5月14日は俺の39才の誕生日だと言ったな?

あれは嘘だったらどれほど良かったでしょう。(米津メイトリックス)


ともあれ、誕生日前後ということで、先日の日曜日、運転免許の更新のため、免許センターを訪れた。

実を言うと前回の免許更新時において、うっかり更新期限を過ぎてしまい一度免許を失効したことになっている。(超絶無能)

このため今回の更新は初回扱いとなり、二時間の講習を受講するという試練を課されることとなった。


それはまあ、完膚なきまでに自業自得なので仕方ないとして、一つ失念していたことがある。

初回更新時講習ということで、受講者は基本的に免許を取得して間もないような若者ばかり!

教室をぐるりと見回してみても、明らかに一人、場違いなオッサンがいる!

すなわち俺ですね。

どうやら、更新をミスるようなアホは俺だけだったようだ!


さて、思いがけず若者の群れに放り込まれることとなった俺だが、オジサンすぐに教室内の違和感に気付きましたよ。


…なんかめっちゃいい匂いがする!


半数は男であるにも関わらず、教室内を満たすこのもぎたてフレッシュなフレグランスはどうだ!?

自身が年を重ねるにつれ必然、日常生活の中で10代や20代の若者と触れ合う機会など皆無と言ってよく、久方ぶりの若者に満たされた空間というのは、ちょっとした衝撃だった。


こうして始まった初回更新時講習。

俺の眼前に着座したのは、華奢で小柄な女性、おそらくは大学生であろう。

ピンクの薄手のニットにロングスカート、ほんのり茶色く染めた髪は肩のあたりまでサラリと真っ直ぐ艶やかに伸びている。


常日頃から「ムチムチのMilfがームチムチのMilfがー」と連呼する俺だが、華奢で若いのもいいなって。(最早なんでもいい説)


俺に対しては背を向けているのでそのご尊顔をはっきりと捉えることができなかったのは痛恨の極みだが、彼女もまた、一際いい匂いがした。

えずくようなドギツイ香水の香りなどではなく、あくまで爽やかに、それでいて甘美な、実に心地好い香りだ。

強烈なインパクトで香りを押し付けてくるのではなく、思わずこちらから嗅ぎに行きたくなる香りとでも言いましょうか。

彼女がそのサラツヤヘアーを僅かにかき上げる時、そんな優しいフレグランスが俺の鼻腔をくすぐる。

俺が二時間の講習の間、後ろ髪の隙間から時おり垣間見えるうなじから肩にかけてのラインをガン見しながらクンカクンカしていたことは言うまでもない!


ふふふ、彼女もまさか、後ろのオッサンに嗅がれているなんて思いもよらなかっただろうよ。

憂鬱なばかりの免許更新の手続きにおいて、思いがけない誕生日プレゼントを天から賜ることとなったのだった。


はい、そんなわけで今回も、自分への誕生日プレゼントとして5枚セット1000円で購入したDVDのうちの一つを、引き続き紹介していきたいと思います。

『マスターズオブホラー』

マスターを名乗るホラー映画が遂に登場!?
先を行き過ぎた視聴者参加型でお送りする珠玉の5本立て!
間違ってもいい匂いはしなさそうな恐怖のレイトショーが、今始まる!

それではストーリー!

夜の街にひっそりと佇む無人の映画館、「リアルト」
そこへ、何やら痴話喧嘩中と思しきピッチピチのビッチがやって来る。
↑ホットパンツとピチTが最高にホットだ!

彼女は、誘われるようにして劇場にイン!
入館料を払っていないにも関わらずだ!
果たしてスクリーンには、血まみれで謎の殺人鬼「溶接男」から逃げ回るピチピチビッチの姿が、そこにはあった!

銃弾をも弾く無敵の溶接男!
毎度お馴染みクソの役にも立たない警官!
バーナーでお腹の中からこんがり焼かれる彼ピッピ!

果たしてスクリーンの中のピチピチビッチは、溶接男の魔手から逃れ生き延びることができるのか!?
そして、溶接男の目的とは一体!?


