日本では馴染みがないと思いますが、アメリカには、精神疾患を持つ方の情緒的サポートをするエモーショナル・サポート・アニマル(通称:ESA)という犬たちがいます。医師の診断書があれば、ペット不可の住宅に住んだり、飛行機の客室に一緒に乗ることができます。
よくPTSD介助犬(サービスドッグ)と混同されがちで、どこにでも一緒に連れていけると思われていますが、それは誤解です。
ESAはあくまでも個人のペットであり、アメリカ人障害者法(ADA)が適用されません。
なので、ペット不可の公共施設や鉄道、衛生上の問題がある食品を扱うスーパー、
レストラン、政府施設などへの立ち入りは認められていません。
これはセラピー犬も同じです。
では、PTSD介助犬とESAの違いは何でしょう。
どちらも、精神疾患をもつ特定の人をサポートしますよね。
PTSD介助犬(サービスドッグ)の場合
必要とするユーザーさんが障害者認定を受けている。
その方の障害に直接関わるタスク(仕事)をするように訓練されている。
そのため、サービスドッグはペットではなく医療器具と対等の扱い。
ESAの場合
精神的な疾患で通院歴があり、医師がその患者さんにはESAが必要と判断し診断書をだせば認められます。
寄り添うことで、不安を緩和し、精神の安定を維持する。とくに犬に課されているタスクはない。
具体例で言うと
ユーザーに発作がでた時、傍にいてくれるだけでいいのがESA。
一方、サービスドッグは、薬や水を取りに行ったり、発作がそれ以上エスカレートしないような行動をとるようにトレーニングされたお仕事がある点です。
このように、実は大きな違いがあるんですね。
ちなみに、カリフォルニア州では、自分のペットをサービスドッグと偽る行為は、1000ドル以下の罰金、または6ヶ月以下の禁固という罰則が適用されます。
最近ではネットで手軽に証明書の発行、ベストやハーネスを売る怪しいビジネスが蔓延していますが、障害者だと偽ったり、愛犬のペットをサービスドッグと偽ることは犯罪になりますのでしないでください。