日本でもペットショップ禁止を!⑤ SDGSとペットフード | CAPIN(キャピン)公式活動報告

CAPIN(キャピン)公式活動報告

認定NPO法人「動物愛護を考える茨城県民ネットワーク CAPIN」
公式ブログ



当会のシェルターには犬150頭(第1シェルター犬63頭、第2シェルター87頭(ブン太ハウス13頭、ハッピーハウス22頭、カコハウス29頭、女子寮6頭、キリハウス17頭)、猫50匹+2匹が暮らしています。


さらに地域猫エリアや預かりボランティアさん宅に120頭。




毎日フードの準備をするたび、大量の肉類の缶詰を開けます。


ドライフードにも肉は含まれます。

高級フードであるほど肉の占める割合も多くなります。



犬猫にはひもじい思いをさせまいと、朝に夕にフードを与えています。


が、ペットに食べさせるために、いったいどれほどの家畜が産まされ飼育され、屠殺されているのでしょうか。




ペットフードになるために、繁殖させられ、肥育され、屠殺されている牛、トリ、ヤギ、豚、競馬の引退馬たち。


缶詰になる前の畜産動物に想いを馳せ、手をあわせる思いでいても、それでも目の前にいて空腹を訴える子らの口に肉片を与えるしかありません。



ペットの食す家畜は、大量に穀物を消費します。


いま、世界は危機的な気候変動の対処に迫られています。温室効果ガス排出削減、運輸部門やエネルギー部門での施策、自然生態系の保全など、対応は待ったなしです。


菅元総理は2050年までカーボンニュートラルを実現することを約束しました。環境に配慮し、持続可能で公正な低炭素社会への移行を目指していくとの姿勢を打ち出しました。


しかしその一方で、日本はペットショップ規制、ブリーダー規制が脆弱で、子犬子猫が次々と繁殖させられています。


その餌となる家畜が、地球環境に与える影響がどれほど甚大であるかを考えるべきです。





昭和35(1960)年度と令和元(2019)年度の1人当たりの消費量を比較すると、肉の消費量は約10倍に増加し、国産では間に合わず、輸入に頼るようになりました。


鶏肉の令和元年度の自給率は64%、豚肉の自給率は49%、牛肉の自給率は35%でしかありません。




肉の生産にどうしても欠かせないのが輸入飼料(とうもろこし等)です。牛肉1kgの生産に必要な穀物の量はとうもろこし換算で11kg、同じく豚肉では6kg、鶏肉では4kgとなります。これを面積に置き換えると、現状の畜産物の生産量を維持するためには広大な農地が必要となります。

現在の私たちの食生活を維持するために、小麦や大豆なども含めると959万ha相当(国内の農地の2倍以上)の海外の農地を使用していることになります。



日本の肉の消費量を支えるために、世界でどれだけの飼料が必要とされているか。それが地球環境にどれほど負荷を与えているか。


いま、世界では食肉が気候変動を悪化させるという観点から、肉の消費量を抑えようとの動きがあります。


こちらの記事に掲載されているように、オランダの自治体では肉の広告が禁止とされるようになりました。





世界中の穀物の50%以上が、家畜に供給されています。家畜に供給される穀物は、貧困に苦しむ人口が多い途上国で栽培され、そのような穀物で育った家畜は、日本のような先進国へと輸出されるのです。さらに、飢えに苦しむ子供たちの90%以上が、穀物を家畜のために育てているという現実。



畜産によって排出される温室効果ガスは、乗り物が排出するガス量よりはるかに多いのです。世界の水資源の、なんと3分の1もが畜産業のために消費。アマゾン森林破壊は91%が畜産業によるもの。
 
このように、意外にも環境問題に大きく加担している畜産。




キャンベル博士

「たんぱく質の80~90%は植物性食品から摂取するようにし、動物性食品からの摂取は10~20%に抑えるよう生活改善をする必要がある。動物性食品を重視せずに、量を控えることが望ましい。」




大豆は植物性たんぱく質を多く含みます。だから、大豆ミート、ソイラテ、テンペ、大豆ヨーグルト、納豆、湯葉、豆腐がブームとなっているのです。





国連のIPCCは、気候変動対策には、「食品ロスを減らすこと」と「肉食を減らすこと」がカギとなるという報告書をまとめたそうです。


https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/08/post-12762.php


このように、世界的に食肉を減らす動きが強まるなか、日本では相変わらず焼肉ブーム。


そしてペット業界も盛ん。


ペットショップや繁殖屋が産ませれば産ませるほど、それだけ多くの畜産動物が必要となります。


地球環境を守るためには肉食は減らしていくべきと言われますが、犬猫は基本的に肉食です。犬は雑食とも言われますが。特に猫は肉を与えねばならなくなります。


だから、ペットの繁殖こそ、減らしていかねばなりません。犬猫を増やさない、これが環境にとっても最優先課題です。


地球の未来のためにも、SDGSの観点から、国はペット業界にメスを入れて頂きたいのです。


繁殖はさせないで。数を減らしていきましょう。



by鶴田真子美(おかめ)