…続いてリアルトにやって来たのは、見事なまでの色ボケバカップル。
「映画館の中でヤッたらきっと興奮するぞ!」という、昆虫以下の動機で劇場にイン!
↑最早男と女というより棒と穴!

もちろんそこで上映されていたのは、バカップルが出演する謎のホラー映画。

幼い頃の事故で顔に大きなアザがあるヒロイン。
心優しいイケメンダーリンとの挙式を間近に控え、長年のコンプレックスであった顔のアザを除去すべく、美容整形クリニックを訪ねる。

美容整形はアカン…。

案の定というか何というか、このクリニック、何かがおかしい。
頼んでもいないのに鼻だの顎だの、整形をガンガン勧めてくる。
いつやるの?今でしょ!

遂に明らかになるクリニックの狂気!
どう見ても共犯者な彼ピッピ!
増えるオッパイ!

果たして彼女は、美しい顔と幸せな新婚生活を手に入れることはできるのか!?
そして、劇場での交尾は気持ちいいのか!?


…えー、続きまして、ショートコント「マシット」
主人公は心優しい神父さん。
美人なシスターらと共に寄宿学校?のようなものを運営し、子供たちの面倒を見ていた。
しかし一人の少年が突然、教会の屋根からダイブ!
少年の死を目の当たりにした少女の身にも異変が生じ、教会は不穏な空気に包まれていく。
美人シスターが文献で調べてみたところ、一連の悲劇は情欲の悪魔「マシット」の仕業に相違ない!

神父さん「神聖な教会がどうして情欲の悪魔なんかに魅入られたのか、皆目分からんなぁ!(パンパンパンパン)」

あっ…(察し)

地獄と化した神の家!
一斉に武装蜂起する子供たち!
折り重なるシスターとMilf!

果たして神父さんは、悪魔マシットを退け教会に平和を取り戻すことができるのか!?
そして、僧衣で立ちバックはなんてエロいんだ!!


…次なる主人公は、明らかに疲れた感じのMilf!
スクリーンの中の彼女は、二人の息子を連れて精神科を訪れる。
彼女の目に映る世界は、物も人も、刻一刻と醜く変化していく。
唯一、二人の息子を除いて…。
↑モノクロでお送りする疲れたMilf

外見がクリーチャーになってしまう美人受付嬢!
猿顔の先生!
唐突に繰り出されるSF的会話!
エログッズのような拳銃!

果たして疲れたMilfは、謎の怪現象を解決し心の平穏を取り戻すことができるのか!?


…最後のお話は、その名もズバリ『死亡』
ピアニストを夢見る少年ライリー。
しかし、ピアノの発表会の帰り道に暴漢に襲われパパとママは殺され、ライリーくんも銃撃を受け重傷を負ってしまう。
17分ほど心臓が止まっていたものの、医師たちの懸命な治療により一命を取り留めたライリーくん。

生還したはいいがどうにも様子がおかしい。
死んだはずのママを始め、どう考えても見えちゃいけないものが見えてしまう。
自殺未遂で同じく6分ほど心臓が止まっていたギャルが言うには、臨死体験が原因で死者が見えるようになったのではないかということだ。
そんな退っ引きならない状況の中で、パパとママを殺した暴漢の男が、目撃者でもあるライリーくんに止めを刺すために病院に乗り込んできたからさぁ大変!

ライリーくんをあの世に熱烈勧誘するママ!
冷たくなったギャルと添い寝するライリーくん!
想像以上に戦闘力の低い暴漢さん!

果たしてライリーくんは、この八方塞がりな状況で生き残ることができるのか!?
そして、ライリーくんを助けるギャルがマジ天使!





