前回までのあらすじ。

ヴァンダムが国境警備隊に入り、麻薬組織に八つ当たりするのが『ザ・プロテクター』

ヴァンダムがボクシングの元チャンピオンを守る、ヴァンダム版ボディーガードが『ザ・ディフェンダー』

みんな、覚えたかな!?

それを踏まえて今回は、ヴァンダムと並び、世界で最も愛すべきアクションスターの一人、ドルフ・ラングレンの、監督、主演作品。


『ディフェンダー』

もういい加減にしてくれ!

ヴァンダム作品だけでも手一杯だというのに、タイトルと内容が一致しない作品軍に、ラングレンまで加わってきた!
いや、一旦落ち着け。こういう時は、邦題ではなく、原題で覚えた方が分かりやすかったりするものだ。

原題、『THE DEFENDER 』

もうダメだ。

そんなこんなで、もう半分諦めつつ、ストーリーを見ていこう。

1991年、イラクの砂漠地帯。
テロ組織と激しい戦闘を繰り広げるも、何人かのアメリカ兵が人質に取られ、ボコボコに拷問を受ける。
そんなハードな過去を持つ男がラングレンだ!

時々昔のトラウマに苛まれるも、軍務で培った戦闘スキルを活かして、今はボディーガードのようなことをしている。

ちょっと待ってくれ、『ザ・ディフェンダー』のヴァンダムと一緒じゃねぇか!!

今回の任務は、ルーマニアの平和会議に出席する、国家安全保障局担当補佐官のオバサンの護衛だ。
割と簡単な任務とたかをくくって、ヘラヘラしながら任地へ赴くチームの面々。
しかし実際には、平和会議には出席せず、湖畔のシャレオツなホテルで、謎の客人と極秘の会談を持つのだとか。

詳しいことは一切教えず、妙に意味ありげに秘密主義なオバサンに、若干イラっとするラングレン。
実は国内では、テロに弱腰な「平和法案」とやらを通そうとする大統領と、その反対派とが対立し、なにやらキナ臭くなっており、オバサンは大統領の命で動いている様子。

そんな不穏な事情はおかまいなく、いまいち気合の入らないチームの面々。
フードにメガネにマスクという、怪しさマックスの出で立ちで現れた密会相手がやって来ても、チームの紅一点がラングレンにやたら色目を使ったり、仲間のオッサンが下ネタを連発したりと、だらけ切っている。
案の定、ホテルは謎の傭兵軍団にボコボコに襲撃され、仲間は何人かやられるし、オバサンと謎の客人はいなくなるしで、踏んだり蹴ったりだ。

次々と投入される傭兵軍団の猛攻をかいくぐりながら二人を探していると、本棚の隠し扉という、えらくベタな物を発見する。
奥の地下通路をさらに捜索して、なんとか二人を発見するが、密会相手とは実は、テロ組織のリーダーだったのだ!
拷問された記憶がフラッシュバックして、さらにイラっとするラングレン。
しかし、このテロ組織のリーダー、実は、テロ組織のリーダーに扮したCIA の潜入捜査官だったのだ!

さぁ、収拾がつかなくなってきたぞ!

真相はこうだ。
大統領の周辺に、平和法案に反対して大統領失脚を目論む裏切り者がいる。
大統領の側近がテロ組織のリーダーと密会したとなれば大スキャンダルなので、裏切り者は現場を押さえようと動くだろう。
つまりこの密会は、内部の裏切り者をあぶり出すために、オバサンたちが自身を囮にした一大茶番劇だったと。

とりあえず、敵味方双方に言いたい。
もっと他に方法があっただろう!と。

こうして真相が明らかになった頃、本国では、裏切り者たちは、逮捕されたり自害したりして、一足先に勝手に解決。
しかし現場では、傭兵軍団にルーマニア警察まで入り乱れてドンパチが拡大するわ、ラングレンに色目を使ってた仲間の女が、実は裏切り者の一味だったわで、一層収拾がつかなくなっている!

女の銃弾で深手を負い、絶体絶命のラングレンだが、銃より速い投げナイフが炸裂して、なんとか女を倒す。

その後どうやって収拾をつけたかって?

ラングレンは意識を失って救急車で運ばれてたので、そんなことは知らん!

こうして、ラングレンの、ややこしい戦いは幕を閉じた。
タイトルこそヴァンダム界隈の作品群と見分けがつかないが、ラングレンがメガホンを握っただけあって、その内容は一筋縄ではいかなかった。
いいか悪いかは別として!

なんか、テロとの戦いに対する、ラングレンなりのメッセージとかあったのかもしれないが、見終わって思うことはこうだ。

最初から最後まで、銃声が響いてたなぁ。