突然ですが皆さんに質問です。(こいついつも突然だな)


大きいオッパイと小さいオッパイ、どちらが好きですか?


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………………

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僕のことは嫌いになっても、オッパイのことは嫌いにならないで下さい!!


巨乳か微乳か…有史以来気が遠くなるほど繰り返されてきた不毛な論争だ。

不毛と言えば、「無毛がいいか、有毛がいいか」という話もあるが、そこまで言及するには俺の経験値が低すぎるので今回はやめておこう!


巨乳派は言います。

「貧乳なんて男とヤッてるみたいじゃねぇか」と。


微乳派は言います。

「乳がデカい女は偏差値低そう」と。


…やめませんか?

そうやって、お互いに相手を貶めることで自らの正当性を担保するような振る舞い、やめませんか?


規格外のたわわを初めて「爆乳」と呼んだ人は、どんな気持ちだったのでしょうか?


驚嘆したのでしょう。


控え目なこぶりちゃんを初めて「ちっぱい」と呼んだ人は、どんな気持ちだったのでしょうか?


愛おしかったのでしょう。


昔の偉い人は言いました。

「いくら大きくてもいいのが夢。大きくても小さくてもいいのがオッパイ」と。


私たちはもう一度、この言葉を胸に刻まなければなりません。


「マジまな板で男みたいで萎えた」

「デカ過ぎて奇形みたいで萎えた」

「乳輪がシングルCDみたいで萎えた」

「乳首が干しブドウみたいで萎えた」


それは、あなたの人生が萎えているからではありませんか?


オッパイは、ただそこにあるだけで尊い…。

Let it be…

Let it オッパイ…


なぁ黒男、オスがオッパイの大きさを云々しようなんて、おこがましいとは思わんかね…?


ささやかな胸にわざわざメスを入れて豊胸手術など受ける必要はないし、ましてやBig titsに乳房縮小手術を施すなど言語道断と言わざるを得ない。

「オッパイはただあるがままで尊い」

この真理を人々が忘れた時、世界は悲劇に見舞われるだろう。

具体的にはそう、ゾンビですね!

『YUMMY/ヤミー』

ヴァンダムの母国ベルギーからゾンビ界に殴り込み!?
怪しい美容クリニックから始まるパンデミック!
乳の大きさをいらう愚かさを思い知れ!

それではストーリー!

まずは冒頭、ネットで話題の美容整形外科、クローチェク病院に向かう一行の姿が、そこにはあった。

ヒロインのアリソン、そのダーリンのミカエル、そして、全身改造人間の爆乳ママの三人パーティーだ。

ママが20代の娼婦みたいなナリをしていること意外は、概ね幸せそうに見えるアリソンだが、彼女には深刻な悩みがあった。
それは、彼女のFカップを目の当たりにした男どもが軒並みお猿さんになってしまうという悩みだ!
↑バイ~ン

↑ウキッ!?ウキッ!キキッ!ウキー!!


そんなわけでこの度アリソンは、乳房縮小手術によってFカップとおさらばすべく、当病院を訪れた次第だ。

ちなみに爆乳ママは、娘の付き添いと見せかけて、脂肪吸引だ美白だと完全に私利私欲目的だが、まぁ気にすんな!


今まさに人の道を踏み外さんとしているFカップのアリソンだが、肝心のダーリンは、「君の魅力は胸だけじゃないさ」などとクソ眠たいことを言うばかりだ!


こうして辿り着いたクローチェク病院。
ネットで話題沸騰の美容外科に既にテンション爆上がりの爆乳ママだが、かつて医者を志したダーリンは不信感を募らせていた。
スタッフは病院内でスパスパ喫煙、手術室内でコーヒーブレイク、薬の管理も杜撰、中絶手術でゲットした胎児の幹細胞を実験に利用、そして何より、院長が挨拶代わりにアリソンのFカップを鷲掴みにしてきやがる!

…医者になればオッパイ揉み放題ってマジですか!?

あとこれは細かいことだけど、病院の一室で赤パン一丁で拘束されてる女性がたいそうハッスルしていたよ?
↑おいおい、どんなプレイだよ!

↑あ…(察し)

もう、医学の知識があろうがなかろうが怪しさ満点の病院なので、さすがのダーリンも「出よう!こんな病院で手術を受けちゃいけない!」と、『美味しんぼ』の山岡さんばりに荒ぶれるが、一刻も早くFカップとおさらばしたいアリソンは聞く耳を持たない!

