興奮して、泣ける。アジアンゾンビ映画の最高峰!
未知のウイルスで暴徒化した感染者だらけの高速鉄道を舞台に、乗客たちの生き残りをかけた戦いを描く韓国産パニック映画。ゾンビものでありながら丹念に描かれた人間ドラマに、最後は思わず涙。身勝手なファンドマネージャーのソグ(コン・ユ)と幼い娘スアン(キム・スアン)が、別居中の妻がいるプサンへ向かう列車に乗り込む日常パートが終わると、そこから物語はノンストップで展開する。余計な説明セリフは一切なく、テンポよく事態が悪化していくさまを見せるヨン・サンホ監督の手腕には脱帽だ。派手なメイクに頼らず、奇怪な動きと人間らしからぬ表情で生者に迫る感染者たちの“ゾンビぶり”もお見事。サバイバルを通して人を思いやる心を取り戻す主人公のソグから悪役の中年男性ヨンソク(キム・ウィソン)まで、個性的な乗客の描写も素晴らしい。本作にも影響を与えたコミックが原作の『アイアムアヒーロー』を超え、アジア系ゾンビ映画の最高峰に立つ一本。ちなみに一番のナイスガイは、身重の妻を守りながら感染者たちに素手で立ち向かうマッチョマン、サンファ(マ・ドンソク)です!(編集部・入倉功一)
映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』は9月1日より公開中
真実はどこに!? 心をかき乱す新たな是枝映画!
『三度目の殺人』
カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した『そして父になる』の福山雅治と是枝裕和監督が再びタッグを組んだ法廷サスペンス映画。福山が裁判は勝つことがすべてと考える弁護士の重盛に、是枝組初参加となる役所広司が死刑を確実視されている殺人犯の三隅にふんしている。ストーリーの肝となるのはコロコロと変わる三隅の供述。その言葉に導かれながら重盛は迷路を進んでいくのだが、三隅が語ることに惑わされるのは観客も同じ。どこに答えがあるのか、気づけば夢中になってスクリーンを見つめている。接見室で向き合う福山と役所の対決はもちろん強烈だが、斉藤由貴と広瀬すずが演じた親子も静かで暗い不気味さを放っており、そのほかの登場人物たちも観客から真実を隠しているようだ。この映画は新たな是枝映画であり、かつてないほど是枝監督が中心にいる映画。衝撃を受けることになるだろう。(編集部・海江田宗)
映画『三度目の殺人』は9月9日より公開

