18歳で親元を離れて以来、毎年必ず帰省してきました。

学生のときは、体力にものを言わせて、少しでも安いルートで。

社会人になってからはちょっと贅沢をして、寝台車や新幹線で。

所帯持ちになってからは主に車で。

ハンドルを握るのは、ほとんどが夫。

もちろん私も免許は持っており、夫ひとりに任せるつもりはありません。

しかし!私が運転するとよけい疲れるらしい。残念!

おっと、話が逸れました。

関東を離れることになったときは

実家を2軒とも回るのはきついなと、正直そう思いましたが

約2100kmを走り抜いて、やはり続いています(ハンドルを握るのは…以下同文)。

娘が小さかったときは、チャイルドシートにくくりつけ

あるいはジュニアシートに固定し。

家族揃ってがかなわないときは、娘だけを連れて飛行機で。

そして、時には一人で。

必ずしも楽しい帰省ばかりではなく

看病やお見舞いやお別れのため、というときもありました。

それでも毎年続いたのは、私の心がけが良いから

・・・ではない!

帰る故郷があり、待っていてくれる人がいるからであり

一緒に帰ってくれる人がいるからです。

夫は、帰省を年間スケジュールの固定イベントとして、絶対に省略しません。

仕事で都合がつかないときは時期をずらして、あるいは私に「行っておいで」と。

全面的協力のおかげで私は

使命を帯びて、という大義名分のもと意気揚々と帰省するのです。


諸々の条件が揃ってこそ続いている、この大イベント

今回も無事終了しました。

帰った私たちを待ち受けているのは、ビンボー生活。

心は暖かなれど懐は寒く、ただし物資はたっぷり。

大根やらネギやら白菜やらの野菜を中心として

コンニャク、醤油、ポン酢、ハンカチ、石けん、はては郵貯のラップまで。

うちの近所でも買えるような物ですが、そこは海より深い親心

全部素直に受け取るのが賢明というものであります。

全力で持ち帰った物資を、やりくりして凌ぐこのビンボー生活が

自慢です。

illustrated by AkihisaSawada