犯罪小説家として売り出し中の私のもとへ、むかし抱いた星村美智から電話がかかってきたのは深夜だった。「今、会ってほしいの」という。むろん私は断ったが、私の郵便受けに一片のメモを残して彼女は消息を絶った。しかたなくメモを調べはじめる私。そこに驚くべき知らせが…。自堕落な生活に耽っていた娘の失踪と、その行方を追う犯罪小説家。退廃的青春群像を描きつつ暴行事件の真相に迫る正統ハードボイルドの傑作。
犯罪小説家として売り出し中の私のもとへ、むかし抱いた星村美智から電話がかかってきたのは深夜だった。「今、会ってほしいの」という。むろん私は断ったが、私の郵便受けに一片のメモを残して彼女は消息を絶った。しかたなくメモを調べはじめる私。そこに驚くべき知らせが…。自堕落な生活に耽っていた娘の失踪と、その行方を追う犯罪小説家。退廃的青春群像を描きつつ暴行事件の真相に迫る正統ハードボイルドの傑作。
スパイを引退したイーサン・ハントは教官となり、婚約者のジュリアと幸せな日々を過ごしていた。しかし教え子リンジーの危機を知らされた彼は、現場に復帰。リンジーの救出作戦に参加するが、彼女は頭に仕掛けられた爆弾で死んでしまう。その後、一連の事件の裏に闇商人オーウェン・デイヴィアンがいることを知ったイーサンのチームは、デイヴィアンを秘密裏に確保すべく、一路バチカンへと向かうのだった…。
アメリカ、ベルリン、ローマ、上海を舞台に、IMFの諜報員イーサン・ハントの活躍を描くシリーズ第3弾。今回監督を務めたのは、テレビドラマ「LOST」などを大ヒットに導いたJ.J.エイブラムス。前作であるジョン・ウー版のアクション性を引き継ぎながらも、イーサン・ハントを一人の人間として描くことを試みた。危険な仕事と愛する人の間で悩むイーサンの姿は、なかなかに新鮮だ。そのイーサンを演じるトム・クルーズは、かなり激しいアクションに挑戦。橋の割れ目を大ジャンプするシーンでは、ダイナミックなアクションを完成させている。スパイ映画らしさは多少薄いが、アクション映画としては十分楽しめる作品に仕上がっている。
近所でも有名なわんぱく少年・花田一路は、母・寿枝とケンカの毎日。そこに父、祖父、姉も加わり、花田家は貧しいながらも賑やかな日々を送っていた。ところがある日、一路はトラックと衝突する大事故に遭ってしまう。悲嘆に暮れる家族を下に見ながら天へと昇っていく一路だったが、女子高生の幽霊・聖子のおかげで奇跡の生還を果たす。しかしその影響からか、一路は幽霊が見えるという怖い能力を授かってしまうのだった。
老若男女から愛されている一色まことのコミックを実写で映画化。ほのぼのとした笑いとホロリとくる感動を上手に編み上げた、質の高いファミリー映画だ。主人公の一路を演じるのは、『ALWAYS 三丁目の夕日』での演技が高い評価を受けた須賀健太。一路のまっすぐなわんぱくぶりを生き生きと表現していて、彼を見ているだけで心が暖かくなってくる。母親役の篠原涼子のサッパリとした演技、父親役の西村雅彦の緩急自在な演技も心地いい。VFXによってコミックらしさを出した演出も随所で光っている。モノと娯楽にあふれる現代だが、花田一家はそんなものなくても幸せそうに輝いている。その輝きを、ぜひ親子一緒に見てほしい。
ともに和菓子屋を営む宿敵同士の家で生まれた二ノ宮亜美と大和圭介。3代目にあたるふたりは、互いを仇として思うよう育てられてきた。しかし同じ高校で、亜美は高飛び込みの選手として、圭介は競泳の選手として同じプールで過ごすうち、互いに惹かれるようになっていく。が、実は亜美には、おさななじみで婚約者の仲西弘樹がいた。しかも競泳全日本チャンピオンの仲西は、圭介にとっても憧れの存在。そして迎えた日本選手権当日、若者たちの運命を悲劇が襲う…。
