あまぐりに、
「遊んで!あそんで~!!」
と、じゃれつくように突進して来る。(首輪なし、勿論フリー)
「か…、かわえぇ~…」
と言ったのは、まん吉とあまぐり、ほぼ同時。
ふと、周りを見ると、お婆さんが畑仕事をしている。以下バリバリの茨城弁で…
「こないだっから迷い込んで来てよォ、捕まんねェんだよ。馴れたら、どうにかなっぺか?」
…てな事を言っていたので、まん吉、
「そうですねェ、馴れれば大丈夫じゃないですか。」
今から考えれば、かなり適当、脳天気な返事をしたものだが、まァそこら辺は、ご近所との日常的な会話の範疇であろう。
その後も散歩中に何度か見かけるが、捕まる様子はない。ただし、お婆さんの手の届かない範囲では近づいて来ていたので、
「ま、そのうち何とかなっぺよ」
と静観していた。
そうこうしている内に月日は流れ、子犬はオトナの階段を登り、オス犬が近付くように。(女の子だったんだ )
(・・;)
まん吉、
「こりゃヤベッ! 捕獲をせねば」
と思っていたところ、近所の人も同じ思いだったらしく、動物指導センターに依頼されていた。
しかも、手際良く捕獲器まで設置されているではないか。
以後、おかめさんと連携しつつ苦難の道を歩むことになるのであった。
1 第1次捕獲作戦
(1)おかめさんが、指導センターに連絡し、捕獲器に入った場合、お婆さんに預けるよう要請。これで一安心。
(2)何かを捕獲!
…したはずなのに、近所の誰かが逃がしたらしい。何が捕まったかは不明。捕獲器が血だらけになっていたので撤収。
後日、改めて仕切り直しと云うことで、第1次作戦は失敗の内に終了したのであった。
2 第2次捕獲作戦
新たな捕獲器を設置、どうも可哀想に思う人がいるらしく、また逃がされた
(-"-;)
第2次作戦も失敗。以後オス犬は見かけなくなる。
3 第3次捕獲作戦
(1)エサに眠り薬を混ぜて与えるも、ウトウトとする程度。近付くと逃げる。少し待って近付くと、また逃げる。もう少し待って近付くと…
この日は諦めた。
(2)翌日は薬を増量、再度試みるも、やはり逃げる。チョッと怖かったけど、薬を追加してみた。
…結局逃げられ、第3次作戦も成果なく終了。

4 第4次捕獲作戦
(1)おかめさん、指導センターの人と作戦会議、今度は「吹き矢で麻酔薬撃ち込み」という荒技を実施することとなった。
(2)当日は4月だというのに異様に寒く、雪の舞う中での作戦始動。指導センターからは、狙撃手3名、監視要員(麻酔が効くまで逃走経路の追跡をする)1名。
我々(山猫氏、おかめさん、まん吉)も監視要員として広範囲に散る。
(まん吉、実は内心「吹き矢やりて~」と思っていたが我慢した)
(3)異様な雰囲気を察知してか、ターゲットはなかなか射程内に入らない模様。監視員、寒い。
追う者と追われる者との息詰まる戦いが繰り広げられ、とうとう残弾が底をついた模様。監視員、ひたすら寒い。
(4)この日も成果なく、作戦終了した。
その後、おかめさんと山猫氏は指導センターの職員に要望書(例のセンター引き出し犬がパルボを発症した件と、保護団体との連携の不手際についてのものらしい)を手渡し、解散となった。
5 第5次捕獲作戦(※ 第4次作戦改)-作戦終了-
(1)翌日、あまぐりを連れて現場に行ってみると、なんと指導センターの人が居て、麻酔を打てたとのこと。ただ、昨日の失敗を踏まえた結果、罠を併用せざるを得ず、足に傷を負っていた。まだ完全に眠ってはおらず、興奮させると薬の効きが悪いそうなので、早々に立ち去る。
あまぐりは、何だか分からないなりに大変怖がっていた。悪い事をしてしまった。
(2)帰宅後、おかめさんに報告を入れ、長く苦しい戦いは終わりを告げたのであった。
↓ついに保護された石岡犬、チャー

(by まん吉さん)


