先日のことだ。

久方ぶりにプレステのソフトをプレイした。


「世間がPS5を楽しんでいる時にお前は…」


俺のセルフ浦島太郎っぷりはいつものことだが、これにはちゃんと理由がある。

我が家の最先端次世代ハード(PS3)で、PS1及び一部PS2のソフトがプレイできると知ったからだ。

どっちにしろ情報が遅すぎだろうという気がしなくもないが、とにかく起動確認も兼ねて、長年埃を被っていたプレステソフトを何本か引っ張り出してみた次第だ。


何をプレイしたかと言うと、そう、『ときめきメモリアル2Substories Dancing Summer Vacation』ですね!


助けてときめきが止まらないの!

当時人気絶頂だった『ときメモ2』の本編では描かれなかったサイドストーリーという体で発売されたSubstoriesシリーズの記念すべき第一弾で、要はまぁ…「ときメモ版ダンレボ」ですね。

世間の売上的にどうだったかは知らないが、いずれ劣らぬ人気コンテンツ同士のコラボレートである。
俺としても、『ときメモ』の楽曲で『ダンレボ』ができるということで、夢中になってエンジョイしたものだ。
ただし、俺はダンサーではなくメモラーなので、専用コントローラーではなく、普通のプレステ用コントローラーでのプレイではあったが。

そのような思い出を振り返りつつ、この20年以上前の名作を最先端次世代機(PS3)にインサート!
「こいつ…動くぞ!」などと一人ではしゃぎつつ、しばし、ひびきの高校の生徒としての時間を堪能したのであった。

それにつけても改めて思うことはやはり、『ときめきメモリアル2』というゲームの素晴らしさだ。
ギャルゲーというジャンルを確立したと言っても過言ではないエポックメイキングな一作目からの正統メガ進化とでも言うべき『ときメモ2』
髪型がオールバックだったり首吊りだったり、マッドサイエンティスト気質のロリっ娘お嬢様やいつも車に轢かれながら登場する規格外のドジっ子がいたり、思わず攻略したくなる可愛い男友達がいたりと、各キャラクターのフィクションラインはかなり高めながら、元号が変わっても古臭くならない神キャラデザと、オープニング、エンディング、キャラソン、バッドエンドで流れるエンディング曲を含めた数多くの神曲によって、メモラーの心をガッチリハートキャッチプリキュア!する不朽の名作に仕上がっている。

当時青春真っ只中であった俺にとっては、まるで実家のような安心感がありつつ、それでいて常に新鮮なときめきを与えてくれる、そんな魂の一本であることよなぁ!と再確認した次第だ。

ちなみに、これは以前にも申し上げたことですが、俺のイチオシキャラは八重さん!八重花桜梨さん!
上記のジャケットで言うとピンクのショートヘアの彼女です。
メインヒロインの陽ノ下光と人気を二分する『ときメモ2』における真のヒロインとは彼女のことだ!
異論は認めない!女バレっすよ女バレ!?

そんなこんなで一頻りときめいた後で、しかし俺の胸中に去来するこの感情は何だろう?
何かとても大切なものを忘れているような、そんな物足りなさ…。
『ときめきメモリアル』と言えばそう、『イップ・マン』ですね!
『イップ・マン外伝 マスターZ』

拳で語る『ときめきメモリアル』こと『イップ・マン』シリーズのSubstories!
真のヒロインはミシェル・ヨーかデイヴ・バウティスタかトニー・ジャーか!?
詠春拳もう一人の使い手、チョン・ティンチの勇姿にときめき倒せ!

それではストーリー!

正統詠春拳の看板を賭けたイップ・マンとのタイマンに敗れた山◯メンバーことチョン・ティンチは、詠春拳を封じ武術界からも去り、今は香港の下町で食料品店を営み細々と暮らしていた。
その暮らしぶりは決して楽ではなく、一人息子からは「今日も白粥と揚げパンなの?」と文句を言われつつも、それなりに穏やかで幸せな毎日を送っている。

本日はそんな息子の誕生日。
配達ついでにバットマンのパチもんみたいなおもちゃも買い、今夜は白粥どころか豪勢にレストランでステーキなどを楽しむ構えだ。
しかし毎度お馴染み、そうは問屋が卸さない!
問屋が卸さなければ小売りは商売上がったりだ!

