集団手術を翌日に控えていたので若い元気のある犬を選ばねばならず、9頭引き出したら車はケージでパンパンとなり、それ以上は積み込めませんでした。
その腹水が溜まった犬は次の回に、と、引き出しませんでした。職員の方には負傷犬舎かオペ室に移動させてほしいと頼みました。
電話でその犬がどうなったか、医務室に移動されたか、何度か問い合わせました。
大部屋から負傷犬舎に移ったと聞きました。
次に秋田犬を引き出したときは、猫のTNRの直後で、猫4匹の捕獲器を載せており、秋田犬はセンターの大きな捕獲器に入っていたため、負傷犬舎に腹水が溜まった犬は連れて来られませんでした。
22日、ようやく腹水の犬を迎えに行きましたが、腹水の犬はすでに負傷犬舎で亡くなっていました。
待ったがきかない。
いつも思うこと。それは、
今、そのときでないと、助けられない。
次はない。
2度と会えない。
ということ。
茨城県動物指導センターでは、負傷犬舎に入っても、腹水を抜いたりエコーをみたりをしてもらえるわけではありません。
レントゲンもなく、ベーシックな医療機器もないセンター。臨床経験ある獣医師は3名。みなまだ若く、40代50代の臨床経験を積んだ方はおられません。センターでは風邪など内科的な治療や避妊去勢などはできても、その先の外科処置は難しいのです。
いくら意欲ある臨時職員の看護士さんも獣医師ではないから、腹水を抜くまで出来ません。
都道府県は、負傷動物の治療をすることになっています。動物愛護法に従い、毎年その予算も確保してあります。
負傷動物を助けられる、臨床経験を積んだベテラン獣医師がセンターには必要です。人事を見直さねば助けられません。
それからレントゲン。
もう何年も前から要望してきました。
こんなに民意が反映されない県も珍しい。
センターにいた犬たち
by 鶴田おかめ