名探偵・石神法全の事務所を引き継いだ"僕"の所に猫のジャンヌを連れた狩野俊介少年が弟子入りした翌日、町で最大の豊川病院・寛治院長が来所して曰く「妻の信子が怪しげな導師を自宅に泊めて、妙な宗教に凝り固まっているので、家に来て彼女の迷夢を醒まして欲しい」早速、僕と俊介君とジャンヌはその豪邸に赴いた。そして、導師が午前零時に庭内にある庵、月光亭において奇跡を見せると言うので家族が集まったが、肝心の信子の姿が見えない。その時、突如停電となって・・・。事件の幕が開いて"僕たちの"活躍が始まる。
ロンドンのビッグベンを象った大時計の完成式典で、針が12時を指した時、仕掛け人形の変わりに死体が飛び出した。死んでいたのは奇矯な行動で知られる時計作家。出馬を要請された作家探偵・霞田志郎の苦悩を嘲笑うかのように、さらに殺人は続いた。地元有力者・高野の屋敷で、巨大な砂時計の中から孫娘のあずみの死体が発見されたのだ゜。やがて、事件の背後に横たわる巨大な悪意に気づいた志郎は・・・。
1938年11月、ナチスによるユダヤ人襲撃は、散乱する窓ガラスの燦きに因み"水晶の夜"と名付けられた。その弾圧の象徴となった悪夢の夜が現代日本に蘇った。中京財界の重鎮トマス工業元会長・宮谷巌の刺殺死体が、なぜか無数のガラス片に覆われていたのだ。さらに生前""ベルリンの水晶""と呼んでいた守り袋も消失し、事件を追う作家探偵・霞田志郎は、宮谷の渡独仲間・片桐を訪ねるが・・・。
「私は人形に殺される」謎の言葉を残し、新進人形作家の沖村がパリで首吊り自殺した。現場では、赤いドレスの人形が階段を昇る姿を目撃されていた。三年後、奇怪な事件は日本で復活した。沖村の伝記出版記念会の夜、作家の牧が殺され、血染めのナイフを持った沖村作の人形が発見されたのだ。二人の同級生で探偵作家の霞田志郎は、高校時代の追憶の中で真相を追う。だが、殺人者の次の標的は霞田本人だった。
臨海副都心に立つ大天使ミカエル像は、ニューヨークの女神像に匹敵する偉容を誇っていた。ある夜、直下のテーマパークで男が絞殺された。「汝、悪の創造者よ」現場に残された英国詩人ミルトン「失楽園」の詩句に、作家探偵・霞田志郎は犯人の秘密を看破するが・・・。同日、天才装丁家・浅井邸でも密室殺人が発生。死体を発見したのは志郎の妹千鶴は、なぜか、混濁する意識下で悪魔と天使の幻影を見た。二つの事件を結ぶ「天使の秘密」は何か?
「姉を、助けて」新進作家・霞田志郎は、ファンの女子高生・水沢美智子に、失踪した姉・圭子の捜索を依頼された。姉妹の父・正一は、中国陶磁器蒐集で知られ、悲劇の武将・岳飛愛用の""上海香炉""が自慢だった。志郎が水沢家を訪れた夜。香炉の飾られた寝室で、正一の愛人で美人タレント・高岡聖子が殺された。失踪と殺人。この二つの事件に関連はあるのか?志郎は妹・千鶴と謎に迫るが、やがて第二の殺人が・・・。