何やら訳ありの美女二人が、チンピラ集団に追われているきな臭い現場に巻き込まれてしまう。

左の美女は魔が刺してチンピラからアヘンを買ってしまったがために、法外な代金を請求され脅されていた。
右の美女はジャンキー美女の友人で、彼女を助けるために金を用立ててきたのだが、チンピラどもはさらに意味の分からない利子を請求!
ブチ切れた美女は、息をするように当たり前に習得している拳法でもって、チンピラどもを相手に大立回りを演じている、そんな状況だ。

美女に加勢するのは男として当然だが、あろうことかチンピラ野郎は息子のために買ったバットマンのパチもん(通称バッタモン)を蹴り飛ばしやがった!
何より、後ろ髪の小癪なお下げがムカつく!
↑チンピラのお下げ兄貴。

「その髪型をしていいのはセガールだけだ!」と思ったかどうか分からないが、ほとんど脊髄反射的にチンピラどもをボコボコにする◯口メンバー。
詠春拳を封じてもその辺のチンピラなどものの数ではなかった!

しかしそこへ、毎度お馴染み、タイミングの良すぎる警察が駆けつけ、被害者加害者関係なくしょっぴいてしまう。
警察署で取り調べを受け、かつてマイク・タイソンの手下どもと乱闘騒ぎを起こした前科をほじくり返されるメンバー。
さらにこれまたお馴染み、チンピラどもは警察との癒着で速攻で釈放、おまけに美女二人も酒場街の有力者の身内ということで早々に帰宅。
メンバー一人が残され、どぶろっくのギターの方に似た刑事に、じっくりねっとり調書を取られるのだった。

お陰様で、せっかくステーキディナーを予約していたデイヴ・バウティスタのレストランにも間に合わず、バッタモンのおもちゃも乱闘のドサクサで壊れてしまい、さすがにしょんぼりなメンバーなのでした。
↑デイヴ・バウティスタがレストラン経営…だと…?

一方こちらは、香港裏社会を牛耳る長楽会。
ボスであるミシェル・ヨーを筆頭に、幹部が揃って会議の真っ最中だ。
そんな幹部会の末席には、なんとあのお下げチンピラもいた!
キットという完全に名前負けしているお下げチンピラは、実は長楽会のボスミシェル・ヨーの実弟だったのだ!

さて、そんなミシェル・ヨー姐さん、勝手に私腹を肥やす古参メンバーを軽くしばいてから、ある提案をする。
今後は裏稼業からは足を洗い、堅気になろうと言うのだ。

当然幹部会には難色を示す者もあり、中でもお下げチンピラことキットは姐さんの意見に真っ向から対立。
裏社会でもっとビッグになるべき!と息巻く。
とは言えそこは、『エブエブ』で今をときめくミシェル姐さんである。
結局は賛成多数で、長楽会は今後堅気を目指し、暴力行為も禁止する方針が示されたのだった。

しかしそれでは治まりのつかないお下げキット。
恥をかかされた報復として、なんとチョン・ティンチメンバーの食料品店に放火!
どうにか脱出し命は助かったものの、大切な一人息子は火傷を負い、店も住む場所もなくなってしまう。
しかし、捨てる神あれば拾う神あり。
先日お下げキットから助けた美女と偶然再会し、彼女の兄を紹介される。
彼女のお兄ちゃんは酒場街を取り仕切る兄貴分、通称酒場街の虎(フー)!

