「ヒジキやコメは、無機ヒ素含有量が比較的多い食品と聞きましたが、食べ続けても大丈夫でしょうか?」とのご質問をお寄せいただくことがあります。今回は、2回にわたって、特に、食品中のヒ素についてご説明します。

 

 ヒ素は、自然環境中に広く存在する元素です。自然現象や産業活動に伴って土壌、河川、海水など、環境中に放出されます。このため様々な食品や飲料水には微量のヒ素が含まれています。

 ヒ素は、環境中では通常、他の元素と結合したヒ素化合物として存在し、炭素を含む化合物は有機ヒ素(化合物)、炭素を含まない化合物は無機ヒ素(化合物)と呼ばれます。

 有機ヒ素については、ヒトの体内に入った時にどのような影響を及ぼすかは、現在のところ分かっていません。一方、無機ヒ素が長期間にわたって、継続的かつ大量に体の中に入った場合には、皮膚組織の変化やがんの発生などの悪影響があると報告されています。海外機関(EFSA及びFDA)による評価では、一般に、有機ヒ素は無機ヒ素に比べて健康への悪影響は小さいとされています。

 食品安全委員会は、食品中のヒ素に関する食品影響評価(平成25年12月)において、

・日本において、食品を通じて摂取したヒ素による明らかな健康影響は認められておらず、現状に問題があるとは考えていない

・ただし、特定の食品に偏ることなく、バランスの良い食生活を心がけることが重要

としています。

 

次回は、ヒジキやコメに含まれるヒ素を減らす方法について、ご紹介いたします。

 

(参考)

・食品安全委員会 Q&A詳細「ヒジキに含有されている無機ヒ素について」

http://www.fsc.go.jp/fsciis/questionAndAnswer/show/mob07009000005

・農林水産省「食品中のヒ素に関する情報」

http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_as/

・農林水産省「食品中のヒ素に関するQ&A」

http://www.maff.go.jp/j/syouan/nouan/kome/k_as/qa.html

・より安全に食べるために家庭でできるヒジキの調理法 - 農林水産省

www.maff.go.jp/j/syouan/tikusui/gyokai/g_kenko/busitu/pdf/hijiki02.pdf