農学部での動物実験について
わたしは、農学部畜産学科出身です。
何故農学部に進学したかと言うと、6年制の獣医学科に行けるほどウチが裕福ではなく、また成績も良くなかったため、ならば動物のことを学び、動物園の飼育員になろうと思ったからです。
何故獣医師になりたかったかというと、わたしは近所では名の知れた悪ガキだったのですが、その悪ガキ仲間とよくしていたことがありました。わたしが子供の頃、ワンワンボックスという名の犬捨て箱があったのですが、よくそこから犬を逃してみたり、子犬を取り出して小屋で育ててみたりしていた小学生でした。あの箱に入れられた犬がどこに連れられていくのか、なんとなく知っていたわたしと友達は、そういうことを重ねて、よく親に叱られたものです。結局犬たちは捕まって保健所行きに。とても悔しかったです。いつか大人になったらそういう犬猫を助けるんだ!とココロに決めていたのでした。
ところが高校生になった頃、マンガ【動物のお医者さん】が流行り、獣医学科の倍率はうなぎのぼりに。ただでさえ狭き門がさらに狭くなってしまったのです。
私学に行ける余裕のないウチでしたから、国立大で、しかもこの成績で入れるところを探し、先生方の落ちるだけだからやめろ!という猛反対を押し切って、補欠スレスレで合格したのが畜産学科でした。
さあ、学ぶぞ!とスタートしたキャンパスライフでしたが、3年生の時に試練が待っていました。
そこでは、日常的に動物実験が行われていました。主に、マウスやラット、ヒツジやヤギなどです。
わたしも、解剖学を学ぶ上で、生きたニワトリ(所謂廃鶏)、ブタ(屠畜場から)、ウシ(需要のないホルスタインの雄)解剖をしました。
抵抗があったわたしは、教授に、どうしても生きている動物を解剖しなくてはならないのか聞いてみましたが、単位が欲しかったら参加しなさいとしか言われませんでした。成績がひとつでも悪ければ授業料免除から外されてしまう、単位は大学生活を送る上で必須でしたので、抵抗はそこまででした。
最初は、ニワトリでした。2人1組で、一羽、もう羽もなくなってる様な廃鶏(網の中でモゾモゾ動くだけで鳴くことすらない)を解剖しなくてはなりません。背中側で羽根をクロスさせると動かなくなるのですが、教授にメスを渡されて、頚動脈を切る様指示されてもどうしても出来ません。わたしは先に述べた通り、元々は獣医師希望でしたので、動物を助けることが望みなのに、何故この手で命を絶たねばならないのか、葛藤がありました。それぞれが、ニワトリの首を切っていく中、わたしともう1人だけが、最後まで動けませんでした。わたしのバディは泣くばかりでメスすら握りません。早くしなさいという声に押されて、遂に頚動脈を切りました。ニワトリは鳴くことすらなく瀉血して死んでいきました。ある学生は、間違えて静脈を切ってしまい、ニワトリは死ぬことができずもがいていました。教授がニワトリのクチバシを開け、喉の奥の動脈を切り、そのトリも息絶えました。
あ、死んでしまった。殺してしまった。
罪悪感が襲って来ました。昆虫も、カエルも、蛾でさえ愛でていたわたしが、ニワトリを殺してしまった。ごめんねごめんなさいごめんなさい。涙が溢れました。胸が締め付けられてモヤモヤしました。
その後ニワトリ達は熱湯で茹でられ羽をむしられるのですが、そこにはよく目にするチキンが並びました。不思議な事に、皆さっきまで沈痛な面持ちだったのに、ニワトリがチキンになった途端、いつもの彼らに戻っているのです。
モヤモヤしているのはわたしだけの様でした。解剖は進み、ここが手羽先、ここが手羽元、これが心臓で肝臓で…講義は続きます。わたしはといえば上の空で、ああ、家畜とはこうやって死んでしまって消費される『モノ』なんだな、と考えていました。学友らはどう思っていたのでしょうか。
by 椿硝子さん
航路を変えよう
「 薬や化学物質。
動物にはOKでも、人間には毒になることがある。
動物には毒でも、人間にはOKかも。
ほらね、動物実験ではわからないんだ。
現代は、代替法がある。
動物を使わない、人の細胞や組織を使った、もっと確実で安全な、倫理的な方法が。」
music&油彩:Massimo Marchetti
*Massimo Marchett HP
http://www.massimomarchetti.it/index.html
シニア犬の冬
ランさん宅に移動しました。
シニア犬のケンちゃん
コベニさん宅へ移動しました。
畑の先生、コベニさん、ありがとうございます
みなみママさん宅で預かり慣らしお願いしているミルキー
里親会にぜひいらしてくださいね
いつもご支援をありがとうございます。
シェルター、預かり、地域猫あわせ、犬猫300匹を抱えています。フード、日用品の購入がなかなか苦しいです。
タオル一枚から、ワンニャンのごはん1袋からのご寄付を大変ありがたく拝受しております。
by鶴田真子美(おかめ)