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1964年8月26日、福岡県の生まれ。
広島大学文学部哲学科卒業。
1994年、『ZERO』で第4回ジャンプ小説・ノン
フィクション大賞。
2016年、『ババ抜き』で第69回日本推理作家協
会賞を短編部門で受賞。

「ボク」は公園で全財産の入ったナップザックを盗まれ、
ホームレスになった。
よく行く神社で慌てて落としてしまった牡丹餅を拾おう
としたとき、
「やめなよ、お腹こわすよ」といって小学五年生の槌谷
麻由という女の子が弁当とお菓子をくれた。
食事やお菓子をくれる関係はその後も続いた。
ある日、麻由はボクにカッターナイフを渡し、矢沢美奈
という嫌いな女の子の自転車のタイヤを切り裂くように
命じた。
つぎはサオリというクラスメートの家の花壇に大量の塩
を撒くことだった。
三人目は自動車に十円玉で思い切り傷をつけさせられた。
麻由の下僕として使役されることを嫌がる気持ちはなく
むしろいつまで下僕でいられるかが不安だった。
麻由は廃屋を探してきてボクを住まわせた。
最後の食事だからと言って苦い味のするスパゲティを食
べさせ、吐いた直後のボクに灯油をかけて火をつけよう
としたので、麻由の首を絞めて殺し火をつけて家ごと燃
やした。
ボクは母の昔の友人の家に逃げ込んだ。
ボクは実は柿原知実という三十六歳の女性で、自分のこ
とを死産した息子のタツヤと思い込んでいた。
柿原知実の友人の女性は病院で調理師のパートで働いて
いて、焼け死んだ麻由こと金井美希子の母もまた同じ病
院で夜勤専門のナースとして働いていた。
一年前、柿原知実は今匿ってくれている女性の子供を殺
して遺棄し、指名手配されていた……。
広島大学文学部哲学科卒業。
1994年、『ZERO』で第4回ジャンプ小説・ノン
フィクション大賞。
2016年、『ババ抜き』で第69回日本推理作家協
会賞を短編部門で受賞。

「ボク」は公園で全財産の入ったナップザックを盗まれ、
ホームレスになった。
よく行く神社で慌てて落としてしまった牡丹餅を拾おう
としたとき、
「やめなよ、お腹こわすよ」といって小学五年生の槌谷
麻由という女の子が弁当とお菓子をくれた。
食事やお菓子をくれる関係はその後も続いた。
ある日、麻由はボクにカッターナイフを渡し、矢沢美奈
という嫌いな女の子の自転車のタイヤを切り裂くように
命じた。
つぎはサオリというクラスメートの家の花壇に大量の塩
を撒くことだった。
三人目は自動車に十円玉で思い切り傷をつけさせられた。
麻由の下僕として使役されることを嫌がる気持ちはなく
むしろいつまで下僕でいられるかが不安だった。
麻由は廃屋を探してきてボクを住まわせた。
最後の食事だからと言って苦い味のするスパゲティを食
べさせ、吐いた直後のボクに灯油をかけて火をつけよう
としたので、麻由の首を絞めて殺し火をつけて家ごと燃
やした。
ボクは母の昔の友人の家に逃げ込んだ。
ボクは実は柿原知実という三十六歳の女性で、自分のこ
とを死産した息子のタツヤと思い込んでいた。
柿原知実の友人の女性は病院で調理師のパートで働いて
いて、焼け死んだ麻由こと金井美希子の母もまた同じ病
院で夜勤専門のナースとして働いていた。
一年前、柿原知実は今匿ってくれている女性の子供を殺
して遺棄し、指名手配されていた……。
1968年、千葉県の生まれ。
法政大学文学部英文学科卒業。
2006年、『裏へ走り蹴り込め』で第86回オール読物新人賞。
2008年、『ROCKER』で第3回ポプラ社小説大賞新人賞。
2019年、『ひと』で第16回本屋大賞の第2位。
2022年、同作で第3回宮崎本大賞。

柏木聖輔は高二のときに車の事故で父を亡くした。
保険金で法政大学に行かせてもらったが、二十歳のときに
母が突然死した。
大学は中退し、趣味のバンドも辞めてしばらくは何も手に
つかず残金五十五円で砂町銀座商店街をフラフラと歩いて
いたとき、百二十円のメンチカツを五十円に負けてもらっ
たことがきっかけで「おかずの田野倉」で働けることにな
った。
鳥取で高校生だったときに同級生だった井崎青葉がテレビ
で紹介された砂町銀座商店街に、慶応三年の元カレと二人
でやってきて偶然聖輔都再会した。
青葉とはその後ときどき会うことになる。
大学でバンドを組んでいたときのギター担当の剣が、講義
とバイトの間が長いので昼間は仕事の聖輔が留守の間、寝
かせてくれというので快く了承した。
聖輔が風邪をひいて仕事を早く切り上げて帰宅すると、剣
が女子大生を連れ込んでいた。
母が亡くなったときに葬儀や遺品整理など一切を仕切って
やってくれた従叔父(いとこおじ)の基志がアパートと職
場に金をせびりにやってきた。
もう鳥取には帰らずに聖輔の部屋に居座りそうだったので
十万円渡して帰ってもらった。
おかずの田野倉で働き始めて八カ月たったとき、子供のい
ない店主は聖輔に店の跡継ぎにならないかと言い出した…。
法政大学文学部英文学科卒業。
2006年、『裏へ走り蹴り込め』で第86回オール読物新人賞。
2008年、『ROCKER』で第3回ポプラ社小説大賞新人賞。
2019年、『ひと』で第16回本屋大賞の第2位。
2022年、同作で第3回宮崎本大賞。

柏木聖輔は高二のときに車の事故で父を亡くした。
保険金で法政大学に行かせてもらったが、二十歳のときに
母が突然死した。
大学は中退し、趣味のバンドも辞めてしばらくは何も手に
つかず残金五十五円で砂町銀座商店街をフラフラと歩いて
いたとき、百二十円のメンチカツを五十円に負けてもらっ
たことがきっかけで「おかずの田野倉」で働けることにな
った。
鳥取で高校生だったときに同級生だった井崎青葉がテレビ
で紹介された砂町銀座商店街に、慶応三年の元カレと二人
でやってきて偶然聖輔都再会した。
青葉とはその後ときどき会うことになる。
大学でバンドを組んでいたときのギター担当の剣が、講義
とバイトの間が長いので昼間は仕事の聖輔が留守の間、寝
かせてくれというので快く了承した。
聖輔が風邪をひいて仕事を早く切り上げて帰宅すると、剣
が女子大生を連れ込んでいた。
母が亡くなったときに葬儀や遺品整理など一切を仕切って
やってくれた従叔父(いとこおじ)の基志がアパートと職
場に金をせびりにやってきた。
もう鳥取には帰らずに聖輔の部屋に居座りそうだったので
十万円渡して帰ってもらった。
おかずの田野倉で働き始めて八カ月たったとき、子供のい
ない店主は聖輔に店の跡継ぎにならないかと言い出した…。




