在宅被災者に重点支援を | CAPIN(キャピン)公式活動報告

CAPIN(キャピン)公式活動報告

認定NPO法人「動物愛護を考える茨城県民ネットワーク CAPIN」
公式ブログ

昨日で水害発生から1ヶ月。

常総鉄道も昨日開通しました。

ありがたいことに、全国からダンプやパッカー車が駆け付けて下さって、重機を使った瓦礫解体撤去やごみ運び出しが進んでいます。

週末ともなると800人以上のボランティアさんたちが、各集落の住民の要望に応え、床下の泥出しや床はがし、高圧洗浄、清掃、石灰まき等に力を出されます。

ところが平日にはボランティアさんは200人代に落ち込みます。

被害甚大でも、ボランティアさんがまだ入っていない地区もあります。まだまだ人手が足りません。

水害のあとは、後始末が大変で、においとカビに悩まされます。

街全体が、いたるところに撒かれた石灰のためか、ぼんやりと白く煙っています。

庭も道路も真っ白。

ほこりっぽく、みな防塵マスクをつけています。

ふたつの川に挟まれたエリアに、さらに小さなどぶや濠が流れています。

水の勢いを語るように、ガードレールや塀が曲がり、へしゃげています。






「あの遠くの病院の赤い椅子が、ここまで流されてきたんだよ」





避難所の閉鎖。

(今日もつくば市やつくばみらい市の避難所から、数十名が常総市内の避難所に分かれて移動されました。犬を連れたご家族もあります。避難所でなく、自宅に戻られた方も。)

在宅の被災者に、息の長い支援を続けることが、求められていると感じます。

犬のいるお宅に物資を届け、ヒアリングをして歩きます。

あっちに、ダックスフントがしょんぼり歩いてた、中妻に。きっと迷子だよ、とか。

あっちに痩せた犬が飼われているから、そこにも
フードを運んであげてほしい、とか。

この道沿いの右手には、猫を飼っている家が三軒ある。

小粒の餌でなきゃうちは食べないから、今度は細かい粒の持ってきてね、とか。





町を歩いてフードを配りながら、お話を伺います。

お茶に誘われながら、話を伺います。

叙々に水があがり、急いで家のなかに上げた動物。
一気に床上1メートルまで水が上昇したときの恐怖。
助けてくんろ、と、白色の温泉タオルを振って、ボートを呼んだ、
自衛隊のお兄さんが、首まで浸かって、ボートを誘導してくれた、
犬2匹を一緒に載せてくれた、
壕に沿ってガードレールがあり、ボートがひっかかって進まなかった、自衛隊にも、小さなどぶ川があることを伝えた、
でないと自衛隊の脚がつかず、溺れてしまうから。

決壊当日のおそろしい夜の話。聞いていてもつらいです。

掃除に疲れ、もう、しゃあんめえ、ジタバタしても。お茶のもうや。あたしら、変わりばんこに、こうしてお茶してんだよ、昨日はこっちの人の家でやった、明日はあんたの家でだ。



2階がある家は後回しだった、まず平屋の方の救助が優先されたようです。

ヘリコプターは怖くていや、家も壊れる。だからボートがよかった、と。




そのまま置かれたら水死だった犬、抱えられてボートで避難、よかった!

でも避難所に犬は迎えいれられないので、すぐ避難所を出て、家に戻ってしまったそうです。

猫を飼育されている方にお届けした皆様からのご寄付です。大変喜ばれていらっしゃいました!




預かり犬の飼い主さんに、ワクチン証明やフィラリア予防薬などをお届け。

公園のフェンスもぐにゃり。

床はがしのあいだに、猫を預かってほしいとのご要望があり、中妻にお迎えに行きました。床が張り替えられ、住めるまで、年末までのお預かり。

そこにはわんこもいました。脱走し、何日も泳いで、水が引いたら戻ってきた賢いまあちゃん。



てんちゃん、雄、一歳、未去勢。
きかんぼう、やんちゃ。

猫は穴だらけの床下に潜り、肉球にバイ菌をつけて、2階にあがってきます。病気になるから、それはとても困る。室内飼育だから、外には出さない。でも風呂場には閉じ込めておけない。



飼い主さんは、お風呂場で猫を飼われていました。
大変なことです。



こんな悩みを一時預かり支援で解決できれば、飼い主さんも掃除に集中できて、何とか頑張れるはずです。





ペット不可とはいえ、現場では職員の判断で柔軟に対応されています。

学校などの大きなところより、豊岡公民館やきぬふれあいセンターなど、小さな避難場所のほうが、人道的な対応がされている傾向があります。

巨大施設あすなろの里は、まわりの野良猫ですら住人たちが嫌がるから、ペットは一切禁止、の一貫した方針だそうです。

小さな避難場所のほうが、管理の問題も少なく、人にも動物にもやさしくできるのかもしれません。

つくばみらい市からのペット連れの新しい移動家族も、受け入れてもらっていたのは、小さな避難場所でした。


預かりを望まず、避難所で、一緒にいることを選んだ被災者さんもおられます。

災害発生時に、こうした方を受け入れられるところがすでにしっかりと確保されていなければ。

By おかめ