我家の食膳に必ず並ぶ津軽塗の箸。 私と妻のお揃いで、もう30年以上使い続けている箸です。 この箸は弘前市内のニホンオオカミ標本所有者「中畑家」から戴いたもので、食事の 度にその時の様子が蘇って来るのです。津軽塗の箸
中畑家の頭骨標本 さて、日本国内外に散在しているニホンオオカミの標本は、現在100例前後と言われ ていますが、正確な数を知るものは誰も居ません。 新しく見つかった標本も有りますし、史上に示された標本でも行方が知れない標本も 多いのです。 国内外の標本を手に取って来た私ですが、そうした中、印象的な標本も数多くありま す。 例えば、福島県内のある山村の話です。 標本の存在を家人は知っていたのですが、その家としては価値が認められず、或る豪 雪の日、納屋に火を点け燃やした際その中に標本が在った。 とか、神奈川県の某市で展示していた際いつの間に行方不明となり、その為同市の文 化財指定を解除した・・・。 私の調査で一番ショックだった経験です。 2003年に神奈川県立生命の星・地球博物館学芸員の中村一恵氏が、「ニホンオオカミ の頭骨記録」として論文を発表していますが、76例の掲載に過ぎません。
ニホンオオカミの頭骨記録-1
ニホンオオカミの頭骨記録-2 76例の殆ど全ては過去に於いて論文で発表された標本で、主たる引用は斎藤弘吉氏 の「日本の犬と狼」15例、直良信夫氏の「日本産狼の研究」 38例が顕著です。 私が直接教わった研究者でも、国立科学博物館科学教育室長の小原巌氏が2004年 に「ニホンオオカミの分類と変異」として、中村氏同様の論文発表をしています。 そして「ニホンオオカミの頭骨記録」上でも11例の小原氏調査の標本が引用されてい ます。 最近神奈川県清川村で遺伝子的な解析の下、「ニホンオオカミで村起こし」的な盛り 上がり方をしていますが、実は35年前の1,990年に「神奈川県厚木市及び愛甲郡清川 村の民家に保存されているニホンオオカミの頭骨」として、小原巌氏が論文発表をし ています。 私も30数年前、泊りがけで清川村の標本を手に取っています。 何を今更とも思うのですが、村の関係者は小原巌氏の論文の存在を知らなかったので しょうか。
日本の犬と狼
日本産狼の研究
ニホンオオカミの分類と変異
清川村の頭骨標本 昔の書籍では、個人情報的な事はやかましくなく、頭骨所有者の住所氏名が記載され ていました。 NTTの案内に電話し、頭骨所有者の電話番号を聴き、了解を得た後標本調査を行った のですが、 青森県内に在るとされた2件の所有者「中畑家」「古山家」にも、同様の方法で連絡 をしました。 しかし、電話口の相手とは通話不可能だったのです。 弘前市内の「中畑家」は左程の件数でもなく、1件1件電話をして所有者に辿ろうと したのですが、すぐ私の考えが甘すぎる事に気付きました。 1~2件電話したのですが、津軽弁と越後弁(私は新潟県出)ではまともな話が出来な く、要領が得られなかったのです。 そんな訳で連絡の方法を色々考えました。 そして無い頭を絞った結果、弘前市の教育委員会に手紙を出すことを思いつき、その 様にしたのです。 手紙を出して半年が過ぎ、すっかり忘れていた頃、思いがけず…まさしく思いがけ ず、返事が来たのです。 市役所近くの本屋さんに時々寄る教育委員会の担当者が、その家が「中畑」姓だった 事を思いつき、主に標本の事を聞いてみると…ピンポーンだったのです。 この標本はニホンオオカミ研究の魁「斎藤弘吉」氏が、国内最初の標本として昭和の 始め見出したもので、70年の時空を経て再発見した私としては、 天にも昇る気持ちで弘前市役所に向かったのです。 大した土産持参で伺った訳でもないのに、帰りに「津軽塗の箸」を渡された私として は、一生物として使っている次第です。
中畑家の御主人
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1-3 八木さま こんにちは。
はい、撮影された動画は承知しております。
父と私がその夜に聞いた遠吠えは、非常に似ており、おそらく同一のものと思われます。
今回の旅行中、私はニホンオオカミと思われる動物と2回遭遇した可能性があります。
1回目の遭遇は、父と夜間ドライブ中に聞いた遠吠えです。
鹿逃げる、咆哮?
