2.27 意見交換会のご報告@センター | CAPIN(キャピン)公式活動報告

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2.28センターにて引き出しを待つ子たち




茨城県動物指導センター譲渡団体意見交換会のご報告



 県が殺処分ゼロを目指し一般譲渡開始、譲渡拡大に期待

 緊急保護シェルターを要望(CAPIN)





2月27日、茨城県動物指導センター登録譲渡団体の意見交換会がありCAPINも参加いたしましたので、ご報告いたします。


まず初めに県からの報告として、これからは譲渡団体だけではなく、一般の個人の方にも譲渡を開始する予定とのお話がありました。

里親希望者登録制により一般譲渡を進めてくださいますよう、当会もかねてより要望をしておりました。県が積極的に保護犬猫に新しい家庭を探すためにさらに譲渡の門戸を広げてくださり、大変ありがたいことです。

ちなみに平成27年10月の茨城県動物愛護管理推進計画第三期では「殺処分ゼロに向けての取り組み」として次の様に記載されています

収容した犬猫の譲渡の推進 

【推進方向と計画】
 ① 引取った犬及び猫の生存機会の拡大 県が収容した犬及び猫の生存機会拡大のため新たな飼い主への譲渡事業を推進する。 
・ 民間団体,個人ボランティアへの譲渡の拡大を図る (新) 。 
・ 県域を越えた自治体間の広域譲渡の推進を図る (新) 。
 ・ 県が抑留した犬で返還の申し出がなかった成犬の譲渡を推進する (新) 。 
② 譲渡犬・猫への不妊去勢手術の実施 動物指導センターが,一般県民に対して譲渡する成犬,成猫については,一定の条件の もと,不妊去勢手術
を実施後譲渡する (新)



これらの項目について県は前向きに取り組んでいただいてきましたが、ここへきて、さらに一般個人への譲渡を開始することにより、殺処分ゼロに向かい弾みがつくと期待いたします。

この場合、県のホームページ等で収容犬猫全頭の写真付きプロフィールを公開していただくことで、さらに多くの人の目に留まり生存の機会が高まると思います。

しかし、27日には、残念ながら、全頭でなく、譲渡適性のあるものの公示をする、という県の考えが示されました。これについては、譲渡適性のあるなしでなく、全頭の公示をすべきだとの当会の意見を述べさせていただきました。譲渡適性の判断が困難であり、どれを殺処分してどれをしないのかの基準が曖昧だと申しました。センターに収容される犬の8割が人に飼われた経験のある、なつこい犬だからです。

また、殺処分ゼロに向けての課題を話し合う中で、犬の収容頭数とスペース、予算などの問題から殺処分やむなしという意見もありましたが、CAPINとしては「場所」すなわちシェルターを用意しスタッフを配置することで殺処分しなくても解決できるとお話ししました。

譲渡不適性の犬についても、2015年以降、常総坂手野犬を捕獲して譲渡し、常総市殺処分ゼロを継続して4年目となったJOSO WAN ZEROさんからは、資料とともに、経験から野犬と言われている犬達も充分譲渡できた、常総市の犬猫は全てセンターから引き出してもやれてこれた、という報告が述べられました。

また、CAPINからはすでに殺処分ゼロを達成した主な自治体リストとその取り組みを資料として配布し、神奈川県の様にすでに殺処分ゼロを連続しているばかりか、ゼロの先を見据えている自治体もある、茨城県でも目標にしたい、とお話しさせていただきました。


さらに上記の茨城県動物愛護管理推進計画での殺処分削減計画(数値目標)と実際の殺処分数減の推移を併せて予測すると、実に平成31年度~32年度が犬猫ともに殺処分ゼロに突入できる時期だということがわかる資料も配布させていただきました。

茨城県でも、猫はすでに今年度、実質殺処分ゼロとなっていますし、犬も1月から殺処分が止まっています。

出来ないという固定観念を捨て、現状を分析し対策を練れば殺処分しなくて済むのです。


また、殺処分ゼロに向けては入り口対策が重要であることは言うまでもありません。当会もTNRに尽力し、大学地域猫は9年目、2014年12月より5年にわたり集団手術を実施しており、避妊去勢手術は6000匹以上となります。児童館や小中学校での啓発授業も行なって参りました。

が、入り口対策と同様に、処分されていく目の前の命にも向き合わねばなりません。県外から猫を多数レスキューしてくださっている団体さんが「目の前の猫を助けたい」として出口対策の重要性を強調なさる場面もありました。入り口も出口も同時並行でやるべき、とのご意見に賛同致します。今回、一般譲渡も開始予定とのことで、「目の前の命」に大きな救いの手が差し伸べられましたのは大きな前進だと思います。


今回の意見交換会の内容は、後日、県が議事録として公表なさるとのことです。皆様に誤解ないよう、正確な議事録をお願い致したく存じます。
(報告はここまでとなります。)


追記

また、この1月には明るいニュースも報道されました。

1月23日の茨城新聞によると茨城県動物愛護管理施策のありかた検討委員会が愛護機能を充実させた上での現センターの名称変更や新施設建設が提案されたということです。

新施設が用意されるまでの間も、収容犬猫達に良い環境を与え新しい家庭に繋いでいくことが県や譲渡団体の使命だと思います。


これからも茨城県動物指導センターの犬猫達を応援して下さい。私達も県内団体として全力で努力してまいります。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

代表 鶴田真子美