【脚本】中島かずき
【演出】いのえうひでのり
【CAST】
捨之介・・・宮野真守
天魔王・・・鈴木拡樹
無界屋蘭兵衛・・・廣瀬智紀
兵庫・・・木村了
霧丸・・・松岡広大
狸穴二郎衛門・・・千葉哲也
贋鉄斎・・・中村まこと
極楽太夫・・・羽野晶紀
小田切渡京・・・伊達暁
珊底羅の生駒・・・中谷さとみ
いん平・・・インディ高橋
頞儞羅の剣布・・・肘井美佳
真達羅の爪月・・・安田栄徳 他
【感想】
例によってあらすじは省略いたします。
基本的なものは上弦の月と同じです。やっぱり天魔王の鎧を脱がしていくという設定、好きですね。
人は天にはなれない。そこが強調されている気がします。
ですが。演じる人が変われば、もちろん印象が変わってきます。
その筆頭が捨之介の宮野真守さん。
最初のうちは彼の持っている独特の色気が全開。なんていうのかな、豪気のある色気。それは『王家の紋章』を観たときにも思ったことで、番傘を振り回して暴れ回る姿はとにかく豪快でした。
でも。物語が進むにつれて、捨之介は弱さを前面に押し出してきます。顔をくしゃくしゃにして苦しんで、悲しんで、藻掻いている。その姿がとても人間的で、今までの捨之介とは違って、これも素敵だなと。
そして、マモちゃん捨之介はハグが好きなのか、よく霧丸に抱きついてましたね。なんか、可愛かったです。
鈴木拡樹さん・廣瀬智紀さん・木村了さん・松岡広大君・伊達暁さん・中村まことさんは映像も含めて初見です。あ、松岡君は子役の頃に拝見しているはずか
とにかく、今回の下弦の月verは、未知の役者さんが大勢いらっしゃって、とても新鮮でした。
みなさん個性的でまたどこかで拝見出来たらなと思える素敵な方ばかりでした。
太夫は羽野晶紀さん。
いっけいさんといい、メタマクでのさとしさんといい、元劇団員の人が帰って来られる劇団っていいなぁと、そんなことをしみじみ思いました。
晶紀ちゃんは私の持っているイメージそのまま。太夫としての貫禄という意味では物足りないかもしれないけど、晶紀ちゃんの魅力を堪能出来たので満足です。
そして。二郎右衛門の千葉哲也さん。
『蛮幽鬼』から気になっている役者さんで、この方も独特の色気があるんですよね。
腹の中で何を考えているか分からない狸親父がぴったり。それでいて、懐の深さを感じさせる寛容さがあるいうのか。
二郎右衛門はみなさん本当に甲乙つけがたい。みなさん素敵でした。
最後は中谷さとみちゃん。
最初はさとみちゃんが生駒?と思ったんです。さとみちゃんの面白さが出ないんじゃないかと思ったのですが、まあ、さすがはさとみちゃんです。今回もたくさん笑わせてもらいました。
ちょっと狂気じみた最期はちょっと怖くて、いつもと違うさとみちゃんを見られたのも嬉しかったです。
WOWOWさんのおかげで『髑髏城の七人』の花鳥風月(月は上弦と下弦の2ver)を見比べることができました。感謝ですね。
どれも違って、みんなステキな作品でした。最後の『極』も楽しみです