小屋に閉じ込められ、周囲には居ることが分からないほど存在感のなかった犬。
鳴きも吠えもしない穏やかな犬。
通りかかりの方からご相談を受け、まさか、と小屋を開けててみたら、暑さに喘いでヨダレを垂らす犬を見つけました。
きれいな水はたっぷりとありましたが、置かれていたのは小屋の外でした。
良い体格から、ごはんはきちんともらっているだろうとは思われました。
また行くと、首飾りのように巻かれた緑のガムテープは取ってありましたが、爪切りや病院など、約束したこと、お願いしたことが改善されていませんでした。
よく話してみたら、散歩は行けないし相手をする時間がない、これでは可哀想だ、との思いは飼い主さんにもありました。
飼育環境を改善してもらうにせよ放棄してもらうにせよ、まずは通って、飼い主さんとの信頼関係を築くしかありません。飼い主さんとは努めてにこやかに話しました。最初は世話をきちんとやる、病院にもかける、と話していた飼い主さんも、やがては本音を出すようになりました。
仕事が忙しく日中の世話は無理だから、連れて行ってもいいよ、持って行くか?
頼みたい、連れて行ってもらえたら、ありがたい、と変わりました。
当会では4、5年くらい前に、タイ人のお宅から20匹くらいの猫をレスキューしたことがあります。成猫は手術し子猫は譲渡しました。
オスの子猫たちには去勢手術の代わりに、睾丸を壊死させるために輪ゴムがきつく縛られてあり、そのせいで可哀想に、オス猫らは尿道が引きつれて尿道閉鎖気味となっていました。
私たちは、輪ゴムで縛っての去勢方法にショックを受けました。ずいぶんな方法で去勢をするんもんだ、残酷だなと話し合いました。あのとき、土浦シェルターの百合部屋に引き取ったタイ人のオス猫たちは、みな膀胱炎になりやすく、そのためPHコントロールの療法食でお世話をしていました。
今7才というから、当時は2才くらいだったのでしょうか。
吠えないし鳴かないし噛まない、穏やかなメス犬。車も嫌がらないし酔わない、と聞きました。
犬は、手放されるときも、お母さんを見て嬉しそうな表情をしました。
お母さんが抱き上げ、無理やりケージに入れました。私は犬を後ろから押しました。
犬は、お母さんとお出かけだと思ったのかもしれません。切ないです。
良くするのだから。
笑って、喜んでくれていいんだよ。
腎も肝も大丈夫です。
ダニがひどかったそうです。
土浦シェルターではボランティアさんたちが、お部屋に運んでくださいました。
首輪交換と係留をお願いしました。
すぐに、外部内部駆虫薬のネクスガードを食べさせて頂きました。
元の名前はワンカウム、
タイの王様の家の名前。
覚えにくいので、ワカメちゃん。
ワカメちゃんの預かりボランティア様、フォスターペアレント様を募集致しております。
近く腫瘍の手術となります。
良性でありますように。
by 鶴田おかめ