小屋に閉じ込められ暑さに喘ぐ犬(3) | CAPIN(キャピン)公式活動報告

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認定NPO法人「動物愛護を考える茨城県民ネットワーク CAPIN」
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小屋に閉じ込められ、周囲には居ることが分からないほど存在感のなかった犬。

鳴きも吠えもしない穏やかな犬。

通りかかりの方からご相談を受け、まさか、と小屋を開けててみたら、暑さに喘いでヨダレを垂らす犬を見つけました。

きれいな水はたっぷりとありましたが、置かれていたのは小屋の外でした。

良い体格から、ごはんはきちんともらっているだろうとは思われました。


飼い主さんには、小屋に閉じ込めない、朝晩のお散歩、爪切り、腫瘍の診察、小屋にヨシズなどの日除け、以上のお願いをしました。

また行くと、首飾りのように巻かれた緑のガムテープは取ってありましたが、爪切りや病院など、約束したこと、お願いしたことが改善されていませんでした。

よく話してみたら、散歩は行けないし相手をする時間がない、これでは可哀想だ、との思いは飼い主さんにもありました。

飼育環境を改善してもらうにせよ放棄してもらうにせよ、まずは通って、飼い主さんとの信頼関係を築くしかありません。飼い主さんとは努めてにこやかに話しました。最初は世話をきちんとやる、病院にもかける、と話していた飼い主さんも、やがては本音を出すようになりました。

仕事が忙しく日中の世話は無理だから、連れて行ってもいいよ、持って行くか?

頼みたい、連れて行ってもらえたら、ありがたい、と変わりました。


さらに、この子は4年前に飼育放棄されて、誰も引き取らないから、憐れに思ったお父さんが仕方なく連れてきた犬だ、とも。


よくよく話していたら、そのお宅がどこか分かりました。


当会では4、5年くらい前に、タイ人のお宅から20匹くらいの猫をレスキューしたことがあります。成猫は手術し子猫は譲渡しました。

オスの子猫たちには去勢手術の代わりに、睾丸を壊死させるために輪ゴムがきつく縛られてあり、そのせいで可哀想に、オス猫らは尿道が引きつれて尿道閉鎖気味となっていました。

私たちは、輪ゴムで縛っての去勢方法にショックを受けました。ずいぶんな方法で去勢をするんもんだ、残酷だなと話し合いました。あのとき、土浦シェルターの百合部屋に引き取ったタイ人のオス猫たちは、みな膀胱炎になりやすく、そのためPHコントロールの療法食でお世話をしていました。


確かそこの庭先には犬も2、3頭いて、それはタイ人が引き取ったから居なくなった、と聞きました。


そこから連れて来られた犬だったのです。

今7才というから、当時は2才くらいだったのでしょうか。

吠えないし鳴かないし噛まない、穏やかなメス犬。車も嫌がらないし酔わない、と聞きました。

犬は、手放されるときも、お母さんを見て嬉しそうな表情をしました。

お母さんが抱き上げ、無理やりケージに入れました。私は犬を後ろから押しました。

犬は、お母さんとお出かけだと思ったのかもしれません。切ないです。

シェルターには足りないため、水のバケツももらいました。

これから、何もかも、良くなるのだから。
良くするのだから。
笑って、喜んでくれていいんだよ。

爪切りも大人しくされていました。

潰れた腫瘍のまわりを刈るときにもお利口さんにしていました。


何と、箱入り娘犬だったせいか、蚊に刺されなかったようでフィラリアはマイナス。

血液検査の結果は正常。
腎も肝も大丈夫です。



混合ワクチンをしました。
ダニがひどかったそうです。

土浦シェルターではボランティアさんたちが、お部屋に運んでくださいました。
首輪交換と係留をお願いしました。

すぐに、外部内部駆虫薬のネクスガードを食べさせて頂きました。

元の名前はワンカウム、
タイの王様の家の名前。

覚えにくいので、ワカメちゃん。

ワカメちゃんの預かりボランティア様、フォスターペアレント様を募集致しております。

近く腫瘍の手術となります。
良性でありますように。


by 鶴田おかめ