置く場所がないから犬猫を処分する、という時代錯誤で理不尽な現状 | CAPIN(キャピン)公式活動報告

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放棄されたのび太くん

2月20日茨城県動物指導センターから「のび太」を引き出しました。


センターでは、犬達の個別管理カードにはそれぞれ番号が記載されています。     
「A」で始まる番号は「収容」されたということ。飼い主さんの元から逃げて放浪していたのか、飼い主がどこかに捨てたのか、迷子になって探してもらえなかったのか。また、そういう「元飼い犬」が産んだ子達なのか。首輪を付けた明らかに飼い犬という犬達が毎日何頭も「収容」されてきます。

「B」から始まる番号が意味するのは、「飼い主が飼育放棄した」ということです。
「のび太」は4号室で「B-1088」という番号が付いていました。



隣の3号室を見ると同じ顔をした子がいます。管理カードを見ると同じ場所で放棄されたと分かります。


その3号室には同じ場所からの子達が何頭も。







多頭飼育崩壊、飼い主が高齢で手放した、近所からの苦情、噛んだ、など、どういう事情で放棄されたのか分かりません。



「放棄」された犬達は飼い主が飼育放棄した訳ですから「公示期限」は記載されません。「放棄」と記載されます。



昨年末から次々に同じ場所から放棄されてくるこの子達のことがずっと気になっていました。


何故「のび太」という名前になったか。
センターの管理カードを見ると、お世話している方が記入した説明書きがありました。その中に「たぬき系」とありました。確かにまん丸たぬき顔です。そこで最初「ポンタ」となりましたがシェルターには「ポン」がおり被らないようにと、のんびりした穏やかな性格から「のび太」としました。



センターで、のび太が居たのは大部屋、つまり「譲渡不敵」とされた犬達がひしめいている場所です。

譲渡用の犬舎にいる犬達は殺処分される事は無く散歩にも連れ出してもらえます。

しかし「譲渡不敵」とされた大部屋の犬達はいつ殺処分されるか分からない状況です。

「置く場所が無いから殺処分する」という何とも時代錯誤で理不尽な現状を多くの方に知っていただきたいと強く願います。

ほんの少し、犬の気持ちになって想像してみてください。ある日知らない場所へ連れて来られ、知らない人たちと雑居房に押し込まれる恐怖。

いつ殺されるか分からない中で普段通りの精神でいられるでしょうか。自分が犬だったら心を閉ざして固まってしまうか、めい一杯吠えて自分の感情を伝えるか、どうだろうと。そこで心を開いて人懐こく出来なければ「譲渡不敵」です。自分だったら?

いまこの時も沢山の「のび太」が悲しみの中頑張って生きていること、どうか忘れないでください。





byしろみ