ちなみに、もう一人のジャンキー美女はこの虎兄ちゃんの恋人。
妹と恋人の危機を救った恩人を無下にしては男が廃る。
妹ちゃんとジャンキー美女が暮らすアパートの一室を提供してもらい、虎兄ちゃんが経営するキャバクラで働くこととなったメンバーだが、そんなことより虎兄ちゃんのビジュアルがほんのりEXI○Eの松本○夫に似ているのが気になり、そうなってくるとこちらも山◯メンバーというよりはMAKI○AIに見えてくるのであった!
↑酒場街の虎こと松○メンバー。

まぁそれはそれとして、息子に怪我をさせた落とし前はつけなきゃ気の済まない山○メンバー改めM○KIDAIメンバー。
アヘン窟のキットのアジトに単身乗り込むと、手下どもをボコボコにして放火のお返しをプレゼントする。
すっかり泥沼の様相だが、事態を納めるべく、ミシェル・ヨー、動きます。
MAK○DAIメンバーが働くキャバクラに来店すると、グラスをセクシーに押し付け合う謎バトルの末に和解。一応の手打ちとなるのだった。

しかし、今さらそんなことでは辞められない止まらないのがお下げキットだ。
「姉貴も松○メンバーも怖くねぇ!」と息巻いて、酒場街でヘロインをばらまき始めたのだ!
異変に気付いたMAKID○Iメンバーは早速ミシェル姐さんにチクるが、時既に遅し!
○本メンバーの彼女でもあるジャンキー美女が、小麦粉ばりにヘロインを大量直食いさせられ、中毒死してしまったのだ!
下手人はお下げチンピラのキット!
なんでそんなことしたのかはズバリ分からん!

これにはEXI○Eの二人もキレましてねぇ…。
キットとミシェル姐さんが絶賛内輪揉めの現場に殴り込みをかけると、手下どもをちぎっては投げちぎっては投げの二人チューチュートレインを披露!
ミシェル姐さんとお下げキットを交えた四つ巴の戦いの末に、ミシェル姐さんがキットの右腕を切り落とすという衝撃の結末とともに、今度こそ手打ちとなるのだった。
↑手打ち(物理)

残りのヘロインの在りかも警察にすっぱ抜き、酒場街の薬物は一掃され、ようやくメンバーらにも平穏が訪れるかに見えたが、そうは問屋が卸さない!

もうその問屋変えた方がいいよ。

ミシェル姐さんの七光りでイキってるような三下ヒョロガリお下げ野郎ごときが、一人だけの力でヘロインを調達し捌けるはずがなかった。
今回の一件には長楽会とは別の黒幕がいたのだ!
そう、ハゲたマッチョの黒幕がね…。

酒場街での麻薬摘発が報じられた直後、松本メ○バーのキャバクラに突然警察が踏み込み、麻薬所持をでっち上げて松本○ンバーを連行してしまったのだ!
連行先は、明らかに警察署とは関係なさそうなどっかの倉庫。
そこでは、デイヴ・バウティスタがステーキを焼いて待っていた!
↑えぇ…。

そう、ステーキレストランを経営し、チャリティーオークションを開催するなどの聖人オブ聖人とは表の顔。
その正体とは、警察上層部とも癒着し香港でヘロインを売り捌く死の商人!
いいハゲマッチョと悪いハゲマッチョがいるとしたら、こいつは完全に悪いハゲマッチョだぜ!
しかし悪事に手を染めてもハゲマッチョはハゲマッチョ。
自身も拳法の達人である松本メンバ○だが、デイヴ・バウティスタの圧倒的なパワープレイの前に成す術もなく殴り殺されてしまうのだった。

翌朝、冷たくなって帰ってきた虎兄ちゃんこと松本利夫メ○バー。
逃亡を図った上での事故死と、警察は言い放った。
悲しみと怒りに震える妹とMA○IDAIメンバー。
しかし、松さんの死は無駄ではなかった!
その右手にしっかりと握られていた腕飾り、それこそが、真の黒幕を指し示す動かぬ証拠!

