第4話 突然2匹目がやってきた!! | tales of tails しっぽたちのお話

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自分の猫を脱走させ、地獄の捜索体験をしたことをきっかけに、野良猫救済ボランティアを始めることに。  私の活動体験を読み、一人でも多くの人が、殺処分ゼロ、不幸な猫ゼロと言う目標に共感してくれることを目指してこのコラムを執筆しています 

 

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時は2011年3月のこと。。。だったと思う。

龍馬の里親になって1か月ほどした頃...だったと思う。

龍馬の譲渡主のSさんから電話電話


「その後龍馬くん、どうですか?正式譲渡ということでいいですか?]

 とSさん。

通常は猫を里子に迎えたら暫くお試し飼育のトライアル期間と言うものがある。 

自分が譲渡するようになった今も、必ず設けている期間だ。

里親,さんとしては、終生飼育を誓ったものの、

実際に猫を家に入れてみて想定外のことはないのか、

また、先住猫と相性はどうかを見極め、

保護主もその里親が猫の生涯に渡り信頼に足る飼い主となり得るのか、お互いに評価する期間である。 

 

龍馬の時も当然その期間はあったはずである。 

しかし、当時の私は、譲渡のプロセスもよくわかっておらず、

実はトライアル期間があったことも今は思い出せない。ショボーン 

Sさんから連絡があって、正式譲渡にするかどうかを聞かれたことは覚えているが、

トライアル期間だったという意識をしたことを覚えていないのだショボーン。 

最初トライアルだと言われたかなあ。

 言われたからSさんから確認の電話があったんだろうけど、本当に覚えていない。

Sさんから、龍馬を正式に迎えますかと連絡があったことは覚えているが、その時、正式に迎えないと言う選択肢があるという意識もなかった。  

 

確かに龍馬は想定とは違った。  

布団に入ってくれないし、友達や親類が来ても隠れて出て来ない幻の猫であったし、決して思い通りの猫にはなっていなかったが、

もっと慣れてくれれば願いも叶うだろうと私は楽天的にとらえていた。

なんたって私はどんな猫にも愛されるはずだという何の根拠もない自信があったのだからニコニコ

 

「このまま迎え入れます」と答えた。

いくら返してもいい期間だと言われても、1か月もうちに居る龍馬に、やっぱり出て行ってなどと言えやしない。

逆に返しますなど、言える人がいるのだろうか、と思う。

 

今、自分が譲渡する立場に立ち、トライアル期間が終了すると、里親さんに「どうしますか?」と聞くが、

返しますなどと言われる事など全く想定していない。 

先住猫との相性が悪い場合は仕方ないと思うが、

それ以外の理由でよもや返そうなどと言うかもしれない人は、最初から私は選んでいないだろう。 

恐らくトライアルまで行きつけていないであろうと思う。 

 

逆に、里親の方も審査されその審判が下る日でもある。

里親としての私は、というと、初日から恐ろしい失敗をしているし、

私が譲渡主だったら、初日から速攻でキャンセルだわな、的な落第点の里親だったと思うショボーン

それでも、一度は家族になろうと受け入れた子である。 それをやっぱり出て行けなどと可哀想で言えるわけもない。

最初は自己中なミーハーの猫好きだった私が、1カ月一緒に暮らしたら、すっかり行き場のない保護猫に情を持つ「立派な里親」に成長していたてへぺろ・・・だろうと思う。

 

ベテランボランティアのSさんは私がそうなるであろうことを見抜いていたのか、驚くようなコメントを発した。

「ありがとうございます。では龍馬ちゃんをよろしく。 

ところで、龍馬ちゃんと仲良かった凛ちゃんというメス猫がいるんですが、その子も一緒にもらってくれませんか?」

 