やっぱりオッパイが大きいから偏差値が…。

そうこうしているうちに先ほどの赤パン女さんが脱走し、病院内は無事に美容意識高い系ゾンビで溢れてしまうのだった。

突然の事態にアワアワしながらも必死に生還を目指すアリソンとダーリン。
しかし肝心のダーリンはいきなり、一人で感電して一人ですっ転んで一人で頭打って勝手に死亡!

しかしFカップのアリソンに悲嘆に暮れている時間はない!
一足先に施術を終えた爆乳ママが、どこかでオネンネしている!
てか、何してんのママ!?
未だ麻酔から覚めないママをベッドごと押して病院内を爆走する勇ましいアリソンだが、そんなことよりFカップにしか目がいかないのであった!
↑やっぱデケェなぁ、おい!

ほどなくして、(Fカップを鷲掴みにした)院長並びにいくたりかの病院スタッフと合流。
院長曰く、「若返りの研究してたらゾンビができちゃった、テヘペロ」ということだ!

こうして始まったFカップちゃんの院内サバイバル。
次々と脱落する生存者たち!
実は生きていたダーリン!
生きててもクソの役にも立たないダーリン!
この期に及んで狙われるFカップ!
この期に及んで盛る患者たち!
燃えるチ⚽コ!
もげるチ⚾コ!


果たしてアリソンは、地獄と化した病院から脱出し、無事にBカップを手に入れることができるのか!?


やっぱデケェなぁ、おい!





…ウキッ!
ウキー、ウキキ、ウキウキ、キキキー、ウッキッキッ、ウキャ、ウキッ、ウキーーー!

…ハッ!?
すまない、どうやらお猿さんになっていたようだ。
オッパイはあるがままで尊いとか偉そうなこと言っといて、オッパイには勝てなかったよ…。

俺のレビューでは結局、おっきなオッパイにお猿さんになる魔法をかけられたという事実しか伝わらんかも知れんが、実はゾンビ映画としてもきっちり痒い所に手が届く、そんなニクい出来映えになっている。
病院というある程度限られた閉鎖空間を舞台に、主人公たちがゾンビパニックの中を右往左往するというシンプルな設定で、あとは心置きなく、エロ(オッパイ)とグロ(ゾンビ)に全集中すれば良いという寸法だ。

さて、その肝心のゾンビ関連であるが、これはなかなかに塩梅のいい残酷描写のオンパレードだ。
本作を代表するシーンでもある、千切れた下半身からはみ出た自分の臓物を貪るゾンビ。
脂肪吸引ならぬ脂肪注入で破裂する腹。
ゾンビではお馴染みの、噛まれた手を自ら切断するシーン。(成功率1%以下)
ある意味一番痛そうな指詰め。
投げ縄にされる腸。
さらには、ゾンビの血を浴びてリボーンする謎の実験生物等々、インパクトのあるシーンは枚挙に暇がない。
↑これがほんとの自給自足や!

↑やだ、ちょっと可愛い?

さらに、ゾンビ映画というB級グルメを堪能する上で欠かせないスパイスと言えば、不必要にキャラの濃い登場人物たちだ。

一見、一番まともそうに見えるFカップちゃんのFカップが、どう見てもFカップどころじゃないのは置いとくとして、そんなFカップを見事にゲットしたダーリンの、映画史上最も使えないダーリンっぷりはどうだ!?
血が苦手だから医者の道を諦めたという過去を引っ提げ、都合二回にわたり盛大にゲロをぶちまける。
ゾンビと対峙してもすっ転び、謎の小動物と対峙してもすっ転ぶ。
やる事なす事全て裏目で空回り。
あれだけイチャイチャしていたFカップちゃんにも呆れられ、寝取られ寸前までいっていた!

胡散臭さ満点のクローチェク院長率いる病院スタッフの存在感も見逃せない。
まずは院長の右腕として悪事にも加担していた美人女医さんだ。
少々若作り感は目立つものの、Sっ気の強そうな言動と相まってまぁまぁ俺の性癖に刺さる彼女。
ゾンビに噛まれた院長の脳天を容赦なく手斧でかち割ったり、秘密を知った野郎にゾンビをけしかけたりとエキセントリックな行動が目立つ一方、セクシーな黒ブラジャーを露にする生着替えシーンも披露。
一部俺の目を存分に楽しませてくれるのだった。
↑せ、先生!僕の泌尿器が変なんです!