「これは…デイヴ・バウティスタの…!」

筋の通らぬ理不尽な世の中、悪を見逃しては男が廃る。
何よりも、命を賭した友の想いに答えなければEXIL○の名が廃る!

「MATSUさん、あんたの死は決して無駄にはしない」

一度は拳を捨てた男の最後の戦いが、今静かに幕を開ける…。





…うーん、これはときめきザイル!

『ときメモ』のSubstoriesに対して、『イップ・マン』シリーズのSubstoriesとでも言うべき本作。
『イップ・マン 継承』においてドニー師匠に敗れ武術界を去った山口師匠改めMAKIDAIメンバーのその後を描いたスピンオフ作品だ。
『イップ・マン』シリーズを構成する三大要素と言えば、ハイクオリティな格闘アクション、迸る男気、そしてときめきメモリアルと相場が決まっているが、スピンオフになってもそれらは健在だ。

まずは格闘アクションについてだ。
本編シリーズではイップ・マンを見事に演じ切ったドニー師匠不在の中、山口メンバー改めMAKIDAIメンバーとして堂々主役を張るのはマックス・チャン!
『継承』においてもラスボスとして君臨し、ドニー師匠と見事な一騎討ちを披露した彼氏がいれば大安心!
俺としてももう、「あとは君たちの目で確かめてくれよな!」と、相変わらずのダメブロガーっぷりを発揮するしかないが、詠春拳を封じて戦うシーンと詠春拳で戦うシーンとのアクションの演じ分けは見事の一言!
おまけに、対ミシェル・ヨー、対デイヴ・バウティスタ、対トニー・ジャーと、いずれ劣らぬ好カードが用意されているのも過ぎたる贅沢だ!

例えストーリー的にトニー・ジャーは必要なかったとしてもだ!
↑意味はないが最高のカード。

男気もまた、相変わらずバーニングしている。
線の細いジャニーズ系アイドルとは一線を画する、男臭いダンスボーカルグループのMAKIDAIメンバーと松本メンバーはもとより、やはり特筆すべきはミシェル・ヨー姐さんだ。

父親からボスの座を引き継ぎ、動乱の時代に裏稼業でしのぎを削ってきたアウトローたちを束ねるミシェル姐さん。
登場するなり、ゴッドファザーよろしく幹部のオッサンをでっかいソロバンでぶん殴り(しかも縦で)掴みはバッチリだ!
そうかと思えば、舌の根も乾かぬうちに「これから堅気になるから、うーん…暴力禁止!と高らかに宣言。
こちらとしてはもう、昏倒して引きずられていくオッサンを見ながら、「これは暴力ではないのデスネ?」と目を白黒させるしかない!
↑暴力ではない(ミシェル・ヨー基準)

その後も、おイタが過ぎるダメな弟の命だけは守りつつ、自ら片腕を斬り落としてケジメを付けさせ、なおも相手がごねれば「これ以上文句言うなら潰すぞ!」と、とても堅気になろうとしているとは思えないムーブを連発し、我々を痺れさせてくれる。
これはこれである意味男気!と言えなくもない。

ご覧の通り、「男気を発揮するのに男も女も関係ない」というのは『イップ・マン』シリーズで定説だが、本作ではさらに、小学生まで熱い男気を見せ始める。
そう、MAKIDAIメンバーの一人息子フォンだ。
父一人子一人、貧しい生活の中で「また今日も白粥と揚げパン?」と文句は言う。
文句は言うが、ちょっとやそっとのことではへこたれないこの雑草魂はどうだ!?

