姑獲鳥の夏 | KOHI図鑑

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こんにちは、
KOHI図鑑支店の古比塚です。

今日は「本」のご紹介になります。
例の分厚い本を読みたいシリーズでしが今回、中古本屋さんに上下タイプしかなかったのでこれで我慢。(このサイズの方が読みやすいかなてへぺろ


姑獲鳥の夏
うぶめのなつ

京極夏彦
きょうごくなつひこ


「二十箇月もの間子供を身籠もっていることができると思うかい?」昭和二十七年の夏、三文文士の関口巽は東京は雑司ヶ谷にある久遠寺医院の娘にまつわる奇怪な噂を耳にする。しかも、密室から煙のように消えたと言うその夫・牧朗は関口の旧制高校時代の一年先輩だった。


下半身をたぶん血で真っ赤に染めた半裸の女が、これまた血に染まったらしい赤子を抱いている絵があった。
周りは荒野である。
激しく雨が降り注いでいる。
女は片手を額に当てて、もう片方の手でそれ程大事そうにでもなく赤ん坊を抱えている。
これからこちらに渡そうとでもしているようである。
女の表情は暗い。
しかし辛い、悲しい、恨めしいといったものでもない。
困った、という顔付きである。
恨めしい顔付きだったら、相当に怖い。しかし困っているようなので怖いというより、

忌まわしかった。

京極堂でふと目にした座卓の上に開かれている本に視線を止めた関口は思う。

そしてそこから、ある意味で自分を知る苦しみに巻き込まれて行く。


「私を    たすけてください」古本屋京極堂にして陰陽師の中禅寺秋彦が刑事の木場、探偵である榎木津を前にして解き明かす久遠寺家の「血」。呪われた真相は卑劣漢・内藤を恐怖のどん底へと叩き込み、文士・関口の自我を根底から揺るがす。そして京極堂はいう。「この世には不思議なことなど何もないのだよ」

「さあ。渡してください」

「かあさん」

姑獲鳥はうぶめになった。

悲しく、切なく、それでいて救われたような

日常と非日常の狭間を生きる人々



やはり京極夏彦氏の文は読みやすいですね。
登場人物と気持ちがリンクしやすいです。

このシリーズはどれをどの順で読んでも楽しく読めますのでおススメです。


今日も最後までありがとうございました😊