次に、ほんのりヒロシに似ている男性スタッフだ。
↑「ヒロシです…」

自虐というよりむしろ他虐の激しいヒロシ。
「中絶で人類滅亡に貢献している」「整形後の女はちょっと誉めるとすぐヤれる」「年増はお断りだ」などと毒舌を吐き、病院のモルヒネでトリップをキメるというオーバーザモラルっぷり。
その言葉通り、ゾンビパニックの中で傷心のFカップちゃんを積極的に寝取りにかかる。
最終的には彼もゾンビに噛まれ、ゾンビ化を待つばかりとなってしまう。
この時の彼がFカップちゃんに襲いかかりながら放つ「死ぬ前に触らせろ」並びに「噛まれたくなかったら大人しくしろ」という最低な発言は、ある意味で男の本音を集約しているのだった。

また、病院スタッフ以外にも、尻のタトゥーを消しにきた処女や、チ◯コをデカくしにきたテレビタレントのオッサンなど、患者もどうかしているやつらばかりだから油断するな!

こうして見ると、ぶっ飛んだキャラクターにぶっ飛んだグロ描写で、頭を空っぽにして見るに相応しいまごうことなきB級ホラーと思われるかも知れない。
しかし、ジャケ裏のコメントによると、本作の監督はロメロやサム・ライミにリスペクトを捧げ、「ゾンビ映画には社会に問題提起するようなテーマが必要!」と豪語するような男である。

「どこにあるんだよ、そんなテーマ…」と、並の人間なら思ってしまうだろうが、僕の目は誤魔化せませんよ!
考えてみてほしい。
本作のヒロインであるFカップちゃんは、両親からもらった大切な体にメスを入れてまで神から授かったFカップを小さくするという悪魔の思想にとり憑かれてしまったがために、このような悲劇に見舞われることとなった。
これはすなわち、ありのままの自分を受け入れることの大切さと、やたらカジュアルに整形にトライしてしまいがちな昨今の風潮に警鐘を鳴らすものではないだろうか?

例えその原因がバカなお猿さんたちにあるとしてもだ!

「考え過ぎだよ!」と思われるかも知れないが、その証拠となるシーンが他にもある。
先述の、チ◯コをデカくしにきたオッサンと尻のタトゥーを消しにきた処女が二人で身を潜めるシーンだ。
尻タトゥー女の「処女のまま死にたくない!」という、どこかで聞いたことがあるような台詞を合図に、ゾンビパニックの中交尾をおっ始める二人。
増大手術を受けた直後のオッサンが、「優しくして…」などと宣いながらの合体だ!
こうして無事にことを終え、「やっぱりデカいといいな!」と満足げなオッサン。
ちょっとヒリヒリするので一応水で洗っておこうと蛇口をひねるが、出てきたのはなんと熱湯!
慌ててオロナインっぽい何かをチ◯コに塗りたくるが、余計にヒリヒリする!
一体どんな成分が入っているのかとマッチの火を近付けたところ、塗り薬とチ◯コに引火!

さっきまで処女だった彼女がオッサンの燃え盛るチ◯コに消火器を噴射しまくり、無事にチ◯コは鎮火したものの、チ◯コの先っちょがコロンって…。
↑コロン…。

あまりのことにすっかり正気を失ったオッサンは、先っちょを大事にポッケにしまい、「今すぐ医者に見せるんや!」と叫びながらゾンビの群れに突撃していくのだった…。

この、火傷→炎上→モゲの一連のシーンは、本作随一の情けない死に方であり、鑑賞中の俺も、爆笑しつつも心がチクリと痛んだものだ。
お分かり頂けただろうか?
ここでもやはり、ありのままのサイズを受け入れられなかった男の悲劇が描かれているのだ。

折しも昨今は、多様性の名の元に、ありのままの姿を尊重していこうという機運が高まっている。
本作においても同様のテーマが込められていたとしても、なんら不思議はない。

そんなわけで、モラルの欠片もないB級ホラーの中に重厚な社会テーマを孕んでいた本作。
俺としても今後は、大きなオッパイも小さなオッパイも等しく慈しむように、俺の股間のSサイズちゃんも愛していこうと思う!

でもまぁ…やっぱりおっきいオッパイは見ちゃうよね!