- とんび/重松 清
- ¥1,680
- Amazon.co.jp
男手ひとつで幼い息子を育てる「ヤス」さん。
最愛の妻を亡くした悲しみの中、子育てに戸惑う。
そんな時、幼馴染の照雲の父「海雲和尚」から言われた言葉。
雪降る寒い夜、海に向かっている場面。
“おまえは、海になれ。 海にならんといけん。”
雪は悲しみ。 次から次へと降ってくる。
地面に、どんどん積っていく。
溶けた後には、グジャグジャになってしまう。
だから、自分は地面になっちゃいけない。
そんな意味だと言っていた。
“どんなに雪が降っても、それを黙って
知らん顔して飲み込む海にならんといけん・・・。”
親なら、笑っていてあげられるだけの
深い懐をもてということだと思った。
なんでも一緒に、悲しみ、悔しがっていたのではいけない
子供の(愛する者の)マイナスのことを、受け止める
そんな親(人)になってあげろということなのだろうか。
私はまだまだ地面だな。
特に、ここ最近、グジャグジャな地面だな・・・(^^ゞ
この他にも海雲和尚の言葉が時々出てくるけど
どれも心に響く名台詞だと思う。
あ~~~和尚さんに怒られたい・・・(Mに非ず。(^m^)ププっ)
ヤスさんのシャイでぶっきらぼう、そして不器用な愛情。
昭和の親父という雰囲気が好き。
温かく支えてくれる、周りの人たちもとても素敵♪
み~~んなの手が、息子「アキラ」を一人の父親に育てていく
これぞ重松ワールド!!
わかっていても、やっぱり泣かされちゃうんだよなぁ・・・。
久しぶりに“素敵な本”に出会えた♪