男は鈍い、女は鋭い。


嘘はすぐにわかる。

怪しいことはすぐに気付く。

巧くごまかしたつもりでいるらしい男を、女は何も言わずに受け入れる。

証拠なんてものは必要ない、ただわかってしまう。


わかってるけど、引き留めないのは、信じたいから?

うそでしょ、って聞いたところで本当のことなんて話してくれるわけがない、だって後ろめたいのはあなた。

だったら、聞かずに笑顔でいる方がいい。

私は笑顔でいる方を選ぶ。


執着していないとか、そういうことじゃない。

誰よりもあなたに執着しているから、私はあなたを自由にさせる。

嘘ごとあなたを愛しているから。

募る、不安。


もう本当にあの子のことはいいの?

本当に私なの?


疑心暗鬼、私の悪い癖。

自分に自信がないだけなのに、あの人の移り気のせいにする。


それでも、信じたい。

届かないとわかっているけど、追いかけずにはいられない

欲しくて欲しくてたまらない


それに気付いたときには遅くって


あなたは去っていく


どこで間違ったのかわからない

けれど私は間違えたんだ

誰のせいでもない


ただ、私に覚悟も勇気もなかっただけ

あなたへの想いも、あの子には適わない?

……想い方が違うだけ



私の傍で眠るあなたの寝顔が好きだった

甘えて伸ばされる手が好きだった

二人にしかわからない暗号のような呼び名が好きだった


あなたが望むならなんでもした

あの子に嘘をつくことも


それがあなたを遠ざけるだけだと知っていたら、私は違う道を選んだだろうか

……きっとそれでも、私は同じ選択をしただろう



今度誰かを愛することがあったら

あなた以外を愛することができたら、

もう少し違う愛し方ができるだろうか

あの子のように、まっすぐに、強く

相手を慮んばかるあまりに、自分の気持ちを枉げることなく



愛している

愛している

愛している

私だけを見て

他の子を見ないで

……傍にいて


言わなかった後悔の苦さが

涙になって零れていく


最後の最後で言えた言葉

「私を選んで」


届かなくても、間に合わなくても

言えたことが私にとってのけじめになる


愛していました

私なりに、深く、深く、深く……



あなたを愛して良かったと

苦しいけど

今このさよならの時に

すでにそう思えることが

私の誇りです