さあ 涙をふいて話を聞いて

ねえ 窓たたいてる僕に気付いて

昼も夜も雨と うらまないでほしい

夏を運ぶためだよ


Rain drops 街中の傘が

Rain drops 躍り始めたよ

Tear drops しずんでる君が 喜ぶように


どうも、キャンです。


熱心なキャンフリークの皆様なら当然ご存知のこととは思いますが、俺の血液型はと言えば大雑把でお馴染みのO型。

あるいはO型と言えば、自身は同じO型からしか輸血を受けられないながら、他のどの血液型に対しても輸血できちゃうという自己犠牲スピリッツ溢れる男の中の男、すなわち俺!なわけだが、その他疾病リスクの観点から語られることも多い。

すなわち、O型は総じて病気にかかりにくいという評価である。


O型が一般的に免疫力の高い血液型であるということは、広く知られている。

これは、O型が人類の祖先の持っていた血液型であったためと言われている。


…我は人類の始祖…崇めよ…。


また、心臓病、脳卒中、その他各種疾病に対して、有意にリスクが低いというデータもある。

例えば、AB型はO型に比べ1.83倍脳卒中のリスクが高い、B型はO型に比べ1.72倍膵臓ガンのリスクが高い、A型はO型に比べ1.2倍胃ガンのリスクが高い…等のデータが出ている。

世界のどこかで!


ご覧の通りO型は、疾病リスクに対して高い抵抗値を示すパッシブスキルを有した大変お得な血液型であり、もしもこれから意中の相手と交尾に持ち込もうと画策しているO型男子がいらっしゃれば、「お得なO型遺伝子をラブ注入してあげるよ」と言って口説くんだ!さぁ早く!


とは言えやはり世の中、何事にも裏があるものだ。

O型の特性にしてもそうだ。

各種疾病に高い抵抗を示す一方で、大怪我をした際の失血死のリスクが、他の血液型に比べ倍以上高いのだ。

要するにO型は元々血液を固める因子が非常に少ない、いわばナチュラルボーンサラサラ血液。

血管詰まる系の病気になりにくいのも、緊急時に他の血液型に輸血可能なのも、この文脈から説明することができる。


血液型占いや性格診断が猛威を奮いがちな昨今だが、各々の血液型の特性を把握し、日常生活における注意点を意識してみるのもいいのではないだろうか。


ということを踏まえた上で、先日親不知を抜きまして。


ある朝突然右下奥歯あたりに激痛が生じ、たまらず最寄りの暇そうな歯医者に駆け込んだところ、「親不知が炎症を起こしてますね~」というありがたい診断を頂いた。

ひとまず薬で炎症を鎮めたらば、早速抜歯という運びとなった。

親の仇のように奥歯をこねくり回され、まるで凌辱系エロ漫画のヒロインの事後のような途方もない疲労感に苛まれながら帰路に着いたが、本当の地獄はその後に待っていた。


一晩中血が止まりませんでねぇ…。


傷痕からじんわり滲んできて口の中が血の味がする…などという生易しいレベルではない。

断続的にドクドクと血が溢れ、まるで口内射○され続ける凌辱系エロ漫画のヒロインのような生臭さと息苦しさに苛まれる俺氏41才男子。

「鉄分を再補給しなければ!」とばかりに、お口の中に溢れる血を相当量飲み込んだ気がするが、俺はどうやら吸血鬼にはなれそうにないよ…。

あと途中で、立ち上がろうとしたら強烈な目眩、動悸、息切れに襲われてその場でへたりこんでしまうということが何回かあったけど、あれって多分貧血の症状だよね!?


最終的には、外から保冷剤で冷やしつつティッシュを奥歯に詰め込むという対処で、出血もようやく小康状態となり床につくことができたが時既に3時!