…さて、いかがだっただろうか?
ご覧の通り、不思議な劇場リアルトを舞台に、5人の監督による5本立てオムニバス形式でお送りした本作。
必然、一本一本の上映時間は短いものの、時間が短いからと言って小さくまとまってしまった小粒な作品ばかりと考えるのは、ビッグミステイクだ。

5本それぞれに毛色が違い、「スラッシャー物かと思ったらエイリアン物だったでござる」「サスペンスかと思ったらSFだったでござる」「『エクソシスト』かと思ったら『フロム・ダスク・ティル・ドーン』だったでござる」などの驚きのどんでん返しを披露。
さらに、見応えのある残酷描写、グロ描写もしっかり用意するというクオリティの高さである。

まさに、一流パティシエの手による極上スイーツ詰め合わせセットをプレゼントされたような喜びで、「ホラー映画の『キラキラ☆プリキュアアラモード』や~!」と、歓喜するしかなかった。

中でも個人的にオススメなのが、「『エクソシスト』だと思ったら『フロム・ダスク・ティル・ドーン』だったでござる」こと『マシット』
冒頭から、子供が飛び降り自殺を決めるというショッキングなシーンから始まり、前半はダリオ・アルジェントみ溢れる不穏かつ荘厳な音楽と鮮やかな色彩が印象的な映像で見る者をグッと引き込んでくる。

これが終盤になると、まるで何かタガが外れたかのように大胆にシフトチェンジ。
「あれ?ロバート・ロドリゲスかな?」と錯覚してしまうような、容赦のないジェノサイドモードに突入する。
相変わらず荘厳な音楽に乗せ、景気よく宙を舞う子供たちの手足や生首は、いっそ神秘的でさえある!

他にも、『エクソシスト』リスペクトなポーズで現れる悪魔憑きの男児や、ジャッキー作品ばりのアクションでふっ飛ばされる女児、剣を携えて逆光で佇む無駄にかっこいい神父さんなど、見所は非常に多いが、監督のサービス精神はまだまだ留まるところを知らない。

そう、5本の作品の中で最もエロいのが本作だ。
まず何と言っても、おそらくは本作のヒロインであるところの美人シスターの佇まいである。
常に純白の僧衣を身に纏い、飛び降りようとする子供を助けるために自ら危険な屋根に登るという愛の深さと勇気を併せ持つ彼女。
しかし夜になれば聖女から性女にジョブチェンジ、純白の僧衣はそのままに神父様にドギースタイルでガンガン突かれているというエロアニメのような展開だ。
今まさに繋がっているというシーンももちろんエロいのだが、その後、ドアの向こうの物音に慌てて着衣の乱れをいそいそと直すシーンが、それはそれはエロくてねぇ…。
↑いそいそ…

これまで取り立ててシスターが好きというわけではなかった俺だが、純白の僧衣でいかにも清廉潔白そうなシスターが汚されていく様はこれ程にエロいのかと、まさに天啓を受けたような心持ちだ!

さらに付け加えるなら、本エピソードに登場する美人母娘が滅法エロい!
まぁこの母娘、作中でも随一の不幸に見舞われるのだが、やっぱりエロいMilfはエロいなぁ!と、アホの子の顔をして再確認するしかなかった!
↑はぁ…クンカクンカしたい…。


さて、それでは最後に、本作における最重要キャラを紹介して終わりたい。
オムニバス形式で各話監督も違い、それぞれの話に直接の繋がりはないわけだが、共通する舞台となるのが劇場リアルト、そして、観客をスクリーンの中の惨劇へと誘うのが、映写技師の男だ。

…ミッキー・ロークじゃねぇか!!

ご覧の通り、「お前のような映写技師がいるか!」とシャウトしたくなるような出で立ちのミッキー・ローク。
一体何者なのかと問われても、「忘れ得ぬ銀幕に映された百年の悪夢の管理人さ」などと、中二病全開な台詞を吐くなど、その存在感は抜群だ。

ちょっと何言ってるか分からない。

そんなわけで、いずれ劣らぬ珠玉の5本詰め合わせセットに、おまけにミッキー・ロークまでついてくるという大変に満足度の高い結果となった本作。

折しも、39になった俺としては、今年は心にサンキューの気持ちを忘れずに生きていきたいと考えていたところだ。
素敵な作品に出会わせてくれてサンキュー、シスターのエロさに気付かせてくれてサンキュー、ミッキー・ロークもサンキュー、そして、免許センターで出会った名も知らぬ女子大生も、いい匂いを嗅がせてくれてサンキュー!

このように思っている次第だ!

情欲の悪魔マシット「次はお前んち行くわ」