は? いやいや、一匹しか飼えないって言ったはず。 

仕事も忙しいし、
無理、無理、無理、むりーっ!!ムカムカムカムカムカムカ

と主張するも、

「いや、一匹も二匹も変わらない。 それに龍馬ちゃんのためにも遊び相手がいた方がいいし、

そこのケージは大きいから一緒に入れて大丈夫。」 とSさんに食い下がられる。

そんなあ。欲しいなんて言ってないのにいゲッソリ


「何かあったらいつでも引き取ります。」とSさん。
え? 終生飼育が条件じゃなかったの? ガーン

終生飼育は譲渡契約書にも記載されている絶対条件のはず。

今から考えれば、私は絶対返さないと読まれてしまっていたのかもしれない。
最後はお願い、お願い、お願いと、拝み倒されてしまい、 渋々引き受けることに。

 

間もなくして凛ちゃんがやってきた。
龍馬は私が選んだだけあって、顔もスタイルも抜群だったが、

選ばず連れてこられた凜ちゃんは、

足も短く食いしん坊で太めでまるで狸。

げ、不細工キョロキョロ

容姿端麗、頭脳明晰の龍馬とは全然似てないじゃん、不合格!というのが正直な第一印象。


凜ちゃんは、1か月離れていただけで龍馬には忘れられたのか、シャーシャー威嚇され、

龍馬のケージに居候してすみませんとばかり小さくなっていた。


受け入れを渋った私が、凜ちゃん用にピンクのベッドもちゃんと用意していたのを見て、

Sさんは安心した様子で二匹を置いて行った。

 

私が譲渡する立場だったら、そんな渋々引き受けるような人には怖くて猫を渡せない。 

可愛がってくれなかったらどうするんだろう。

そして、のちに年取って猫が返されたらどうするんだろう、と、思うが、

10年経っても2匹仲良く暮らしているのだから、

Sさんの作戦は成功したと言えるだろう。

 

【凛子】

 

龍馬と比べて頭も悪く、鈍くてドンくさい凜子。
他人が来ると、一目散に逃げ隠れする龍馬と共に隠れようとするものの、あたふた隠れる場所を見つけられず、

来客者と鉢合わせしてしまい大パニック。 走ろうとしてつまずくショボーン

 

外猫時代にひもじい思いをしたのか、つまみ食いが激しい。

 従ってデブ DEBU爆笑


しかも、猫には食べられないだろうというような、キャベツの芯やりんごまで咥えて逃げる。

食べられるときに何でも食べておこうという野良猫時代の習性だろうか。
それもテーブルや流し台に上がったら怒られることを理解している賢い龍馬と違って、トロい凛子は必ず見つかって怒られる。

いるんだなあ、猫にもこういうダサい子が。

段々不憫になり、おそらく他に貰い手はなかったであろう凛子は、私のところに来て正解だったのだろうと思い始めた。

 

それに本当に二匹は仲が良いラブラブ
凜子はいつも龍馬の後をついて歩く。

仲良しの二匹を一緒にしてみて、楽しそうに追いかけっこをしたり、グルーミングしあったり、狭い箱に一緒に入って寝たり。

猫には猫の世界があるんだとよくわかった。

自分の都合だけで仲良しを引き離そうと思ってしまい、猫に申し訳ないことをしたと思った。

 

今、私が譲渡する時に、最初は一匹からと言われる里親さんは多い。

仲良し兄弟姉妹を二匹セットでもらってほしいと言っても、どうしても一匹だけと言われ、ご縁に結び付かないこともある。
私も昔はそうだったからその気持ちはよくわかる。

でも実際、後になって猫の視点で見たら、仲良し二匹にしてやって本当によかったと思った。
時間差ででも良いので、仲の良い子は二匹で検討してやってほしいと思う。

人間がいくら可愛がってやっても、人間は猫ではない。猫同志でないとできないこともある。

(勿論一匹飼いが適した猫もいるので保護主と要相談)

 

かくして猫を飼い始めて1か月で、既に状況は想定外の二匹に。
じわじわと多頭を抱える典型的な猫ボランティアへの道のりはこの時から既に始まっていたのかも。

 

【龍馬(右)と凛子(左)】
3龍馬(右)と凛子(左) (1)