奥歯に詰めたティッシュを取り替え取り替え気が付けばほぼ一箱分消費していたが、「思春期男子かよ!」などという気の利いたセルフツッコミも、その夜の俺の口からは出てこなかったのだった。


そんなわけで、「O型は血が止まりにくい」という特性をこれでもかと味わう結果となった今回の抜歯。

ただワンチャン、今回の歯医者がヤブだったという可能性も捨て切れない。

初めて行く歯医者だったし、以前に親不知抜いた時はこんな惨事にはならなかったし、思い返してみれば抜歯後の止血処置みたいなのしてなかった気がするし、作業中に歯医者のおじさんが「あれ?なんでこんなとこが取れるかな?」とかぶつぶつ独り言言ってたし。(数え役満)


…みんなも歯医者選びは気を付けてくれよな!俺との約束だぜ!


とは言え我々には平等に「時医者」という名医が付いておりますので、今ではすっかり痛みもなくなり、今年も颯爽と登場したパインぱんを美味しく頂けるまでになりましたよ!

ちょっとまだ穴が塞がってないのでパインが挟まったりするけれど、私は元気です!


…ん?パインぱん…?

…もう7月も終わりかけじゃねぇの!!


皆さんご存知の通り、7月と言えば数多のマッチョスターを産み出した一年のうちでも屈指のマッチョ月!

急ぎ紹介せねばなるまいよ。

7月生まれ筆頭の、あのマッチョスターの代表作を!

『デスレース2000』

スタローン「これが俺の代表作だとぅ!?」

弱者を轢いた子一等賞!?
ルール無用、倫理無用でお届けするディストピアのビッグイベント!
口から血を出してる場合じゃねぇ!

それではストーリー!

時は西暦2000年、今から24年前だ!

皆さんご存知の通り、当時は独裁国家アメリカが世界を支配していましたね!

そんな独裁国家アメリカで絶大な人気を博していたのが、「デス・レース」と呼ばれるモーターイベント。

ニューヨークからロサンゼルスまで、大陸を横断するビッグなレースだ。


さらにこのレースにはある「特殊ルール」があった。

それは、コース上にいる一般市民を轢き殺せばポイントゲットだぜ!というとんでもねぇルールだ。

しかも、老人や女子供など、社会的弱者ほど高ポイント!

↑そりゃ狙うっきゃない!

そんな道徳や倫理なぞド忘れしたようなデス・レースに参加するレーサーたちも、これまたイカれた奴らばかり!

ナチスの恋人ことマチルダ、暴君ネロ、カウガールのカラミティ・ジェーン。

どいつもこいつも、そんちょそこらの中二病患者が裸足で逃げ出すレベルの、殺意の高いカスタムカーで駆け付けてきた!

↑ダッシュ四駆郎の敵マシンかな?

中でも、レースの絶対王者として不動の人気を誇るのが、度重なる事故から幾度となく不死鳥のように甦ってきた男、フランケンシュタイン!

不気味なマスクで顔を隠し、義手や義足、移植手術を繰り返し、まさに物語の人造人間のようなフランケンを、民衆はヒーローのように崇め熱狂している。


だがしかし!

そんなフランケンの覇道に待ったをかける野郎がいた!

男の中の男、男の教科書と呼ばれるあの男!

そう、マシンガン・ジョーことシルベスター・スタローンだ!


俺たちのスタローンが、弱者を轢き殺してポイントをゲットするようなオーバーザモラルなイベントを許すはずがない!

打倒フランケンに闘志を燃やすスタローンだが、同時に、こんなイカれた時代に一石を投じるクリーンなファイトを見せてくれるに違いない!


…おや?早速スタローンの行く手に勤労に励む善良な現場作業員のおじさんが…。

↑おじさん、後ろ後ろ!

↑うわー!

↑スタローン「やったぜ!」

スライ!?


…遂に戦いの火蓋が切って落とされたイカれたデス・レース!
交錯する様々な思惑!
キレるスタローン!
釣り人のオッサンを轢き殺すスタローン!
指に付いたクリームをしゃぶるスタローン!
自分の整備士を轢き殺すスタローン!
キレるスタローン!
爆ぜるスタローン!

果たしてスタローンは…っていうか、この物語の明日はどっちだ!?




