動物😺🐶
認知症の入った犬のお世話の仕方は、人間の介護の仕方と変わりはありません。
脱水予防
腎臓ケア
失禁や徘徊
小石を食べたり収集したり
物に執着し被害妄想が募る
最も身近に介護してくれる人を傷つける
性的な異常行動や嗅覚の衰えによる食糞
動物が年老いても行政から動物介護サービスはありませんし、飼えなくなった放棄犬は保健所や施設では殺処分となり、人に懐いて扱いやすいため動物実験に回されることが多かったのです。
人👵👨
人の高齢者、認知症の介護には、行政からは社会的サービスがあります。
居宅看護
通所介護
地域密着型通所介護
共同生活介護(グループホーム)
小規模多機能型居宅介護
でもここが機能するには、働く人が充分にいて、複数の施設もあって、空き待ちでないのが前提です。
日本は介護や保育現場で働くエッセンシャルワーカーさんは重労働や深夜労働もあるのに、時給が抑えられ、成り手がなかなかいません。
いくら理想を語っても、食べていかれない場所には人は来ません。
これから団塊の世代が後期高齢者になり、今後10-15年は要介護者はうなぎのぼりとなるでしょう。が、日本の社会は要介護者を施設ではなく自宅での介護、看取りに移行しようとしています。訪問介護でも担い手がいなければ成り立たないです。ですから介護離職も増えるでしょうし、放置、孤独死という福祉崩壊が目前に迫るような気がしてなりません。
最近、高松の知的障害者施設が閉鎖に追い込まれ、家族らは裁判所に訴えていましたが却下されました。家庭に戻ってもケアを受けられません。
介護士不足でグループホームや特養が閉鎖の危機。あと1人補充しないと、みな在宅に戻り訪問看護となる、など。
憲法で保障されているはずの人権、障害者福祉は絵に描いた餅なのです。
👵高齢者とペット
これからはノーマライゼーションの考えから、在宅での看取りが中心となるでしょう。
飼い主を失った、あるいは失いつつあるペットたちも年をとります。15年、20年生きる犬猫の高齢期に、社会はどのように備えて向き合っていけたらよいか。
当然、飼えなくなったペットの問題はさらに増えていくでしょう。
ペット信託、老犬老猫ホームというセーフティネットに引っ掛からなかった犬猫は?
再び人間の話に戻ります。
障がいや疾患を持った方、高齢者を、生活全体から捉え直して分類し、その方の生きることの全体像を分析する考え方があります。
歩けないとか痙攣が止まらないとか話せないというハンデを、社会的不利ではなくその方の特性と捉え、6つの観点から相対的に何ができ何ができないで何をサポートしたらよいかを分析していきます。
国際生活機能分類ICF(2011年にWHOが提唱)の6つの分類、分析です。
どんなサポートを受ければ、できる「活動」が増え、生きる喜びが生まれるか、を探るのです。
これを動物にあてはめればどうなるか。書き出してみましょう
①健康状態(腎不全、フィラリア陽性、脳梗塞、felv fiv陽性など)
②心身機能、身体機能(視力はあるか、耳は聞こえるか、心臓や肺はどうか、下半身麻痺による歩行障害、発声障害等の機能障害があるか、補液が必要か、ジャンプはできるか など)
③できる活動ADL、日常生活すべて(ごはんは自力で食べられるか、車椅子に乗れるか、排泄はオムツかなど)
④参加(小屋に籠る性格か、人は嫌いか、子犬猫シッターができる、喧嘩の仲裁役ができる、お散歩会に喜んで参加する、ドッグランでの他犬との触れ合い)
⑤背景因子(飼育環境は庭か室内か、段差はあるか)
⑥個人因子(他犬NG、噛みがある、頑固、頭を撫でられるのはイヤ、ニットイーターなど)
ICFでは②③④をそれぞれ評価することで相手を捉え、ゴールを目指します。
何ができ、何ができないか、これからできそうなことは何か。
シニア犬猫、身体障害犬猫、子犬、子猫、みな、同じ。健康な動物も人も、交通事故にあい明日から半身不随や血管性認知症になることもあります。生きていれば年をとります。社会的不利(ハンディキャップ)としてでなく、何をすれば何が出来るか予測して行動するのです。
歩けなかったワンちゃんが車椅子を使用することで、みんなと公園に行けるようにする、
オムツに頼らず自力で排泄できるように、庭まで付き添い歩行させる、
食べることを忘れた痴呆の犬に介助し食べさせる、
弱視となり耳が傾斜したシニア犬の通り道にある硬い家具はマットで覆う、
足腰弱らぬよう、広めのフェンス内でフリーにし、フェンス内側はスポンジマットを取り付け、ぶつかっても良いように環境を整える、
優しくタッチ
自立と尊厳
ひとつひとつの命に向き合う
あなたは犬という種類の1匹にすぎない(管理しやすい)
あなたはポチというかけがえのない唯一無二の存在、
あなたの好きなオヤツは、、、
あなたの小さいときは、、、
あなたの友だちは、、、
苦手なことは、、、
という向き合い方。
この笑顔は、向き合ってもらった犬の笑顔です。
行き場のなかった犬猫が
あらゆるICFの分類の人間たちと交流しながら、
お世話され、役割ややりがいを与え合い、笑顔で生きていくことができたら。
動物の介護も含めて、現場で実践し、みんなが教え合うことができれば。
それは動物にも人間にもプラスになることです。