数多くの青春恋愛漫画を残しているあだち充の、1987年から週刊少年サンデーで連載された原作を映画化。コメディタッチのなかに、青春の切なさ、運命の残酷さを垣間見せるあだち充節が魅力的な作品で、彼の最高傑作のひとつともいわれている。その名作を『電車男』の金子ありさが脚色し、『NANA』の大ヒットも記憶に新しい大谷健太郎が監督。『タッチ』に続き、ヒロインを演じたのは長澤まさみ。テレビドラマでイケメンぶりを発揮してきた、映画初主演の速水もこみちも大役をこなしている。夏にぴったりの青春ムービーだ。
ソウル市内を流れる川、漢江のほとりで売店を営む一家がいた。家長ヒポンの長男カンドゥは、いい大人なのに店番すら頼りにならないが、娘のヒョンソを愛する気持ちは人一倍強かった。行楽客でにぎわうのどかな午後、人だかりのする方へ行ったカンドゥンは、橋にぶら下がり、うごめく大きな”何か”を目撃する。そして”何か”は土手に這い上がり、あっという間に人々を襲って喰い始めた。そして逃げる途中、娘のヒョンソはその怪物にさらわれてしまう。その夜、一本の電話がカンドゥンにかかってきた。「おとうさん、助けて…」。
『ほえる犬は噛まない』『殺人の追憶』と作る作品が全て面白い、韓国のポン・ジュノ監督。その長編3作目となる本作も、当然のように期待を裏切らない出来ばえだ。都会のド真ん中に「怪物」が現れ、人々を恐怖に陥れるが、それはゴジラのような怪獣ではなく、恐竜ほどの大きさの動きが素早いモンスターだ。そしてそれに立ち向かうのは、軍隊や科学者、TVレポーター、ではなく、社会から落ちこぼれたような一家。笑える場面もあるが、しかし本作は決してコメディやパロディではない。残酷なシーンについギャグを入れてしまうスピルバーグ作品にも通じる、シリアスとユーモアが不思議な感じでブレンドされている、独特の持ち味がある作品なのだ。平和な土手が一瞬にして阿鼻叫喚の地獄絵図と化してしまう冒頭のシーンは、何度でも見たくなるだろう。
日本各地で大規模な地震が頻発する中、潜水艇《わだつみ6500》のパイロットの小野寺は、同僚の結城と共に地球科学博士・田所の指揮の下、深海調査に参加。その結果、大地震と噴火活動によって日本が1年以内に沈没するという驚愕の事実を知る。総理大臣・山本は諸外国に日本国民の受け入れを要請し、危機管理担当大臣の鷹森は日本を救う方法を求めて田所を訪ねる。そんな中、小野寺は被災現場でハイパーレスキュー隊員の玲子と出会い、お互いに心引かれるのだった…。
日本人が難民になる。国家という後ろ盾を失って、見知らぬ土地をただの厄介者として漂流する日が来るかもしれない。それはまさに日本人としてのアイデンティティーの喪失を意味する。73年にメガ・ヒットを記録した旧作から33年、『ローレライ』の樋口真嗣監督お得意の特撮技術によって新生『日本沈没』の沈みゆく日本の地獄絵は当然ながら迫力を増した。しかし、見どころはそれだけではない。非常事態においては選択の余地はないようでいて、実は個々人の生き方が問われ、生きるか死ぬかの瀬戸際ゆえに選び取る人生もあることを、草なぎ剛と柴咲コウが演じる小野寺と玲子をはじめとする登場人物たちが見せてくれる。その人間ドラマにこそ力点が置かれているのだ。
