前回のブログでは、ヒ素が体内に入ると、どのような影響が生じるか、ご紹介しました。

参考:https://ameblo.jp/cao-fscj-blog/entry-12362352468.html

 

 今回は、ヒジキやコメに含まれるヒ素を減らす方法などについてご紹介します。

 日本人は、ヒジキやコメを、伝統的食材として長年食べてきています。通常の摂取の範囲内では、ヒジキやコメに含まれるヒ素による健康への悪影響の報告はなく、心配することはないと考えられます。

 

 ヒジキは、食物繊維を含み、ミネラルに富んでいます。乾燥ヒジキでは、通常の調理方法の水戻し、ゆで戻し、ゆでこぼしなどの過程で、戻し水やゆで汁を捨てることで、無機ヒ素を5割~9割除去できることが報告されています。農林水産省の調査によると、水戻し、ゆで戻し、ゆでこぼしをしても、ヒジキに含まれる鉄分、カルシウム、食物繊維は7割以上残ります。乾燥ヒジキをそのまま煮炊きしたり、水戻して戻し水ごと調理する方法もあるようですが、ヒ素を低減するためには、乾燥ヒジキは水で戻し、戻し水は調理に使用しないことをおすすめします。

 

 コメは、玄米の外側のぬか(糠)に無機ヒ素が多く含まれています。そのため、白米への精米過程や、米をよくといだりしてぬかを落とすことで無機ヒ素の濃度を低くできます。一方で、ぬかには鉄分や食物繊維などの栄養成分が豊富に含まれます。つまり、玄米は白米と比べて栄養面で優れた食品と言えます。

 

 このように、調理方法により、食品中のヒ素を減らすことができます。また、ヒジキや玄米のぬかの部分には栄養素が含まれています。ヒジキやコメも含め、何より、特定の食品に偏ることのないバランスの良い食生活を心がけることが重要です。

 

(参考)

・食品安全委員会 Q&A詳細「ヒジキに含有されている無機ヒ素について」

http://www.fsc.go.jp/fsciis/questionAndAnswer/show/mob07009000005

・農林水産省「食品中のヒ素に関する情報」

http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_as/

・農林水産省「食品中のヒ素に関するQ&A」http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_as/qa.html

・より安全に食べるために家庭でできるヒジキの調理法 - 農林水産省

www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/gyokai/g_kenko/busitu/pdf/hijiki02.pdf