西村三郎著「毛皮と人間の歴史」文中で、二ホンオオカミと某大財閥との関わりを見つけていましたので、O氏の文言の信憑性を疑う事は無かったのですが、顧問弁護士事務所に呼ばれ、「アメリカでの展示に毛皮の鑑定書が必要だ」と言い出して来たので、私は大変困りました。
ニホンオオカミの権威今泉吉典博士亡き後、「外部形態での識別」を論文で記す必要性を感じ、三峰博物館に吉行瑞子博士と小原巌先生をお招きした事があります。
今泉博士直系の先生方で、頭骨を含めた論文作成にも数多く携わっているのですが、識別での論文作成には至りませんでした。
両先生を以ってして、「どんな動物だか判らない」と言わしめている動物が二ホンオオカミなのです。
【Canis hodophilax】 の学名を付けたテミンクを始め、昭和初期の日本の研究者も含め、多くのボタンの掛け違いが有り、混乱が混乱を呼び、勉強すればする程謎が深まる動物の毛皮と思われる物に、鑑定書を求められたのです。
当然断り続けた私ですが、それが無ければスミソニアン博での展示は不可能との言い分でしたので、所見でどうですか?と譲りましたら、渋々でしたが了解してくれましたので、「書面は展示の為だけに使う」、尚且つ「毛皮標本はどんな事が有っても市場には出さない!」と、二つの約束を得た上で、フンボルト大学の標本に似ている旨の書面を渡したのです。
皆さんがご推察する通りアメリカでの展示話は遅々として進まず、あれこれ多忙な日々を過ごして居ますと、女性名で毛皮を持っているから見て欲しい旨のコンタクトがありました。
謂れ等にウサン臭いものを感じましたので、適当にあしらっていましたら、NHKの「見狼記」の撮影が始まり、番組中で標本を扱っている画面が欲しいとの事でしたので、上記の女性に連絡をしまして、三峰博物館まで毛皮を持参願いました。

K氏が三峰博に持参した毛皮・見狼記には使わなかった
(2012年1月23日付け当ブログ、二ホンオオカミ概論としての見狼記、及びそのコメントを参照下さい)
その際何故か女性は表には出ず、同行のK氏が全ての対応をしたのですが、後日K氏も私にその毛皮の鑑定書を求めて来たのです。
勿論私は断りましたが、暫らくするとYahooのオークションに、二ホンオオカミの標本(と称する)が出始めて、それはほぼ等間隔で2年間以上続きました。

某大財閥分家蔵出しと思われる毛皮-1

某大財閥分家蔵出しと思われる毛皮-2

某大財閥分家蔵出しと思われる毛皮-3

某大財閥分家蔵出しと思われる毛皮-4・現在八木所有

某大財閥分家蔵出しと思われる頭骨・子供のクマである

上の標本と同じ物で下に有るのは1円硬貨・
こんなのまでオオカミとしてオークションに出した

1円硬貨と比較すると大きさが判る
拡大写真でオオカミとしてオークションに出した
のべつ幕無しとは言いませんが、真贋の問い合わせが多かったので面倒になり、HP上に作成したのが【オークションに出た二ホンオオカミ】です。
出品者はK-1氏、K-2氏の2名だったのですが、どうも同一の人物に感じられ、私は上記のK氏が出品者では無いかと考えました。
オークションに私が参加すると、どうしても値段が吊り上がりますので、友人に落札して貰い毛皮を1点入手しましたが、予想通りK氏が出品者でした。
k氏の後に大財閥蔵出しで標本を所有したO氏が居るのでは・・・との想像が膨らみ、K氏O氏にそれとなく聞いたのですが肯定する筈も無く、画廊経営者の大久保さんに経緯を話してK氏の電話番号を確認すると、予想通り両氏は骨董仲間で、大元の出品者はO氏で有る事が判ったのです。
某大財閥の分家の蔵出しで得た標本は相当の数になったと感じたのは後の事ですし、三峰博の標本を併せて本当にスミソニアン博で展示をしようと考えていたのかどうか、確認出来ないのですが、暫らくすると、「私の所見付きの毛皮を買わないか」と言われているが、その毛皮は間違いなく二ホンオオカミなのか?・・・全く知らない女性からそんな電話が入ったのです。
幸いにも私への実害は無く、私に問い合わせた女性にも、他の誰にも害を及ぼす事にならなかったと思います。
「うまい話には裏がある」の例え通り、おいしい話は他人には回しませんから、皆さんくれぐれもご用心を!
詳細はもっと複雑ですが、皆さんに少しでも役立てればと思いまして、恥を忍んで掲載した次第です。
私に度々真贋を問うて毛皮を4~5点落札した東京の大塚さんとは人間関係が築かれましたので、「オオカミは居た。ヤマイヌも。」理論を導き出せた暁には、私の所有する毛皮と併せて、三峰博で展示でもしようと考えています。
タイトルは「某大財閥分家所有のオオカミ」展か、「オークションに出た二ホンオオカミ」展・・・でしょうか。