12月3日、福島多頭飼育崩壊現場へ | CAPIN(キャピン)公式活動報告

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認定NPO法人「動物愛護を考える茨城県民ネットワーク CAPIN」
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今月も、小さなポンコツに毛布や薬をめいっぱい詰め込んで、福島の多頭飼育現場に行ってきました。


「ドッグランを塞いでちょうだい、犬が脱走して、戻ってこないんだ。5匹、殺されたかもしれない」

とおばあさんから電話を受けました。


ドッグランの修繕が急務だったために、今回はコンパネも運びました。


(後部座席のともちゃんとニコパパには苦労をかけました。

たわんで下がるコンパネに頭を押され、数時間、のけぞり状態で座っていなければならなかったおふたりでした。)


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わずかなことしかできず、でも行かないよりは行く方がいいだろうと

毎月通っている現場です。


悲しいことがありすぎて、心がつぶれそうになる現場です。


でも、ありがたいことに、いっしょに行ってくれる人がいます。




咬み犬だろうが、吠えられようが、問答無用で通っています。


つるっぱげだった犬にはふさふさと毛も生えてきました。


1年前よりは、ましになってきたはずです。




毎回、ゴミ入れのビニール袋(70l入り)を大量に購入して行きます。


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今回は新聞が詰めなかったので、ペットシーツを持って行きました。







9月に、栃木のマスターさんと大工さんで塞いだはずのドッグランの壁が、無残にも壊されています。


犬の頭突きが強いのでしょうか。


誰かが逃がしているのか。。。 


まさか!


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大工仕事を手伝ってくださったボクサー。

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取り急ぎの応急処置。


角材が足りない。バンセンがあれば。


ドッグランから逃げ出した犬だろうか、林のなかで、遠吠えが聞こえます。


完全に塞ぐことはできません。


「蝶番の板で入口をこしらえて、いったん中に入ったら、二度とでられなくする扉をつくろう!」


年内にまた来るしかなさそうです。

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皆様から頂いた支援物資の毛布を犬小屋にセットし、破れたガラス窓にもコンパネを打ち付けてもらいました。、

風が吹き込まないように。


このあたりはもうすぐ雪でまっしろになります。


厳しい冬はもうすぐそこです。





おばあさんの自宅に移動し、庭と家のなかに分かれて、清掃をしました。


缶集め、缶の穴開けとガス抜き、ゴミ集め、今回はクリーンセンターに往復する時間もなかったため、ゴミを庭の片隅にまとめただけ。


あっという間に時間が過ぎます。

片道3時間の往復では、やれることは限られてしまいます。


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コタツの下に敷物を敷いたり、



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犬の居場所にマットや毛布をセットしたり。


せっかく治った皮膚病(マラセチア・真菌)がぶりかえさないように。


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ここの家の犬たちに、12月のお薬を。






いつもの廊下・床掃除も行いました。


今回はあまり汚れていなかった、おばあさんが少しは片付けてくれていたのだと思います。


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以前のように、暗がりでネズミの死骸を掴むこともありませんでした。


おばあさんにも、きれいに保とうという気持ちができてきたのではないでしょうか。


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ともちゃんが、水替え。


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建付が悪くて、閉まらない窓。プチプチシートを貼って、少しでもすきま風をふせぎます。





玄関、廊下、台所の至る所に置かれていた(100以上あった)骨壺も、すっかり数が減っていました。


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それでも、まだまだ積んでありますが。



地震で倒れ、骨壺が割れてなかみが床に落ちていたままになっていた半年前。


それを拾って骨壺に戻したり、安定する場所に並べたりと、お手伝いをしてきましたが、


いよいよこの骨になったおばあさんのわんちゃんたちを、土に返す覚悟ができたのでしょうか。




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玄関先にあった容れ物のなかには、名前の書いた紙とともに、ビニール袋ごとに分かれた犬のお骨が入れられていました。


おばあさんから、骨壺のお骨をどこかに埋めるという計画を聞いたことがあります。

骨壺の数を減らそうとされているのでしょう。


1頭ずつ、おばあさんなりに、とても大切に思っていたのです。

若かった犬たちの写真が、部屋の数カ所に置いてあります。


「あの子はこうして保護された、この子はこんな性格だった、みんな可哀想に、捨てられていたんだ、放棄されてしまったんだ、私がみんな助けたの」



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この家の唯一の水場は、玄関の外です。水を使う度に、庭の土が泥となります。

これからの雪の季節はどうなるだろうか。

これまではどうしていたのか。



浸透圧を埋め込むのはどうだろうか。

(ボクサーは、土がだめだ、といいます。)

それでは当初の予定通りに、塩ビ管で下の排水口まで水を通さないといけないでしょう。




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ちゃこは、9月の幸四郎に続いて、11月の15日と28日に、レオも、まーちゃんも噛み殺してしまっていました。


9月には幸四郎の死を知って号泣しましたが、今回、大きな2体の骨壺をみつけて、もう泣く涙も出ませんでした。



飼育方法が不適切ですし、不妊手術をしないで増やしたことは問題があります。

犬同士が噛み殺しあうような環境に飼育することは虐待です。


しかし海外のように、行政が彼女からとりあげ、保護シェルターに入れて、譲渡をする仕組みが日本にない以上、どうすればよいのでしょう。

捨てた人を取り締まるために有効な個体識別方法(入れ墨やマイクロチップ)も日本にはないので、じっさいは産まれたら・病気になったら・老いたら・いらなくなったら捨て放題です。


助けるためには、個人の有志が動くしかない貧しい仕組みしかありません。


行政が、命を助ける仕組みへと、今少しずつ変わりつつあり、行政が譲渡を推進し避妊去勢を後押ししたりしているところもありますが、シェルターという保護施設を持たない限りは、やはり緊急事例への対応ができず、虐待されている犬猫は結局は行き場を失い処分するしかなくなります。


飼い主から犬猫を取り上げ、このような虐待環境から犬を保護することのできない日本の法制度を

このまま放置していていいものか、考える必要があります。



この国の行政施設で、不要な犬猫を処分することはとても簡単で経済的です。

箱に入れてボタンを押せば、終わりです。


反対に、それを命として生かすことは、なんと非効率で、不経済でしょうか。


でも、その非効率で、不経済なことをやっていくことでしか、命の重みとは向き合えないのです。




私は、国が保護シェルターを備える時期にきていると考えています。