22日の記事を少し書き直しました。

頂いたコメントも一緒にお引越ししてきました。

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余りの出る割り算なんて、小学校低学年の算数。

小数点をまだ知らない子どもたちの幼稚な算数。


いえいえ、そうとは言い切れません。

余りの世界もなかなか奥が深いものです。

ちょっと遊んでみたいと思います。

紙とえんぴつでカリカリやっても、めんどうだったら電卓をたたいても

しばしお付き合いいただければ幸いです。

小学生のいるご家庭の皆様

もしかしたらご家族でもり上がる…かもしれません。


57回かけて、21 で割った余りを求めます。
  5×5×5×5×5×5×578,125
  78125 ÷ 2137205最初の数5 と同じ!

67回かけて、21 で割った余り
  6×6×6×6×6×6×6279,936
  279936 ÷ 2113,3306 ← 最初の数6 と同じ!

もっと大きな数、たとえば19 で試しても同じです。

197回かけて、21 で割った余り
  19×19×19×19×19×19×19893,871,739 
  893,871,739 ÷ 2142,565,32019 ← 最初の数19 と同じ!

それ以外の数で試しても同じです。

テキトーな数を選んで 7 回かけて 21 で割った余りその数と同じになります。

ただし、選ぶのは 21 より小さくなければいけません。

そして 0 よりは大きく、小数点のつかない、いわゆる 自然数で。

まだ試していないのは

1, 2, 3, 4, 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18, 20

信じていただけないかもしれませんが、どれを選んでも

7 回かけて 21 で割った余りは、もとの数と同じです。


この、721 のような数の組合せは、ほかにもたくさんあります。

っつうか無限にあります。

ただし、組み合わせ方にルールがあります。


1 素数をふたつ(テキトーに)選びます。
素数とは、1 とその数でしか割りきれない数です。

たとえば 313 でしか割りきれないので、素数です。
また 717 でしか割りきれないので、素数です。

2 ふたつの素数をかけます。
たとえば 3 × 721

3 ふたつの素数から 1 を引きます。 たとえば

312
716

4 引き算したふたつの数の最小公倍数を求めます。たとえば

26最小公倍数6 です。

2 でも割りきれて 6 でも割りきれる、いちばん小さい数は 6 ですから。

5 最小公倍数1 を足して

617

これで完成です。


最初に出てきた 217

実はこのようにして組合せを決めたのでした。


1 で選ぶ素数を変えても、この性質は変わりません。

311 とか。 ( → 3311 )

717 とか。 ( → 11949 )

1931 とか。 ( → 58991) どうやって試すんだしょぼん


とにかく、素数がふたつあれば 217 のような組合せができます。

素数は無限にありますから、組合せも無限です。

可能性は無限大!

ちがうか。


必ずそうなるということも、きちんと証明されているそうです。

証明するのは、とっても難しいらしいので、パス。

スーパーコンピュータを長時間動しっぱなしで証明したとか。

スーパーコンピュータといっても、証明された当時のものですから

今のパソコンのほうが性能をうわまわっている、とも。

でも、パソコンがあっても証明する術を知らないし。

だから、不思議だなあと感動するだけ。


この性質を利用して、暗号を作る方法もあります。

簡単に作れて、しかも解読されにくい暗号です。


深いぞ余りの世界。あなどるべからず。

illustrated by AkihisaSawada