6月29日(土)TV朝日系列で放送された「博士ちゃん」ご覧になりましたでしょうか。

放送直後から当ブログへのアクセス数が跳ね上がり、当日は4.000件を数えました。

そして、その後も通常の範囲を超える毎日が続き、TV放送の恐ろしさを思い知った次第です。

ただ、「博士ちゃん」はあくまでバラエティ番組のため、その辺の事を割り引いて考えないと…って感じです。

 

博士ちゃん/幻の二ホンオオカミSP

 

それはそれとして、放送に前後して私の下に「ニホンオオカミ」関連の情報が幾つか届いていますので、お知らせしたいと思います。

その1ですが、

【私は広島市に居住するWと申します。

以下は、昨年の10月に四国ツーリングに行った際のFacebookの記事です。

過日、四国ツーリングで立ち寄った、“海洋堂かっぱ館“にて、カッパとは関係のない剥製と対面しました。

 

高知県の山間に在る「海洋堂かっぱ館」

 

館内の「かっぱ亭」の「カッパカレー」

 

“あらっ、ニホンオオカミじゃん!“

と何の疑いもなく、直感的にそう思いましたが、その標本には何の説明書きもありません。

 

写真撮影可であったため、撮影して帰り際に、そこの従業員さんにスマホの画面を示して訊ねてみました。

その方曰く「ニホンオオカミかな? いえ、実はわからないんですよ・・・」

聞けば、“古民家を買い取った際に、家屋内のものも全て引き取るという条件で引き取った中にこれがあり、どういう経緯でここにあったか誰も知らないんです“

とのことでした。

 

届いた写真-1

 

姿形は私が知るニホンオオカミに似ています。

それではと帰宅してから、今ならではのネット検索にかけてみましたが出てきません。

私の持っているニホンオオカミ関連本を読み返してみましたが、結果は同じでした。

ただかつての高知県には大型のオオカミが居たとの記述は見つけましたが・・・。

まぁ、ニホンオオカミのレプリカというのが本当のところなんでしょうねぇ・・・。

 

昔、かっぱ館近くで獲れたオオカミの頭骨

 

彼の義眼を見ながら

“君はなんでここをおるん?““君はいったい誰なんね⁈“

と問いかけましたが、“黙して語らず“未だ答えは見つかっていません。

どなたかご存知ではないですか?】というものです。

 

これに対し、【2枚の写真だけで正確に判断することは無理筋です。

この写真だけでしたら、一番可能性が高い動物は「キツネ」だと思います。

耳の後ろが黒くない…等でキツネと考えるにも???ですが。】と答えた私ですが、キツネ以外の動物は見当たりませんね。

 

届いた写真-2

 

その2になります。

石川県金沢市にお住いのM氏からの情報です。

M氏は私と同年代の方で、子供の頃(オオカミと思われる)遠吠えを幾度も聴いているとかで、その生存に関心をお持ちです。

そして、コロナ騒ぎの前になりますから5~6年前、そして8∼9年前の2度、(オオカミかも知れない)姿を見たと言うのです。

1回目は春―4~5月頃―16:00~17:00に写真の土手で。

2回目は秋―10月頃―の早朝3:00~4:00に1回目の近くで。

 

遭遇場所

 

その周辺の風景-1

 

その周辺の風景-2

 

口に鴨を咥え、草むらから現れたそうです。

じっとコチラを睨み、去って行きました。

お互いのアイコンタクト時間は数分。…と云う事です。

 

遭遇場所周辺地図

 

ただ、地図上には県庁他が存在し、言わば金沢市のど真ん中。

哺乳動物―それもオオカミーが棲息するとしたら如何なものか…送られて来た写真を見てそんな疑問が湧いてきました。

遭遇場所周辺に詳しい方…同様の動物を見た事が有る方、ご連絡を頂けたらと思う次第です。

 

 

ニホンオオカミと関わって50数年。

そうした中多くのメディアからお呼びが有って、それに伴い、ご覧になった多くの皆さんから情報が寄せられる事になります。

今般ですと科学博物館のM831剥製標本が注目を浴び、私のところにも少なからず連絡が来ています。

 

今回は標本そのものよりも、小森日菜子さんを中心に動いている感じです。

6月某日、拙宅にも日菜子さんがお出でになり、限られた時間でしたが濃密なオオカミ談義を行えました。

お話をしている時、とても中学2年とは思われない内容の理論構築が為されていて、65年前の拙い自分を思い出し、赤面の至りでした。

このまま順調に歳を重ね、今までの通説を打ち破り、ニホンオオカミに関しては日菜子さん無しでは…そんな時が来るのでは…と感じた一日でした。

 

M831標本と小森さん

 

今項のNo3記述をしている最中、フト、10年前掲載した記事を思い出していました。

2014/12/5の「TV東京・アンサー」ですが、こんな記事で始まっています。

【八木様、初めまして、飯能市在住の佐野と申します。

昨日のニュースを拝見しまして、メール致しました。

私は以前、大滝村の滝沢ダムの橋の工事(橋脚工事)中に、野犬を見ました。

平成10年の春だったと思います。

工事の仮設道路脇の斜面に居ました。

昨日テレビで見た写真の野犬に似ていたので、吃驚しました。】

 

