香港精神! | 広東語っておもしろい!

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香港精神!


香港人がよく口にする言葉です。

「香港人魂」とでも訳しましょうか、なんか困難なことがあった時、この言葉で自分を相手を励まします。

では何が香港精神かというと、踏まれてもそこに生え続ける雑草のごとく、どんなことがあってもしぶとく生き抜いて行く、というのがそれです。

香港人のこういうところが、私は一番好きです。

返還があろうが、SARSが蔓延しようが、リーマンショックがあろうが、またどこからともなく這い上がってくる、それが香港人です。

不況だ、仕事がない、とか言って落ち込んでるヒマは香港人にはないのです。

金儲けのためにせっせと働らこ、ってとこでしょうか。

悪く言えば生きるためなら手段を選ばず、昨日の敵にもすり寄っていく、身を翻す、ということにもなるのですが。



たとえば、20年前、私が香港に来た時は、普通語(中国語の標準語)を話す人はあまりいませんでした。当時広東語があまり得意でない私が普通語を話すと、ロコツにイヤな顔をする人もいました。それに中国への返還が決まって、皆中国を恐れ移民ブームに沸いていました。絶対中国なんかうけいれるか、ってなカンジです。



ところが今、どうでしょう?

今や普通語を話せない香港人は年配の人くらいで、皆ほとんど話せます。

それどころか、普通語が話せないと就職にもひびきます。

香港の観光客の75%が中国大陸からとなった今、彼らを相手にしなければ生き残っていけません。かつては日本人観光客でにぎわった、カントンロードのブランド街やデューティーフリーショップも、すべて大陸人向けにシフトしています。この変わり身の早さ・・・すごいです。



そう、香港人は「好實際」(ホウサッジャイ)すごく現実的なのです。

むしろ「實際」でないことを非常に嫌うと言ったほうが適切かもしれません。

これもよく香港人が口にする言葉です。

上司が「唔實際」なことを要求したりすると、それに対する反発はすごいです。



あともうひとつ、香港精神をあらわす言葉として「合理」(ハップレイ)というのがあります。

日本語の合理と少々意味合いが異なり、「理にかなっている」という意味になるのですが

これも香港人がひじょーに気にする点です。

イギリス植民地だったこともあり、香港人は非常に法律を重んじ、義務と権利、筋が通っていることを重視します。なあなあで決めるとか、その場の雰囲気でというのがあまりなく、「合理」かどうかがポイントとなります。合理でないことを要求されたひにゃ、そりゃー大変な騒ぎになります。とことん追求します。相手に非を認めさせるまで引きません。その代わり自分のしたことが「唔合理」となれば素直に認めます。



香港人部下を持つ日本人マネージャーがよく突かれるポイントです。

この2文字をおぼえておくと香港人マネージメントはうまくいくと思います。



今日はちょっと堅苦しくなりましたので・・・このへんで・・・