地球から忽然と姿を消したスーパーマンことクラーク・ケントは、自分の居場所を求めて宇宙の果てまで旅をしていた。しかしクリプトン星の消滅を確認し、自分の故郷は地球しかないと悟った彼は、5年ぶりに“故郷”へ戻ってくる。だが彼を待ち受けていたのは、あまりに厳しい現実。永遠の恋人ロイスは婚約、幼い息子まで産んでいた。宿敵のレックス・ルーサーもまんまと刑務所を抜け出し、全人類を標的にした破壊計画を着々と進めており…。
1938年のコミック誕生以来、何度も映像化されてきたスーパーマン。しかしその名を世界に広めたのは、リチャード・ドナー監督、クリストファー・リーブ主演の映画『スーパーマン』に他ならない。今回18年ぶりに製作された最新作も、その78年公開作と続編『スーパーマンII 冒険篇』の精神を受け継いでいる。注目の“新スーパーマン”は、世界中から集まった数千人の中から、ブライアン・シンガー監督に大抜擢されたブランドン・ラウス。正統派の甘いマスクに美しい肉体、そして時々見せるシャイな表情…。映画初出演ながら、誰もがイメージする“完璧なスーパーマン”を体現した。最新VFXを駆使したアクションシーンはもちろん、ロマンチックで切ないラブストーリーも秀逸!すべての人にオススメできる1本だ。
フロリダの楽園マイアミ。太陽の光がふりそそぐリゾート地だが、米国で最も南米に近いことから、犯罪組織の密輸の中継地でもある危険地帯だ。マイアミ警察特捜課(マイアミ・バイス)の刑事コンビ、クロケットとダブスは、性格は正反対だが仕事では抜群のチームワークを見せていた。ある日、FBIの潜入捜査官2人が囮捜査の現場で殺される。FBIはクロケットとダブスに、生還の可能性がゼロに近い危険な捜査を要請する。
史上最も革新的と言われた伝説のテレビ・ドラマ「マイアミ・バイス」。スタイリッシュな刑事が活躍するかつてない犯罪ドラマとして、80年代に熱狂的なブームを巻き起こした。ファッションと音楽の話題性で、深夜放送にも関わらず日本でも高視聴率を記録した。映画ではドラマのファッション性は払拭され、骨太の潜入捜査ドラマが展開される。監督は、『ヒート』、『コラテラル』など、アクションや社会派ドラマで闘う男を描くことを得意とするマイケル・マン。主演は、『S.W.A.T.』などで、野性味溢れる演技を見せているコリン・ファレルと、『コラテラル』でも監督とタッグを組んだジェイミー・フォックス。
「世界を笑わせてやる!」と一流コメディアンを夢見て単身NYに渡った松井香助が、返し切れないほどの借金を抱え、一度は捨てた故郷・香川に舞い戻ってくる。製麺所を営み、日々黙々とうどんを打ち続けるがんこ一徹な父親は「なにしに帰ってきた」とにべもない。それでも、親友・庄介の紹介でタウン情報誌「さぬき」に職を得た香助は、香川名物さぬきうどんのコラムを企画し、やがて空前のうどんブームが巻き起こるのだが…。
ソウル・フード=“うどん”をテーマに、「踊る大捜査線」チームが挑んだ本作。人を笑わせることの難しさを嫌というほど思い知らされても、まったく懲りない主人公・香助をユースケ・サンタマリアが演じ、その打たれ強さが、波紋のように広がり、周囲にも浸透して行く。ある種の能天気さと、部活のノリの無邪気さで「うどん」を追求して行く彼らの姿に見ている方も楽しくなる。さらに、「ブームは祭り。だから必ず終わりが来る」と、現実を見据えるトータス松本演じる親友・庄介の存在も光る。最終的に笑いの原点に気づかせてくれたり、迷いに迷った回り道も決して無駄じゃないことを教えてくれる作品だ。