佐野さん達が見た動物

 

連絡者の佐野さんの目撃情報を得て、周辺山域の調査をしたのは当然の事ですが、幾度かやり取りを交わす中、

「知り合いが、飼っていたオオカミ犬を顔振峠で逃がした」そんな話をされたのです。

逃がした…なら聞こえは良いが、捨てた…と云う事なのです。

 

顔振峠

 

その話を聞いた私は唖然としました。

「顔振峠」周辺で「オオカミを見た」の情報下、2年間捜索をしていたからです。

(2012/07/02の「日本狼目撃」参照)

 

奥武蔵グリーンライン

 

この周辺で産出された「ニホンオオカミ頭骨標本」も4~5点存在しますし、「オオカミ岩」「オオカミ屋敷」なる史跡も残されていますので、

それはそれは一生懸命捜索を続けた場所でした。

 

ニホンオオカミ頭骨

 

オオカミ岩

 

オオカミ屋敷

 

そして数年後、「武甲山麓で撮れたオオカミの写真!」と云う事で、某新聞某記者から届いた下記の写真。

 

武甲山麓で撮れたオオカミ?の写真

 

顔振峠と武甲山は、イヌ科動物にしたら行動範囲になる距離。

 

山頂が30m削られた武甲山

 

「飼っていたオオカミ犬を顔振峠で逃がした」/「顔振峠周辺でオオカミを見た」/「武甲山麓で撮れたオオカミの写真」

の3件が一括りになる…と感じるのは私だけでは無いと思います。

私の下に届く生存に関する情報は大別して、「目撃情報」と「咆哮を聴いた」とするものです。

「目撃情報」が届けられた時は先ず「耳」の状態と「尾」の状態を伺うのですが、「耳が寝ていた」「尾が巻いていた」以外は質問を次のステップに移す訳です。

動物の身体の大きさ・・・例えばイヌで言うなら何種位の大きさ・・・とか、毛並みの状態等を伺うのです。

「咆哮を聴いた」・・・の情報の場合は、TPOを伺い過去に得られた周辺での情報との突合せを行います。

奥秩父山中ですとその殆どに足を踏み入れている為、その現場の土地所有者も凡その見当が付きますが、国有林内となると二の足を踏まざるを得ません。

土地、山の管理上の問題で、安易にカメラ設置が出来ないのです。

 

処で皆さん、鹿の妊娠期間をご存じでしょうか?

一般的には210~230日と言われ、5月中旬から7月にかけての出産、特に6月中旬が最も多いとされています。

発情期は9~11月頃で、繁殖期には優勢なオスが数頭のメスを囲い込むそうです。

その時優勢なオスがどんな行動をとるかと言うと、自分の存在を示す―ラッテングコール(雄叫び)―をするのです。

 

9月28日の雄叫び

 

10月17日の雄叫び

 

11月15日の雄叫び

 

5月31日鹿の親子

 

7月11日鹿の親子

 

聞き慣れれば何の問題も有りませんが、一般的にはオオカミの咆哮と間違われます。

過去に届いた生存に関する事例を掘り起こすと、幾つかの事例が届いています。

2010年10月21日掲載の「三峯山遥拝殿で4名が遠吠えを」の女子大生の件。

 

遥拝殿から奥宮を望む

 

2011年9月4日掲載の「登山者から目撃情報」中、

【2010年11月中旬、縦走路中の山頂で遅い昼食を採っていた時、獣の咆哮が聞こえて来た。

半信半疑で下り始めて間も無く・・・小さな石の祠に辿り着いて再度同じ獣の咆哮が・・・。

怖くなって帰り道の坂を急いで下っている途中、10m位先の登山道を横切ったイヌ科動物に遭遇した。】の事例。

 

飛竜山頂で音声収録を試みる

 

目撃現場にカメラを設置

 

登山者からの聞き取りでは、「2度の咆哮と10m先の登山道を横切った動物を同一」と考えていました。

しかし、諸々の状況からそれぞれが別の動物だった・・・と考えるべき事が解って来ました。

そして、遭遇現場に2年間カメラを設置し観察した結果、遭遇動物はキツネだった事実が有りました。

 

遭遇現場に現れた動物-1

 

遭遇現場に現れた動物-2

 

2012年6月3日掲載の「斐太亥之介論」中、

【岳人(編集部)のIさんに大峰山中での体験を聞いて来ました

2006年か2007年の11月、大峰山脈を単独で南下縦走していた時、

迷平(舟ノ垰周辺)のテント場からちょっと南下したところで、幕営中に東面から声を聞いたそうです。

声は1匹だけでしたが、吠え声でもなく、遠吠えでもなく、“犬とは思えず、野性味があって怖く感じた”と云う事の様でした。】

 

他にも多く「咆哮を聴いた」とする情報を当ブログに掲載していますが、他は9~11月頃の繁殖期以外でその咆哮は雄鹿以外のそれと考えられます。

 

こんな雄鹿も撮れています

 

また、上記3例も―ラッテングコール(雄叫び)―以外の咆哮かも知れないので、宜しくご理解ください。