例えばこうだ。
せっかくの自分の誕生日、朝からあれだけ時間に遅れるなと釘を刺したにも関わらず、パパは警察のご厄介になり楽しみにしていたレストランでのステーキディナーにも間に合わず、プレゼントされたバッタモンのおもちゃも壊れている。
普通であれば数日間は口を聞いてくれないか、下手をすればこの瞬間から非行街道まっしぐらでもおかしくない展開だ。
だがフォンは違う。
「でも嬉しいよ!」と言って笑顔を見せると、翌日から当たり前のように下駄履きの生活へと戻っていくのだ。

あるいはこうだ。
今でこそしがない食料品店の店主であるMAKIDAIメンバーだが、フォンはそんな父親のことを、今でも最強のヒーローと固く信じている。
毎度お馴染み太っちょのいじめっ子にパパのことをバカにされれば敢然と立ち向かい、顔にアザを作って帰って来る。
そしてベッドの下には、かつて各武館の師匠連中を次々に撃破し世間の耳目を集めていた頃の新聞の切り抜きを、大事に隠している。
当のパパはもはや世間の評価などどこ吹く風だが、フォンはただ一人信じ続けているのだ!

極めつけはこうだ。
いよいよ強敵デイヴ・バウティスタに挑む直前。「必ず帰って来て」と声をかけるフォン。
「必ず帰って来て。またパパと白粥と揚げパンが食べたい」

あんなに文句をつけていた白粥と揚げパン…!
このガキ…幸せって何だっけ?の答えを既に知っているだと!?

彼のこの折れない雑草魂、信じ抜く力というものはやはり、『継承』においての父とイップ・マンとの一騎討ちを見ていたからに他ならない。
正々堂々と立派に戦い、紙一重で敗れたものの、潔く看板を下ろし文句の一つも言わない父と。
戦って勝つことよりも大切なものがあると、それでも拳に乗せて伝えたドニー師匠と。
二人の達人の戦いをその目に、その魂に刻み付け、メッセージを過たず受け取ったフォン。
これを漢と言わず何と言おう!?
↑いい笑顔だ!

そして最後に、シリーズに通底する重要な要素、ときめきメモリアルだ。
これまでも、池内博之がドニー師匠にときめいたり、サモハンがドニー師匠にときめいたり、ドニー師匠と美人嫁が大人のときめきメモリアルを披露したり、俺が若男にときめいたりしてきた本シリーズ。

本作においても、ミシェル・ヨー、デイヴ・バウティスタ、トニー・ジャーを始めとして、ビンビンにキャラの起った濃い面々が登場し、「だ・れ・に・し・よ・う・か・な」と、選り取りみどりな状態だ。
しかし誰よりも俺のときめきをかっさらっていったのは、他でもないMAKIDAIメンバーである!
そう、本作は『ときめきメモリアルSubstories』というよりは、『ときめきメモリアルGirl's Side』だったのだ!
(『~Girl's Side』…プレイヤーは女の子になってイケメンを攻略する乙女ゲーだよ!)

マーシャルアーツアクションスターとしての実力はさておき、決して超絶美形とは言えないドニー師匠。
対してMAKIDAIメンバーことマックス・チャンは、甘いマスクに引き締まった美ボディ、シュッとした立ち居振舞いに無造作に遊ばせた前髪と、さすがEXILE!と感嘆する他ないセクシーさだ。

もちろん、俺の中の乙女が不覚にもときめいちまったのは、何もそのイケてるビジュアルのためだけではない。

顔だけで惚れるようなそんな安い女と思わないでちょうだい!

思えばドニー師匠演じるイップ・マンは、拳法では向かうところ敵なしの達人でありながら普段は温厚で人格者、ほとんど聖人君子の域であった。
対するMAKIDAIメンバーは、前作においても、自身の武を満天下に知らしめるためにガンガン勝負を挑み、武館を開く金を貯めるためには裏のお仕事にも果敢にトライするなど、肉食系かつちょいワル系!
本作では若干丸くなったとは言え、ドニー師匠とはひと味もふた味も違う魅力で、世界中の乙女たちを虜にしてくる。

例えばこうだ。
松本メンバーのキャバクラでボーイとして働き始めたMAKIDAIメンバーだが、そこは動乱の香港歓楽街である。
早速酔っぱらいのブリテン野郎にウザ絡みされ、「おいおい、ライターが落ちちまったじゃねぇか。拾えよ、俺は客だぞ?」と舐め切った態度を取られる。
酔っぱらい相手なのだから適当にあしらえばいいものを、MAKIDAIメンバーの中のチョイ悪な男気がそれを許さない。
結果、ライターを拾ったはいいがそのままテーブルに叩き付けてぶっ壊し、益々ブリテン野郎をキレさせるMAKIDAIメンバーなのでした。

