結構前の話。
デビルメイクライ4を6時間ぶっ通しでやってみた時のこと。
寝る時も頭の中で剣をぶんぶん振り回すイメージが離れず、夢の中でも剣戟が続いていた。
つまり、ゲームの世界に脳が侵略された感じ。

思えば、昔はこんなことはなかった。
ファミコンを何時間やろうが、音楽が耳に残ることはあっても、
映像がずっと頭の中で続くなんてことはなかった。

これはたぶん、PS3のCG映像がリアルになったからだ。
イメージとして、より現実感が増したということなんだろうな。
同じPS3のFF13でも似たようなことがあったし。

って、どんなけゲームやってんだよ。
このくそ忙しいのに。

それはさておき。

一時期、ゲーム脳という言葉が囁かれ、その概念は2chなどで相当叩かれた。
僕も、ゲームが本当に現実と非現実の区別を曖昧にするとは思っていない。

けど、最近の音と映像がリアルなゲームはちょっとやばいかもと思った。
それが凶悪犯罪に結びつくとは露ほども思わないけれど、長時間やると脳が侵食されるような感触はある。
思考の範囲が限定されて、一方的でリアルなイメージを押しつけ続けられる感じ。

ただ、謎解きや戦闘では、頭を使う脳トレ的要素があって、これはいい。

例えば、デビルメイクライ4では、各ミッションで必ずと言っていいほど、一度はフィールドで迷う。
暗い場所が多くて見づらいことも多いのだけど、現実にこういう場所に行くことを想像すると、
その見づらさは納得できるし、目的地への道をよく考えて探すことも厭わなくなる。
そのぐらい、フィールドがリアルに描かれているのだ。

あと、フィールドの各セクションをクリアする条件として、塞がれた道を突破するのに、
ギミックの解除が条件になっていたりする。
これも、難しすぎない謎解き要素になっていて、脳トレっぽい。

また、この手のアクションゲームは、コンボ技を効率良く繰り出すことに頭を使う。
ボタンの種類と押す回数を決定してタイミングを掴むのは、機敏に頭を使う必要がある。

あと、ファイナルファンタジー13(FF13)で感じた脳トレ的要素は、
オプティマというジョブの組み合わせを切り替える戦闘システムだ。

FF13は、ストーリーが一本道で考える要素がないと揶揄されたりもするが、
戦闘では、頭を使ったクレバーな戦い方が可能だ。

FF13での戦闘は、パーティの全キャラの行動をコマンド入力する必要がなく、
自分以外のキャラはオートマティックに動いてくれる。
この点をもって「ゆとり的」と呼ぶ向きもあるけど、これは戦闘システムの一つの指向性だと思う。

キャラの細かい行動は自動だけど、大まかな方針はオプティマ編成によってプレイヤーが決定する。
このオプティマ編成は、1回の戦闘中に何度も切り替える必要があったりなかったりする。
つまり、この戦闘システムでのプレイヤーは、戦闘指揮官なのだ。
指揮官は、部隊の編成と作戦を指揮するけど、一兵卒の一挙手一投足まで指示することはない。
旧式のRPGの戦闘システムとの違いはここにあると思う。

そのあたりを理解して、戦闘システムを使いこなして自分なりに工夫すると、
それなりにやり込み要素が出てきて、良い脳トレになる。

ただし、最初から試行錯誤せずに攻略サイトを頼ると、アホになる。
まあ、アホになるのも悪くはなくて、ゲームに何を求めるかによると思う。
僕だって、アホになりたい時もあるのだ。

ゲームに情緒や物語性だけを求める(絵本や小説を読む感覚)なら、考える要素は返って邪魔になる。
そういう嗜好のユーザーなら、攻略サイトに頼っていいと思う。
僕は考える要素が基本的に好きなタイプだけど。

ただ、今挙げたような考える要素は、与えられたお題という要素が強く、
自由度が低くてクリエイティブな要素が少ないとも言える。
これは、制約の中で考えることを楽しむか、自由に考えて創り上げることを楽しむか、
といった指向性の違いに過ぎないので、ディスるに値するとは思わない。

ユーザーが自由に創造的に振る舞えるゲームがやりたければ、
海外製のRPGか、シムシティみたいなのをやればいい。
ただ、自由度が高いほど、時間と手間が掛かるけどね。

なんか後半は、中途半端なゲーム概論みたいなのになったけど、
そもそも言いたかったのは、
ゲーム脳ってのも、最近のリアルなゲームに限って言えば、多少あるかもなーという話。
ただ、ゲーム脳→犯罪というのは、論外。

その根拠については、またいつか書くかも。


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