…エイドリア~ン!!


すまない、少し取り乱したようだ。

さてこちらの作品、そのぶっ飛んだ世界観やメカデザイン、かてて加えてまさにブレイク直前のスタローンがしょーもない役を熱演していることなどから、一部でカルト的人気を誇り、後にあのステイサムを主演に続編的なものが作られたことからも、割りと名の知れた作品であることは間違いない。


アメリカ大統領が独裁者と化し、殺人ショーを娯楽として提供することで人心を掌握するというディストピア的設定で、現行体制に異を唱えるレジスタンスが暗躍していたり、レースのヒーローであるフランケンが実は大統領の暗殺を狙っていたり(唐突なネタバレ)と、字面だけ見ればかなりハードな内容だ。

しかしその実、ディストピア的湿っぽさや悲壮感はゼロ!

映像的チープさや音楽の陽気さ、あるいは登場人物たちの胡散臭さやバカっぽさなどが相まって、往年のアニメ『ハッスルパンチ』のような呑気さを醸し出している。

↑『ハッスルパンチ』、ネズミが可愛いのよ。

一応の主人公はデス・レースのタイトルホルダーであるフランケンシュタインで、最終的にはレジスタンスのヒロインと協力して大統領を討つことになる。(唐突なネタバレ2)

とは言え前述の通り、熱い革命ものの風情は皆無だ。
また、敵も味方も一から十まで、雰囲気だけはいっちょまえながら何がしたいのか分からないという、大雑把なO型映画の基礎を押さえている。

まず主人公のフランケンシュタインからして意味が分からない。
実は致命的な事故から何度も甦ったなどというのは真っ赤な嘘で、レースの偶像としてその都度政府が用立てていたフランケン。
「私が死んでも代わりはいるもの」などと突然綾波のような台詞を口走るフランケンだが、そんな彼がなぜ大統領暗殺を決意するに至ったか、そのバックボーンは全く描かれないので、感情移入のしようもない。
一方で、ヒロインであるレジスタンスの美人なお姉ちゃんと、覆面にパン一という変質者スタイルでシャルウィダンスしてみたり、「他にドコを改造手術してるのカシラ?」「すぐに分かるさ」などと下ネタトークを交わしてみたりと、謎の色男っぷりの方が印象に残るのだった。
↑うーん、お断り申し上げる。

もちろんレジスタンスの面々も(悪い意味で)負けてはいない。
レース参加者たちを2、3人暗殺し、犯行声明を出したまでは良かったが、とても長年地下に潜って計画を練っていたとは思えないふざけた作戦を矢継ぎ早に披露し、肝心のフランケンに対してはことごとく作戦は失敗。
↑レジスタンス渾身の女装。

レジスタンスのリーダーであるミセス・ペインも最初から胡散臭さ全開で、終盤では大統領を撃ち殺そうとして自分の孫娘に痛恨の誤射を決めるという、B級映画ムーブを見せてくれる。
↑顔の角度がもう胡散臭い。

他にも、人の男のチ○コのコンディションをいじる女レーサーさんや、いまいち要領を得ないちゃちい殺戮シーン、無意味に放り出されるオッパイ並びに尻など、B級要素はフル装備だ!

↑尻!

↑アンド尻!

しかし、そんなどこか外したようなすかしたような作風も当然で、そもそも本作は皮肉に満ち満ちた風刺映画!
レース中に犠牲になる一般市民たちも、悪逆な暴君に虐げられる善良な無辜の民…というわけではない。
まるで狂信者のように自分が推すレーサーに自ら轢かれに行ったり、病院では入院患者のジジイババアをコース上に並ばせたりと、存分に狂っている。
そもそもこんなイカれたレースを国民の大多数が支持し、熱狂している時点で、頭のネジが錆び腐れていることが分かる。
昔の偉そうな誰かが「政治家と国民は同レベル」と言ったが、まさにその通りだ。
↑狂気の安楽死デー。

