えー、突然ですがこれから、皆さんには、俺がここ15年くらいの間に心奪われた2次元キャラの話を聞いてもらいます。
社会不適合者の戯れ言など聞く耳持たない?
聞いてもらいます。
まずは最近の作品、『恋は雨上がりのように』のヒロイン、橘あきらちゃん!
続いて、『けいおん!』より、秋山澪!
『キルラキル』より、鬼龍院皐月!
『スタードライバー』からは、ニチ・ケイト!
『世紀末オカルト学院』からは、神代マヤ!
『あずまんが大王』より、榊さん!
『To Heart』より、保科智子!
そしてそして、こんな俺の好みの源流とも言うべきヒロイン、『きまぐれオレンジロード』の鮎川まどか!
いよいよラストを飾るヒロインは、こいつだ!
『エイリアン2』バスケス。
2次元じゃねーじゃねーか!
まあ、物語の登場人物ということで、広義の2次元と言えなくもない!
同好の士からは、「バスケスをオチみたいに使うんじゃねーよ!」という叱責も聞こえてきそうだが、幼き日の俺が、彼女に魅せられたのは紛れもない事実だ!
むしろ、その他のヒロインと比べても、より古い記憶の、いわば原初のときめき体験である!
そんなわけで今回のお話はこちら!
もうね、こんな、この世の果てで変を唄うオッサンみたいなブログで、今さら紹介する意味が分からないほどの、メジャータイトルですよ。
『エイリアン』シリーズで戦うヒロインと言えば、誰しもシガニー・ウィーバーを思い浮かべるでしょう。
大物女優であるにも関わらず、変な映画の変な役どころでちょくちょく出てきてくれるので、個人的にもやたら好感度の高い女優さんだったりする。
しかしながら、本作に限って言えば、真のヒロインは間違いなくバスケスである!と言わざるを得ない。
ということで、ここでは、バスケスをフィーチャーして紹介していきたいと思います。
前作、『エイリアン』から57年経った世界。
シガニー・ウィーバーたちがエイリアンに襲われたあの事件は、なかったことにされ、あの惑星では現在、植民星として開拓すべく、大気製造工場なんて夢のような施設をこしらえて、60家族ぐらいが絶賛入植中。
ところが、突然、この惑星との連絡が途絶える。
そこで、最強を誇る海兵隊に指令が下る!
かの惑星の調査に赴き、必要とあらば現地住民を保護せよ、と。
そして、屈強な海兵隊員の中でも、女だてらに、他の誰よりも勇猛な兵士が、我らがバスケスである。
睡眠カプセルによる長時間の航海から目覚め、他の隊員たちが微睡む中、起き抜けに懸垂でパンプアップを図るほどの猛者っぷりである。
そういえば、『ターミネーター2』のリンダ・ハミルトンも、懸垂しながら登場してたなぁ!
他の隊員たちも、性格には問題ありまくりだが、最高に頼りになるガイたちばかりだ!
彼らなら、困難な任務も、無事に遂行してくれるに違いない!
強いて、不安な点をあげるなら、57年間もコールドスリープで宇宙をさまよっていた謎の女、シガニー・ウィーバーが、やたら「エイリアンがー、エイリアンがー」としつこいことと、作戦の指揮をとる中尉殿が、実践経験皆無であるということくらいだ。
しかも、バスケスに、「降下経験は何回か?」と聞かれれば、「38回だ。…シュミレーションで」と、微妙に強がってみせるダメ男ぶりである。
そんなこんなで、例の惑星に到着し、早速、居住区の調査を始める一行。
化物みたいな銃を携えて、先陣を切って突入するのは、やはりバスケスだ!
しかし、60世帯が暮らしているはずの居住区には、全く人の気配がない。
辛うじて、幼い少女を一人保護するが、人語を忘れるレベルで怯えきっており、何が起きたかは分からないままだ。
その後、ハイテクマシーンを駆使して探索した結果、大気製造工場の地下に、住民らの生体反応を発見する。
「やった!彼らはまだ生きてる!」と、使命に燃える隊員らの瞳に希望が宿る。
早速、大気製造工場へ突入だ!
もちろん先陣はバスケスで!
しかしそこは、皆さんご存知の通り、すでにエイリアンの巣窟。
住民の皆さんも、まだ生きてはいるものの、エイリアンの繭にされた状態だ。
繭にされた一人の住民の腹から、エイリアンの幼体が飛び出してきたのを皮切りに、そこかしこに潜んでいたエイリアンたちが、海兵隊員らに襲いかかる!
屈強な兵士たちも、強力な未知の生物の、突然の襲撃に、パニックに陥り、一人、また一人と餌食に!