あるいはこうだ。
イギリス人上司の言うがままに罪をでっち上げ、警察の腐敗の手足となって働くどぶろっくのギター似の刑事さんに説教をぶちカマすシーンがある。
かつて、ドニー師匠も似たような状況で説教を決めたことがあったが、その際にも、「我々の行いを子供たちが見ている!」と、非常に教育的なスタンスだったが、MAKIDAIメンバーは違う。
「警察…だよな?どぶろっくのギターの方じゃないよな?と、チクリと嫌味の効いた物言いで、益々どぶろっく刑事をヒートアップさせていた!

そんな、舐められたままじゃ済まさねぇヤンキースピリッツにときめきしきりな俺だが、やはりときめきレベルマックスで完落ち状態となるのは何と言ってもデイヴ・バウティスタとのラスボスバトルだ。

これまでのシリーズでも、特にラスボスバトルにおいて、見る者の胸を熱くさせる神がかった演出が印象的だったが、本作においても健在というか、ラスボスバトルに限って言えば最高峰!というレベルだ。

粗筋説明の通り、本作のMAKIDAIメンバーは、武術家としての立場は捨て、戦う際にも詠春拳は封印し、木人は物干しと化している。
見ているこちらとしても、ドニー師匠に肉薄するほどの使い手の現状に、息子のフォンくん同様やきもきしていたものだ。
そうして向かえたデイヴ・バウティスタとの最後の戦いにおいてさえも、始めのうちは詠春拳ではなくシンプル格闘スキルで戦っていた。
しかし、デイヴ・バウティスタの圧倒的なパワーの前に終始押され気味で、ついには痛撃を受けてダウンを喫してしまう。

MAKIDAIメンバーでもダメなのか…。
MATSUさんの仇も取れず、悪がのさばり続けてしまうのか…。

絶望的な雰囲気が流れる中、父の勝利を信じる息子フォンの姿が映し出される。

「パパは必ず勝つよ。だって僕のヒーローだもん」

その言葉を待っていたかのように、壊れていたバッタモンのおもちゃが動き出す。

暗闇の中に浮かび上がる壊れた木人。
その失われていたパーツが組み上がる!

そして、立ち上がり、構える!

あぁ!その構えは!!

帰って来たぞ!
MAKIDAI師匠が帰って来たぞ!

そこからの、言わば力対技の攻防も見事で、先程までの劣性をグイグイ巻き返していくMAKIDAI師匠の勇姿は、それまで頑なに詠春拳を封印し続けてきたことも相まってカタルシス十分!
最終的にはデイヴ・バウティスタも、ただの固太りのオッサンに成り下がっていた!

上記の通り、甘いマスクに細マッチョ、チョイ悪気質で腕っぷしも強く、おまけに子煩悩と、女子がときめく要素全部乗せなMAKIDAI師匠。
これには俺の中のときめきのオルゴールも鳴り止まず、「よし、するか!結婚!」とビビっとくる他ない!
例え相手がコブ付きの宿無しだったとしてもだ!

そんなわけで、格闘アクション、男気、ときめきメモリアルと、いつもの魅力を堪能しつつ、思いがけず、EXILEや『ときメモGirl'sSide』もエンジョイし、最終的にはMAKIDAI師匠のセクシーさに完落ちする結果となった本作。
ぶっちゃけ、ストーリー的には乱暴なところもあるし、ラスボスバトル後のグダグダ感はなかなかのものだが、恋は盲目だから問題はなし!(『うっせぇわ』のリズムで)

本作を見終えて、改めて俺に言えることはこうだ。

みんなもしよう!恋を!
春は発情期だしな!