私の一番古い記憶は0歳の頃。
寝ている私。
ドロドロとした眠気。
寝ても寝ても眠い。
目覚めても、次の瞬間には
眠りに落ちてしまう。
どれくらい寝ているのか。
いや、そもそも、何故寝ているのか。
目覚めなければ。
そんななかで、
たまにはっきり目覚めてる時があった。
目覚めた私がいたのは
天井しか見えない世界だった。
赤ん坊をあやすメリーが
天井から吊り下げられている。
これは何だろう。
下からそれを見上げる私。
身体を動かそうとしても
意思の通りに動くことはできない。
「どうして私はここにいるのだろう。
ここはどこだろう。
私は誰なんだろう。」
そう思ったのが、私の最初の記憶だ。
言葉は当然喋れないが
頭の中で、そんなことを思っていたのだ。
はっきりと覚えている。
自分というものの存在を自覚しながらも
しかし、どこの誰か分からない
どんな世界にいるのかも分からない
とても不思議な気持ち。
その頃の私が
いわゆる赤ん坊と呼ばれるものだったと
わかるのは、もっと後のことになる。
ただ、自分の存在と
周りの世界の不確かさが
奇妙ながらも煌めいていて、
また、美しくもあり、
不自由ながらも安寧を感じていたのだ。
そこから、私の旅が始まる。