暴力を見せ物にするデス・レース廃止を訴えるレジスタンスたちも、やることと言えば完膚なきまでに実力行使!
レーサーたちを次々と爆殺し、果ては戦闘機まで繰り出してくる。
そう言えば大統領の演説とレジスタンスリーダーのミセス・ペインの演説と、胡散臭さという点においてはどっこいどっこいなのは気のせいだろうか。

さらにラストシーンの皮肉屋っぷりは群を抜いている。
見事に大統領暗殺に成功し、自らが大統領の椅子に収まりレジスタンスのスパイだったヒロインちゃんを妻に迎え、ついでにミセス・ペインを閣僚として登用するフランケン。(唐突なネタバレ3)

もうこの時点で、権力の簒奪及び私物化も甚だしいわけだが、デス・レース廃止も決めたフランケンに一人の男が意義を申し立てる。
レースの名物実況として活躍していたジュニアだ。

まぁこいつはこいつで、胡散臭さレベルで言えば本作トップクラスなわけだが、こいつがフランケンの矛盾を鋭く指摘する。

「閣下の人気は暴力が築いたものでは?」
「競争と殺戮はアメリカの文化だ!」
「暴力の何が悪いんやー!」


なんかもう最後の方はヤケクソ気味だが、この一連の無礼な発言にキレたフランケンは、ジュニアを轢き殺して颯爽と去っていくのだった。

こうして見ると、紛れもなくチープなB級映画であり、設定やストーリーも決して洗練されているとは言い難い大雑把なO型映画ではあるものの(ボロクソ)、なるほど確かに後の世まで語り草になるような根強い人気を誇る理由も分からなくはない。
しかし本作が、真のカルト作品としてその地位と名声を不動のものにするためには、もう一つ大きな要因があった。

そう、スタローンですね!

↑スタさんかっけぇ…(かっこよくない)

本作の公開は1975年、『ロッキー』の公開が翌1976年ということで、まさにブレイク直前のスタローンが、カスみたいなギャラでカスみたいなキャラを熱演していることが、カルト的人気の決定打になったことは間違いない。
実際本作の監督は後に、「あれは安い買い物でしたわ!」と語っている。

国民的人気を誇るフランケンに対して、「レースの嫌われ者」という不名誉な称号を頂くスタローン。
会場に到着するやいなや、ブーイングが巻き起こる客席に向けて口をひん曲げてマシンガンを乱射するという最高の掴みで、「マシンガン・ジョー」という二つ名の伏線を10秒で回収する。(なお、その後マシンガンは出て来ない模様)

誰よりも早く一般人を轢き殺して有頂天も序ノ口譲二、その後も気に食わない人間は轢き殺せスピリッツを存分に発揮し、一時はポイントでトップを走る。

また、人気者のフランケンに対して僻み根性丸出しで常に口汚くキレ散らかし、お洒落なディナーの際にもクリームで手をベトベトにしたかと思えば指をチュパチュパしゃぶるという、どうしようもないチンピラっぷり!


↑ヨダレが出るほどキレる。

↑チュパチュパ…

かてて加えて、平気で女にも手を上げるというクズオブクズ、カスオブカス!
挙げ句、大して強そうにも見えないフランケンにボコボコにされて血反吐を吐きながら、「レースで決着付けてやる…」と捨て台詞を吐くというまさかの戦闘力の低さまで露呈。
なんだったらもう、『刑事ジョーママにお手上げ』のパンパース姿のスタローンが男の中の男に思えてくるのだった。
↑親不知でも抜いたのか!?

そんなわけで、マッチョ月にかこつけて今さらの紹介となった今回のレビュー。
気付けば親不知を抜いたのも先月の話となってしまったが(バカだろ)、未だにパインぱんの欠片が挟まる程度には穴が塞がり切っていない事実に、思わず遠い目になってしまう。
そんなことを言いながらも、マッチョ月に滑り込みギリギリセーフの投稿となった俺を、スタローンもきっと笑顔で祝福してくれるに違いない!
スタローン「地獄へ落ちろ」

…それでは皆さん、次回は地獄の底でお会いしましょう!