最初に遠吠えを聞いたのは、ニホンアナグマを観察するために停車したときでした。
この動物を観察するために車から頭を出したとき、録音されているものと非常によく似た、滑らかでかすかな、しかし確かに存在する遠吠えが聞こえました。
私は父に伝え、私たちは耳を澄ませました。
案の定、また遠吠えがしました。
私たちはとても興奮しましたが、さらに道を進みました。
咆哮を聴いた周辺の地図
まもなくxx林道に入り、野生動物を探し続けました。
一瞬ニホンモモンガを見かけましたが、すぐに姿を消してしまいました。
その後、父が木の上にムササビを見つけました。
観察していると、父が再び遠吠えが聞こえたと言いました。
私が窓から身を乗り出すと、確かに再び遠吠えが聞こえました。
すぐに携帯電話を取り出して録音しようとしましたが、もう手遅れでした。
それが、私たちがその謎の遠吠えを聞いた最後でした。
遠吠えを聞いたときに録音した2分間の音声がありますが、残念ながら遠吠えは入っていません。
翌日、私たちは車が通れない場所からxx林道をさらに下って歩いていました。
林道の車止め
小道を歩いていると、美しい雌鹿を見かけました。
彼女は一頭だけでした。
彼女は私たちを見ると、ぴたりと動きを止め、それから歩き始めました。
警戒音を発し、数メートル先へ走り去りました。
すると、面白いことが起こりました。
彼女は私たちの真上、そびえ立つ険しい岩山の斜面をじっと見つめていました。
彼女はそれをじっと見つめていましたが、その時、上の方で物音が聞こえました。
何かが動いていましたが、私には見えませんでした。
それから、彼女はまだ斜面を見上げたまま、警戒音を発し、斜面をずっと下っていきました。
険しい岩山の斜面
今度は、警戒音は私たちに向けられたものではありませんでした。
斜面から私たちを見下ろしている何かに向けられたものでした。
私は不思議に思いました。
あんな風に成獣の鹿を怖がらせる生き物がいるのだろうか?私は捕食動物を思い浮かべました。
3月中旬にこの山に生息する捕食動物は、ニホンオオカミ以外には考えられません。
林道上に残された動物の下顎骨
林道上の廃屋
もちろん、これはすべて推測に基づくものであり、結論を出すつもりはありません。
単に何が起こったのかについて、可能性のある仮説を立てているだけです。
しかし、確かにそこに何らかの生物がいたのは間違いありません。
何かが動く音が聞こえ、時折岩が落ちてくる音もしました。
激しい崩落の跡
私たちはニホンオオカミの存在を示す確たる証拠を得ることなくその場を去りましたが、奥秩父の原生林には今もなおオオカミが生き残っていると確信しています。
遠吠え、鹿の警戒心、広大な原生林、そしてこの森を探索中に感じた存在感は、これらの動物が今もなおそこに生息していると私に確信させてくれました。
肉食動物が残した毛糞
八木さんの調査と発見がなければ、私はこの場所を探索しようとは思いもしなかったでしょう。
心から感謝申し上げます。
いつかニホンオオカミが再び発見されることを願うばかりです。
それまでは、私たちは探し続け、彼らは繁栄し続けて欲しいと心から思います。
3月中旬、こんな連絡を戴きました。
軽い気持ちで応対していたら・・・まさか・まさか・の形になって来たのです。
1-1 -八木 様
こんにちは、初めてメールを書かせていただきます。
僕の名前は山田太郎と申します。
僕は昔から野生動物に強い関心があり、3年前から八木さんのニホンオオカミの研究を拝見しています。
18日から20日までの数日、父と二人で奥秩父へ旅行に行き、ニホンオオカミについてもっと学び、実際にオオカミを探したいと思っています。
夜間のドライブや探索について、どの場所に行ったら良いか、どの様な探検をしたら良いかなど、何かアドバイスやご提案があればお聞かせいただけないでしょうか。
お忙しいとは思いますがどうぞ宜しくお願い申し上げます。敬具 山田
Wanted canis hodopilax
2-1-山田 さま
ニホンオオカミ探索で奥秩父へ・・・との事ですが、先ずは色々の処へ足を運んで経験を積む事をお勧めします。
奥秩父へドライブし、周辺の地形を知るだけでも、何故奥秩父にオオカミが・・・と感じられると思います。
ニホンオオカミを御眷属とする神社だけでも20社以上ある訳で、そうした神社巡りをする事も大切な事と私は感じます。
また、国道299号線を走って群馬県上野村まで足を伸ばし、それから長野県境十石峠を抜け、小海線沿いから川上村の三国峠まで行くだけでも、何かを得られるかもしれません。
長野県境十石峠
埼玉県最深部三国峠
余り急かさず、のんびり旅行を楽しむ・・・そんな心持ちの中、素晴らしい発見を得られる・・・そんな気がします。
先ずは、安全第一で。
1-2-八木 様
大変お世話になっております。
太郎の父親でございます。
息子は多忙のため、私が代わりにご連絡させていただきます。
本日、3/18に息子と初めて奥秩父、三峰神社へ行って参りました。
三峰神社拝殿
大変歴史ある信仰の場所で肌でスピリチュアルな空気感を感じて参りました。
暗くなってから、ムササビ、モモンガ、アナグマ、鹿に遭遇し、息子は撮影に夢中でした。
ムササビ
アナグマ
20時30分頃にムササビを撮影中に2~3回ほど動物の遠吠えを聴きました。
犬でもなく、高音域の遠吠えであまり聴いたことのないサウンドでした。
場所は、三峰神社から車で走ること20分のあたりで、ひと山向かい側あたりから聴こえてくるような距離でした。
録音を試みましたが、録音中は残念ながら遠吠えを聴くことは叶いませんでした。
周りは落石が頻繁に起きている箇所で、あまり安全なところではありませんでしたが、大変貴重な時間を過ごすことが出来ました。
落石箇所
息子は、「野生動物保護研究」を主に目指しており、今後、他国の高校及び大学へ進学をして学びの場を得る予定です。
またご連絡させていただくこともございますが、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
山田太郎 父:山田一郎
2-2-山田 さま
動物の咆哮を聴かれた・・とか。
大変興味深いお話です。
場所は神社から車で20分位/落石が頻繁に起きている箇所/との事ですが、大体想像できる箇所です。
実は2018年10月、山中に設置したトレイルカメラ中に3頭の雄鹿が逃げて、その後方からオオカミの咆哮が聴こえて来た・・・
そんな映像を入手した事があります。
鹿逃げる、咆哮?
https://eu42x7.wixsite.com/wantedcanis 上に掲載して有ります。
活動の記録・動画のコーナーで、パスワード「#$%&”!ABC」が必要となります。
フジテレビ「世界の何だコレ?ミステリー」中の画面です。
記憶の新しい内に動画の咆哮と比べて見る事をお勧めします。
宜しくお願い致します。 2020.03.20.八木
























