が経ち・・・





最近、ごく親しい人に、こう言ったという。


「やっと、興味が持てるものが出来た。

今は、まだ言えないけどね。」



と。



もしかしたら、

新たなミレニアム問題が解かれる日が

来るのかもしれない。




(余談)


ペレルマンの地元ロシアでの

テレビインタビューで、

「この人知ってますか?」

と、聞かれたロシア人が

「あぁ、テロリストだろ?」

と、言っていたのには泣きました(笑)



(世界一の天才だぞ!)