さらに、離れた安全な場所で指揮をとっていた中尉殿が、現場以上にパニックに陥り、なんの指示も判断もできず、事態を悪化させる!
業を煮やしたシガニー・ウィーバーが、中尉殿の命令をガン無視して、装甲車で工場に強行突入し、生き残った隊員らをピックアップ、這う這うの体で辛くも脱出する。
しかし、脱出直前、バスケスと一緒に懸垂をした間柄の隊員Aが、エイリアンの酸の血液を浴びて脱落してしまう。
バスケスは、炎とエイリアンの大軍が押し寄せる中へ、隊員Aを助けに戻ろうとして、他の 仲間に止められるという、熱い男気を見せる。
そう、バスケスにとっては、一緒に懸垂をすればもう、命を懸けるべきメイトなのだ!
一方その頃、中尉殿は、脱出のどさくさで、なんか棚の上から落ちてきた荷物で頭を打って昏倒するという、映画史に残る使えなさっぷりを発揮していた。
そんな中尉殿を見て、大切な仲間を失ったバスケスは、気を失っているのもおかまいなくぶん殴り、怒り心頭の様子だ。
ともあれ、こんな恐怖の惑星からは、一刻も早く脱出するしかない。
上空に待機させている母船から、遠隔操作で船を一隻呼び寄せて、この星から華麗にオサラバしようという作戦を決行するのだが、問題が2つ。
先程のドンパチではっちゃけ過ぎたために、大気製造工場が今にも大爆発しそうということと、エイリアンの大軍が居住区にも押し寄せてきているということだ。
ここからはもう、時間との勝負だ!
エイリアン軍団を迎撃しながら、船のピックアップポイントを目指す、高難易度の撤退戦だ!
殿を務めるのは、もちろんバスケスだ!
通気孔の中で、上から後ろから襲いくるエイリアンを、ちぎっては投げ、ちぎっては投げの大活躍を見せる!
しかしそこは、多勢に無勢である。
化物銃の弾も尽き、それでも豆鉄砲みたいな銃で応戦するも、ついに酸の血液を食らい、いよいよ進退極まった!
その時、絶体絶命のピンチに、バスケスを助けに颯爽と現れたのは、先行して逃げていたはずの、映画史上最も使えない男、中尉殿だ!
あの、ピンチにはテンパって何もできなかった男が、エイリアンだらけの死地に自ら飛び込んで来た!
バスケスを助けるために!
しかし現実は無情だ。
使えない男が一人加勢にきたところで、事態は一切好転しない。
あっという間に中尉殿の弾も尽きて、再び絶体絶命だ。
これを好機と見て、エイリアンどもも駆け寄ってくる!
ここで中尉殿が、作中で唯一の、神速の決断を見せる!
懐から爆弾を取り出し、自爆する気満々の構えだ。
中尉殿の決意を、目と目で通じあったバスケスは、「あんたって本当に、どうしようもないダメ男だよ」と最後まで悪態をつくが、その表情は、まんざらでもない感じだった!
こうして二人は、一緒に強く爆弾を握りしめ、大量のエイリアンを道連れに、派手に散るのだった…。
『エイリアン2』完!
まあ、この後、体が半分になったオッサンが、超頑張ったりしてた気がするけど…、
『エイリアン2』完!!
どうだろうか?
幼い日の俺が、「やぁ、なんてかっこいいおねいさんなんだろう」と、心を鷲掴みにされた気持ちが、理解して頂けただろうか?
ジェンダーフリーの昨今である。
戦う強い女性が、シンボリックに描かれる作品は、最早珍しくもない。
しかしこのバスケスはどうだろうか?
男だからとか、女だからとか、そんなことに重きを置いてはいない。
ただただ、己自身が強くあれ、それだけである。
真の意味で、ジェンダーフリーである。
男、女、バスケスである。
そして、ただ強いだけでもない。
基本的にガラは悪いが、メイト認定のハードルは激低な、そんな包容力も合わせ持っている。
一緒に懸垂をすればもう、命を懸けるべきメイトである。
さらに、ついさっきまで殺してやろうかというくらいに憎んでいたへっぽこ上官でも、命を懸けて男を見せたなら、共に爆死しても、まあ良し!という、懐の深さである。
例え結果的に、クソの役にも立たなかったとしてもだ!
人間として、かくありたいものである。
そして、「わたし男っぽいってよく言われるの~」とか、「わたしサバサバしてるから~」とか言う女子には、かくあってほしいものである!
最後に、余談中の余談だが、エイリアンの造形は、男性器をモチーフにしているらしい。
その話を聞いた俺は、『エイリアン』がより一層好きになったものである!
バスケス「あんたって本当に、どうしようもないダメ男だよ!」